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お金だけでも、好きだけでもない。働きがいの見つけ方

この文章は、文藝春秋とnoteで開催する「#未来のためにできること」の参考作品として主催者の依頼により書いたものです。


「好きなことを仕事にする」という言葉は魅力的だが、好きという気持ちだけで仕事を続けることは難しいだろう。

私は、大学在学中に半ばお試しのつもりで芸能の世界に自ら足を踏み込んだ。アイドルは好きだったが、実際活動してみると歌やダンスなど、自分には向いていないことばかりだった。次第に、これがやりたいわけではないかもしれない、といった気持ちが湧いてきた。特にメジャーデビューしてグループの規模が大きくなってからは、やりたいことかどうかより、「仕事だから」「迷惑をかけないように」といった義務感で活動をこなしている時期もあった。

グループの解散が決まると、ただ日々をやり過ごすのに精一杯だった私は、解散後の未来について真剣に向き合った。自分にどんな需要があるかではなく、本当に自分がやりたいことは何か、と。

解散後は、事務所に所属したが、次はもっと自由に活動したいという思いが強くなり、今はフリーランスで活動している。書き物を中心に、自費出版や個展開催、舞台などに挑戦し、今はきっと以前よりも、ダイレクトにやりたいことをやっている。しかし、今度はそのやりがいと同じくらいの責任や孤独に押しつぶされそうになった。全部やりたいこと、自分で選べるからこそ、その全てに熱量を注ぎ込んで余裕がなくなっていく。

6月に独立1周年をSNSで報告すると、【私も個人で活動していて、とても励みになる】と返信をくれた人が何人かいた。それまでリプライ欄は、主に自分の成果物に関する感想をもらうことが多かったが、その返信を見て私の方も励みになり、なんだか社会と自分が繋がった気がした。

1人だけど、1人じゃない。誰かに繋がっていると思えた時、人はもう少し頑張れる。きっと、「働きがい」はお金だけでも、好きだけでも足りないのだ。思えば、グループの時も今も私が頑張れていたのは、”見てくれている人は見てくれている”といった感覚だった。
 
私は、いつの間にか、「応援される側」という立場に慣れすぎていたのかもしれない。アイドルのように目に見える応援がなくても、自分の仕事が誰かに繋がっていくと意識するだけで働きがいは生まれる。社会と自分を能動的につなげていくことも重要だと気がついた。これからは、もっと“見えない誰か”との繋がりも意識して働いていきたいと思う。

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