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アーバンとスパルタンでカンフーな日々は、僕をカラテカに変えたんだぜ!

格闘ゲームにのめり込むようになったのは、間違いなくゲームセンターの『ストリートファイターⅡ』がきっかけです。

元々、プロレス(婆ちゃんの影響)やボクシングを観るのが好きで、今も総合格闘技(UFCとかRIZINとか)をよくチェックしています。そんな僕ですから、ストⅡに強烈に惹かれる素養をハナから持ち合わせていたのかもしれません。振り返ると、ファミコン初期にハマったゲームにも、すでに熱い格闘のエッセンスが迸(ほとばし)っていました。

そう、それは1984年の『アーバンチャンピオン』、1985年の『スパルタンX』と『イーアルカンフー』、そして『カラテカ』なのです。

路地裏のシリアスでコミカルな攻防

『アーバンチャンピオン』(1984年 / 任天堂)

『アーバンチャンピオン』は、まさにストリートファイトそのものでした。シンプルな殴り合いの中に、実に熱い攻防が盛り込まれていたのです。

強弱2種類のパンチは上段と下段に打ち分けられ、それを上下のガードで防いだり、スウェイバックでいなしたり。顔やボディに強パンチがめり込むときの「ドボォ」という効果音と、一瞬のヒットストップの後で吹き飛ばされるモーションは、コントローラーを通じて指先にしっかりとした重みを感じさせました。

一方で、コミカルな一面もありました。パトカーが巡回に来るとバトルを中断し、お互い知らんぷりで口笛を吹いてやり過ごそうとしたり、建物の2階から落とされた植木鉢を頭に食らうと、ラリった顔で気絶状態になったり。そんな泥臭い駆け引きの末、最後はマンホールに相手を叩き落とす!あのアクションには最高のカタルシスがありました。

軽快無比なナイスアレンジと、大いなる矛盾

『スパルタンX』(1985年 / 任天堂)

『スパルタンX』は、元はアイレムからリリースされたアーケードゲームでした。それがファミコンに移植されることになり、発動したのが任天堂の“ナイスアレンジ”です!

左右から迫り来る敵たちを、パンチとキックで蹴散らしていく功夫(クンフー)アクション。実はファミコン版の方が、操作感がはるかに軽快だったのです。もちろんアーケード版も、描かれるキャラクターの質感や大きさに迫力があり、熱い功夫アクションに間違いないのですが、動きがちょっともっさりしていて、敵にちゃんと攻撃を当てないとたちまち窮地に立たされるという、なかなかの高難易度でした。

余談ですが、『スパルタンX』というタイトルはジャッキー・チェン主演の同名映画から付けられています。ファミコン版のパッケージイラストも、まさにジャッキーを想起させるものでした。

でも、各階の最後で待ち受ける多彩なボスを打ち倒し、階段で上へ上へと目指していく主人公・トーマスの姿は、どう見てもブルース・リー主演の映画『死亡遊戯』そのもの。

「えっ⁉︎ そんな些細なこと『考えるな、感じろ!』ですって⁈」 ――って、それがまさにブルース・リーやないか〜い!

脳と指先が直結する、至高のカンフーハイ状態

『イーアルカンフー』(1985年 / コナミ)

程なく発売されたコナミの『イーアルカンフー』も、元は同名アーケードゲームの移植作でした。

アーケード版は水墨画を思わせる中華な山々を背に、多彩な功夫技をレバーとボタンの組み合わせで繰り出す仕様。待ち受ける敵も多種多様で、非常に攻略しがいに満ちていました。

一方でファミコン版は、潔くシンプルな攻防を突き詰めています。これがツボにハマると、ザクザクと一方的に攻撃が決まって最高にテンポが良い!技の種類が限られている分、かえって脳と指先が直結しているようなレスポンスの良さを感じるのです。軽快に敵を打破していくこの抜群のリズム感……僕はこれを「イーアルカンフーズハイ」と勝手に呼んでいます。

理不尽を越えて、漢(オトコ)の証を立てろ!

『カラテカ』(1985年 / ソフトプロ)

そして忘れてはならないのが、今は亡きソフトプロからリリースされた『カラテカ』です。元は海外のゲームで、振り返ると「洋ゲー」という言葉が生まれる前から、独特の魅力と怪しさを放っていました。

まず、あのパッケージイラストです。星条旗の下にロボットの仮面を被る空手家の姿。なぜか鷹まで舞っておるわい。そしておもむろに記載された「愛と勇気がオトコの証」というワード。……言葉の意味はよく分からんが、とにかく凄い自信だ!状態です。

ゲーム内容も伝説級でした。開幕直後、左に後退し続けると、いきなり崖から海に転落してゲームオーバー。 「ならば!」と気を取り直し、闘いの前に武道家らしく一礼をしていると、それを無視した相手の攻撃が鳩尾(みぞおち)に深々と刺さってゲームオーバー。 さらに、尖った先端の格子が上から落ちてくるゲートを、これ以上ないくらい慎重に渡ったはずなのに、無慈悲に格子に突き刺されて容赦なくゲームオーバー。

一見すると理不尽極まりない仕様かもしれません。しかし、実際の闘いにおける攻防の駆け引きは『アーバンチャンピオン』以上。トライ&エラーを繰り返すことで努力が必ず報われる、極上のスルメゲームだったのです。

宿命の「1991年」へ向かって

僕のファミコン格闘の血筋は、ここで途絶えることはありませんでした。

その後も、ナムコの『ファミリーボクシング』や『ケルナグール』に熱中し、テクノスジャパンの『くにおくん』シリーズで暴れまわり、カルチャーブレーンの『飛龍の拳』シリーズで秘奥義を放ち、マイナーだけど味わい深い東映動画の『ファイティングロード』でにやりと笑みをたたえ……。極め付けには、任天堂御大がファミコン末期にリリースした傑作『ジョイメカファイト』まで!

時間が経っても、定期的に発売される格闘系ゲームに飽きることはありませんでした。こうして格闘のエッセンスを英才教育のように浴び続けた僕は、やがて1991年、運命に導かれるようにして、あの『ストⅡ』に出会ってしまうのでした。

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