素敵な人のあとをついていく
ちょっとそこまで、の外出用に使っているバッグがずいぶんくたびれてきた。近くのスーパーマーケットやドラッグストアへの買い出しに、娘たちを病院に連れていくのに、ひょいと持てる大きさのもの。ワンマイルウェアならぬ、ワンマイルバッグである。
いまのワンマイルバッグは合成皮革のシンプルな形で、使い勝手はいいのだけれど、くたくたになりすぎてそれ自身で立っていてくれない。自立しないバッグは置き場所に困る。5千円のバッグを2年使ったのだから、当然だろうか。
後継となるバッグを探すようになって、もう2ヶ月くらい。なかなかいいものに出合えない。高価すぎたり、サイズが大きすぎたりするのだ。私の場合、ご近所用のバッグは大きくなくていい。お財布と本、ノートとハンカチに、iPhoneと自宅の鍵が入ればいいのだから。それに、小柄な私が大きなバッグを持つとアンバランスに映る。
そんなわけで、「これ!」と叫びたくなるバッグに早くめぐりあいたいなあ、と、少し前から思っていた。
このあいだ電車に乗ったら、とても感じのいい、おしゃれな女性がいらした。60歳くらいだろうか。あまりに素敵で、こっそりじろじろ見てしまった。
ボブのグレイヘアをゆるやかに後ろへと流し、耳もとにはいびつなナゲット型のゴールドイヤリング(ピアス?)をちょこん。大きすぎず、ぴったりしすぎもしない白いシャツに、すっきりしたシルエットのパンツ。さらりと引っかけたバレエパンプスが洒脱な印象だ。
その女性が持っておられたのが、おそらく「robita」のものと思われるバッグだった。エイジングを重ねつつある、味わい深い色合いの革が装いを引き立てていた。
robitaは、レザーをメッシュ状に編み込んだデザインが特徴的なバッグを多く展開するブランドだ。私も若い頃に一つ買って、愛着を持って使っていた。
なんとなく「robitaは若い子向けのブランド」と思いこんでいたけれど、先日のご婦人を見る限り、年を重ねた女性にもよく似合うように思われる。
新調するワンマイルバッグは、robitaにしようか。もう娘たちにバッグを踏みしだかれることはなくなったので、本革をチョイスしてもいい頃だ。
素敵な人のあとをついていけば、私の身にもちょっとはチャーミングさが備わるかもしれない。心のなかにお手本を据え、それをトレースしていくことの大切さは、文章を書くことで実感済みだ。まねっこは案外ばかにできないと、いつも思っている。
さて、どのrobitaにしようか。ここからがまた楽しいステップだ。
