「どうして」から「どうしたら」へ
怒りのその先にあったもの
これまでの私は、どちらかというと「怒りの感情」を原動力にして行動するタイプでした。
理不尽だと感じることや、納得できないことがあるたびに、その怒りをエネルギーに変えて前へ進んできたように思います。
でも、その強い怒りの奥深くを、ある日じっと見つめてみると、そこにはいつも別の感情がありました。
「私のことをわかってほしい。」
「ちゃんと話を聞いてほしい。」
「本当は、とても悲しい。」
怒りは、その言葉にならない気持ちを守るための鎧だったのかもしれません。
子どもたちが広げてくれた世界
そんな私ですが、最近は以前のように怒ることが少なくなってきたと感じています。
そのきっかけをくれたのは、学校へ行くことに苦しさを抱えている我が家の3人の子どもたちです。
子どもたちのことを通して、学校の先生やフリースクールの方、親御さん、地域で子どもたちを支えている方など、本当にさまざまな立場の人と出会い、話をする機会をいただきました。
その中で、私は大切なことを知りました。
人の考え方は、一つではないこと。
対話を重ねることで、一緒によりよい環境をつくっていけること。
そして、苦しいのは自分だけではなく、目の前にいる人もまた、「今よりよくしたい」「現状を変えたい」と願っていること。
世界は、自分が思っていたよりもずっと広く、多様なんだということです。
一つの考え方だけが正しいわけではありません。
それぞれの立場や経験があるからこそ、見えている景色は違う。
そう思えるようになってから、私の視野は少しずつ広がっていきました。
怒りのその先にある「よりよい未来」
視点が変わると、心の中で自分にかける言葉も少しずつ変わっていきました。
以前なら怒りに突き動かされていた場面でも、
「今の状況を少しでも良くするには、どうしたらいいんだろう。」
「今の私にできることは何だろう。」
そんな問いを、自分自身に向ける時間が増えていったのです。
もちろん、怒りがなくなったわけではありません。
今でも理不尽なことに怒りを覚えることはあります。
でも、その怒りを誰かにぶつけるのではなく、
「よりよい未来につなげるには、どうしたらいいだろう。」
そう考えられるようになったことは、私にとって大きな変化でした。
変えられない過去よりも、これからできること
きっと私自身が、少しずつ変わってきたのだと思います。
「どうしてあのとき……」と変えられない過去に心を向け続けるよりも、
「これから何ができるだろう。」
そう考えられる時間が増えてきました。
怒りをエネルギーにしていた頃の私も、必死に自分を守りながら前へ進もうとしていた、大切な私です。
そして、たくさんの人との出会いを通して視野が広がり、未来へ目を向けられるようになった今の私も、とても好きです。
これからも、「正解は一つではない」ということを忘れずに。
自分にも、人にも、たくさんの選択肢を残しながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
もし私の経験が、今、怒りや苦しさを抱えている誰かにとって、「こんな見方もあるんだ」と思える小さなきっかけになれたら、とてもうれしく思います。
