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その散財に祈りをこめて

仕事のあいまに本屋さんに行ってきた。読書の秋だからというわけでもない。私は本屋さんが大好きで、街中に行くと吸い込まれるように入店する。

棚を見ているだけで楽しい。へー、こういう本が売れているのか。あれ、この本、続編が出てるのか。そんな発見の連続だ。棚と棚の関連性を見ていくのも面白い。

少し前に行った丸善では、現在開催中の「書店員が選ぶ『ノンフィクション大賞』」の棚があって、しばらくその場にとどまってあれやこれや物色した。読んだことのある本もけっこうノミネートされていた。「あー、あれ良かったな。みんなに読んでほしい!」なんて、誰目線なのかわからない思いが湧いてきて落ち着きをなくした。

本に囲まれるとなんとなく安心するたちだ。内向的だった幼い頃、本の世界を逃げ場にしていたからだろうか。

今回は気になった本を6冊購入することに決めて、レジへと歩を進めた。洋服や靴も好きな私だけれど、可能な範囲でお金を惜しまないものと言えば本だ。学生の頃は図書館、いまは本屋さんで調達する。書くことを仕事にする者のはしくれとして、できるだけ著者の労力に直接報いるかたちを取ろうと決めていて、原則、本は買う。

そして、大きな本屋さんにはだいたい文具コーナーがある。ついノートやペンを購入してしまう危険エリアだ。

文庫サイズ、新書サイズの本革ブックカバーと、
同色・同素材の栞。
やわらかなグレージュがツボでした。

レジへ向かう途中で「BIBLIOPHILICビブリオフィリック」のレザーブックカバーとしおりを見つけ、あわせて買ってしまった。私の好みにびったんとハマるグレージュのものに出合ったのだ。

BIBLIOPHILICは、本好きにはたまらない読書用品ブランド。本と人との関わりを充実させる品々がラインアップされている。本に乗っかった猫のマークもかわいい。

この猫マークはシルバーでした。

近年、本屋さんが苦戦しているとよく聞く。私の住む郊外の町でもどんどん減っている。でも、私みたいな人にとっては、本屋さんは発見と甘い囁きに満ちたパラダイスだ。好きな場所になくなってほしくないのなら、そこできちんとお金を落とさなくてはいけないと自分に言い聞かせる。

お金がなかった学生時代に図書館でたくさん本を読ませていただいた恩返しみたいなものだとも思っている。

こう書いてみると、本屋さんでの私の散財には祈りがこもっているのかもしれない。どうか、どうかこの世から消えないで。そのためとあらば、このたび飛んでいった何人かの諭吉さんも喜んでくれているはずだ。

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