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雨が続いてぼよんぼよん〜ここは猫の街ミルミアシリーズ2-15

ここは猫の街ミルミア。
二本足でのそのそと歩き、
仕事をしたり、おしゃべりをしたり。
お気に入りの場所でのんびりお昼寝。
でもこの街にしては珍しく、雨続きでどんよりしているようです。


「あーぁ、今日も雨!」
ミコは窓辺に頬杖をつき、雨粒をぼんやり眺めています。水滴は窓をすべるように流れ落ち、途中でほかの雨粒とくっついては、またゆっくりと下へ伸びていきます。

「こんなに雨が続くなんて珍しいよね。」
トトは焼きたてのベーコンエピをトレーに並べながら、窓の外へ目を向けました。
「ねー。」

パンの焼ける香ばしい匂いは、どんよりとした気分を少し明るくしてくれました。

「こんなに雨が続くと…月光魚とれてないだろうからガルフは困ってるかもしれないね。」
「魚屋さんも漁師さんも困るねー。せっかく今が旬なのに。」  

トトは綺麗に並べ終わったベーコンエピを見て、満足そうにうなずきました。

「お店の方はあとはのんびりできるから、お手伝いはもう終わりで大丈夫だよ。」
「うん!わかった!」
「いつもありがとうね。」

ミコは元気よく返事をしたものの窓の外を見ると、耳もヒゲもしょぼんとたれてしまいました。

「でもなー、外で遊べないしなあー。」
トトは少し考えてから、にっこり笑うと
「んー、じゃあ一つ頼まれてくれる?」
「いいよ!なあに?」
「ガルフにパンを届けてやって欲しいんだ。ちょっとでも元気が出るようにね。」
ミコの顔はパッと明るくなりました。
「わかったー!じゃあさっそく行ってくるね!」


あーめあーめ
るんるるーん
葉っぱの傘がなけりゃ
猫は外に出られない

なんて、雨に負けないように元気に歌を歌い、
葉っぱの傘をさして
水溜まりを見つけては
ちゃぷん
ぽちゃん
長靴で踏んではその波紋を楽しみました。

しとしとと降り続ける雨は
ぽつんぽつんと
葉っぱから葉っぱへ滑り落ち
咲いている花をより美しく見せました。

ぽつぽつ
ちゃぷんちゃぷん
トトトトトト…

ふふ…なんだか雨が歌ってるみたい。

あーめあーめ
ぽつ ぽつ ぽつ
るーるるーんるーん
ちゃぷん
ぽちゃん

「あ、ガルフー!」
ガルフは魚屋の店先でしっぽをだらんとたれて
降り頻る雨を見つめて座っていました。
ミコに気がつくと
垂れていた耳がピンと立ちました。
「お?ミコ!どうした、こんな雨ん中」
「これ!トトがガルフにって!」

ミコが差し出した紙袋には
たっぷりパンが詰まっていました。
「おー!こんなにいいのか?ありがとうな!」
2匹はパンパンに詰まったパンを見ると
顔を見合わせてにっこりしました。

「…ふわぁ〜ぁ、よくねたあー。」
声のする方をみると、
本来なら魚を載せておくための
ザルの上でぷぎゅが体をのばしていました。

「ぷぎゅ!こんなとこにいたの?」
「月光魚食べたくてきたんだけどね、残念」
「すまないな…せめて夜だけでも晴れてくれればなあ。」
ガルフはまたしょぼんと耳が垂れてしまいました。
ミコは慌ててすぐに、
「きっともうすぐ晴れるよ!元気出して!」
と言いました。

ガルフは椅子を2脚、店内から店先へ持ってくると
一緒に食べようぜと言ってさっきもらったパンを出しました。
3匹は屋根の下で、振り続ける雨を見ながらパンを食べ始めました。
「おーいしー!ぷぎゅ、このパンも大好き」
「おいしいよな!トトのパンは心があったかくなる。」
「うん!」

振り続ける雨は止む気配がありません。
「しかし、ほんとにずっと雨続いてるよな。こんなに続くのは珍しい。」
「もう3日目だよ!そろそろ晴れて欲しいなあ」

ぷぎゅはばっと椅子の上に立ち上がると
「…!3日目?ずっと降ってる?」
驚いた顔でミコに言いました。
「そうだよ!ずっとぷぎゅと外で遊べてないでしょ?」
「古代樹の森行こう!あそぼ!」
「雨だから遊べないよー。」
「今じゃなきゃあそべないよ!」
「えー?」
「ほらほら、ガルフも支度して行こっ!」
「お、おう」


3匹で葉っぱの傘をさして
雨の中を歩いていきます。

ちゃぷちゃぷ
ぽつぽつ

ミコがだんだん楽しくなってきて歌い始めると
つられてぷぎゅも歌い始めました。
 
あーめあーめ
るーるーん
ぽつぽつ
ちゃぷん!

すると、ガルフもにっと笑って
あーめっ!あーめっ!
「ガルフ元気すぎっ!」
3匹は笑い合いました。


ぼたっぼたっ…
ぼっぼっぼっぼっ…

古代樹の森は雨に打たれて
なんだか生き生きとして嬉しそうに見えました。
大きな葉っぱに落ちた雨粒は、
集まって大きな雨粒になり、
時折
ぼたっと地面を潤しました。

ぽつぽつ
あーめあーめ
ぽちゃん
ぱちゃん
るーるるーん
トットットットッ…
あーっめ!あーめっ!

「あ!これこれ!これが必要なの」
そう言ってぷぎゅは変わった形のキノコをもぎとりました。
細長い形で、長さはぷぎゅの顔くらい。
軸の部分に沢山穴が空いています。
「おなかすいたの?」
「ちがうよー、これはね、こうするの」
そういうと、ぷぎゅはきのこのかさをちぎって捨てました。

見ててね、
というと
かさをちぎったあたりの軸に口をあてて、
勢いよく息を吹き込みました。
すると

ぴーっ
ぷーっ
と笛のような音を立てました。

ミコとガルフは顔を見合わせました。
「…?」
みしっみしっ…
「なんだ?何の音だ…」
ぷぎゅはにこにこして
「いっくよー!」
ミコとガルフが不思議そうにぷぎゅをみていると、突然足元が揺れました。
足元を見ると、地面が膨らんできて
次の瞬間、

「ぎゃあー!」
「うわー!」
「ひゃっほーい!」
ぼよよーんっと
3匹は空中に投げ出されました。

ぼよんぼよんぼよ…
「なにこれー!やわらかーい!」
「わーい!大成功だー」
「びっくりしたー!なんだこれ!」
3匹は巨大なキノコの上にいました。

「楽しいねー!」
「ぷぎゅ、これってもしかして昔の遊び??」
「そうだね。あ、でも雨が3日も続くのは珍しいから前もめったにできなかったけどね。」
 
こうすると楽しいよ、
と言ってぷぎゅはキノコの上でぼよんぼよんと飛び跳ねて見せました。
ミコとガルフも真似して
あっちへぼよん
こっちへぼよよん

あはは!
もっとやろーう!
と言ってぷぎゅはきのこ笛をぴゅーぴゆー吹いて
あっちでぽこん
こっちでぽこぽこん
ぽん ぽん ぽん…
どんどん巨大キノコを出現させました。

3匹は雨の中びしょびしょになりながら
ぼよんぼよん
飛び跳ねて
思い切り雨を満喫しました。

月光魚はとれないけど、
それでも今日はいい日だったなとガルフは思いました。


「ただいまー!」
とトトの店のドアを開けると、
パンの香ばしい優しい香りがしました。

厨房にいたトトは、すぐに売り場まで出てきました。
「おかえ…」
「え!なんでびしょびしょなの!?」
「ガルフまで!?」
ずぶ濡れの3匹をみてびっくりするトトでした。


ここは猫の街ミルミア。
苦手だった雨なのに
また雨が続く日がこないかな、と期待してしまうミコでした。


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ここは猫の街シリーズ2(連載中)はこちら↓


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