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【こころ日記📒】「またすぐ会えるから」って、自分に何度も言い聞かせた日

何度も引っ越してきたけれど、こんなにも
心が離れがたかったのは初めてだ。

大好きだった福岡を離れることを
ギリギリまで悩んでいた。
「まだ戻れるかも」と
何度も荷造りの手が止まる。
何なら前日まで本当に引き返せるんじゃないかと
淡い希望すら持っていた。

福岡での暮らしには、
心から好きだと思える日常がたくさんあった。
とりわけ、姪っ子と甥っ子と過ごす時間は
宝物みたいな日々だった。

姪っ子の大好きなコーラと
甥っ子の大好きなラムネのお菓子を
近所のスーパーで買って、
ふらっと会いに行ける距離感。
「はい、これ好きでしょ」って渡すと、
ふたりが満面の笑顔で受け取ってくれる。
そんな何気ない時間がどれだけ幸せだったか。

東京に住んでいたころは、会いたくても
簡単には会えなかった。
「また会おうね」なんて言いながら、
会えないまま過ぎていく時間が、
いつもたまらなく寂しかった。

福岡で過ごした時間は、その寂しさを静かに
溶かしてくれるような、やさしい日々だった。
成長を間近で見られる喜び、
声がすぐそこにある安心感、
手を伸ばせば届く距離にあるぬくもり。

子どもがいない私にとって、
姪っ子と甥っ子の存在は本当に特別だった。
アラフィフという人生の後半戦を迎える中で、
あの小さなふたりは、
私に“未来”を感じさせてくれる希望の光だった。

「また離れるのか…」

次の暮らしは長崎。
同じ九州じゃん。
新幹線もできたし、またすぐに会える。
そう思おうとして、
何度も自分に言い聞かせてみる。
「またいつでも会いに行けるんだから」って。

でも本当はわかっている。
“いつでも”なんて言いながら、
その「いつか」は、思っているより
ずっと少ないかもしれないことを。

だからこそ、あの当たり前だった日々が、
今になってよりいっそう愛おしい。

何度も引っ越してきたけれど
こんなにも心が離れがたかったのは初めてだ。


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