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僕と父とグーニーズと:〜受け継がれる映画とハヤシライスの記憶〜

僕の父は既に定年退職をして久しく、第二の人生(セカンドライフ)ってやつを満喫しております。いわゆる団塊の世代です。

若かりし頃の父は、午前様は当たり前で、飲みや麻雀も仕事のうち。やがてゴルフを覚えてからは、休日は朝から夜まで家にいないのが常でした。まさに絵に描いたような仕事人間であり、付き合いの遊びも手を抜かない。そんな父のおかげで、我が家は経済的に潤っていましたし、「亭主元気で留守がいい」を地で行く母とのコンビネーションも絶妙なバランスでした。

そんな父ですから、「公園で息子とキャッチボール」なんていう昭和のほのぼのした親子シーンは生まれませんでしたし、僕もそれがデフォルトという認識でしたので、寂しく思うことはなかったです。

バスに揺られて行った映画館と、濃厚なハヤシライスの記憶

ただ一つ、定期的に父がしてくれたレジャーは、僕の人生に少なからず影響を与えてくれました。

それは、洋画を中心に映画館に連れて行ってくれるということでした。

月に1〜2回のペースだったと記憶してます。バスに揺られて向かうのは、駅前にある小さな映画館。「東映まんがまつりが観たいなぁ」と思うこともありましたが、父がセレクトする作品は決まって洋画でした。日本語吹き替えされていないことも多くて、洋画で字幕を追う経験を幼い頃から積むことになりました。おかげで今でも、映画を観る時は自然と字幕版を選んじゃうんですよね。

当時は一度チケットを買えば、映画館を出ない限り、何度でも同じ作品を観ることができました。二本立て(併映)ってのも普通にあって、「もう一回観るか?」という父の提案で、かなり長い時間映画館で過ごすこともあったのです。

映画を観終わった後は、必ず父の行きつけの洋食屋(なぜか父が描いた油絵が壁に掛けてあるお店)に寄り、名物のハヤシライスを食べさせてくれました。今でも当時観た映画がテレビで再放送されたり、YouTubeで名シーンが流れてきたりすると、あの濃厚なハヤシライスの味が口の中に蘇ります。

受け継がれる「たまの贅沢」

父は幼い頃に自分の父を亡くしていて、母子家庭で経済的に厳しい家庭に育ちました。ですが兄弟は8人と多く、父は末っ子ということもあり、歳がだいぶ離れた兄たちが父親代わりとして育ててくれたとのことです。

そして、当時の「たまの贅沢」が、兄と一緒に「映画を観に行く」ことで、決まって帰りには喫茶店で洋食を食べさせてくれたそうです。その時の嬉しかった記憶がベースになって、僕を映画館に頻繁に連れて行ってくれていたようです。やはり幼少期の頃の経験ってのは、その後の価値観に大きな影響を与えるものだなぁとしみじみ思います。

1985年12月、運命の冒険譚に出会う

そんな映画体験の中で、運命の出会いが訪れます。1985年、当時僕は小学6年生。クリスマスムードに染まった12月に、今でも大好きな映画に出会いました。

それが「グーニーズ」です。

テレビで再放送される度に必ず観てしまう……いや、観させて下さい!ってな感じでとにかく大好きなのです。少年少女の冒険譚が当時の僕に等身大でぶっ刺さり、あのわくわく感は今でも宝物のように輝いているのです。

コナミ神、降臨!ファミコン版『グーニーズ』の楽しさ

父と観たグーニーズの興奮の余韻が冷めやらぬ中、2ヶ月後にはファミコンソフトの「グーニーズ」が発売されました。すでに、あのオレンジの箱が眩しいコナミのファミコンソフトへの信頼感は抜群でしたし、そこに大好きなグーニーズが加わった時には、もうプレイすることに1ミリの迷いもありませんでした。

もう何をか言わんやって感じで、説明不要だと思いますが、ファミコンのグーニーズは素晴らしいアクションアドベンチャーでした。

羊皮紙を模したタイトル画面には、巨体で怪力の心優しいスロースを中心に、手を繋いだ少年少女のシルエットが描かれています。そして開幕一番、シンディ・ローパーの名曲「グーニーズはグッドイナフ」の旋律がアップテンポで流れてくるのです。

「か、神だ!コナミ神がファミコンに降臨しとるぜ!」と、当時の僕は心の中で大絶叫でした。

グーニーズとコナミの幸せなコラボは、当時流行っていた隠れキャラや隠しアイテムといったファミコン文化を上手く取り入れて、ファミコン屈指の名作として語られるようになりました。実はファミコンのグーニーズに先駆けて、ホビーユースパソコンのMSXでゲーム化されていて、僕は後年プレイすることになるのですが、流石はコナミ!こちらもグッドイナフな名作でございました。

映画を題材にしたゲームは、漫画やアニメのキャラクターゲームに似て、ゲームのクオリティ云々よりも原作のネームバリューが先行する傾向があります。しかし、ファミコン(&MSX)のグーニーズは、映画作品のゲーム化として大成功をし、まさに金字塔を打ち立てたのでした。

いつか来る「その日」は、僕が子どもたちを連れていくんだぜ

かなり前から、映画『グーニーズ』の続編が噂されています。なかなか具体的な進行状況が報じられず、ヤキモキを通り越して、最近では仏の笑みを湛えながら待ち望んでいる今日公頃です。

そしてもし、「グーニーズⅡ(仮称)」が封切りになった時には、今度は僕が息子と娘を連れて映画館に繰り出そうと思います。そして実は今も健在のあのハヤシライスの洋食屋にも...。

あの日、僕をバスに乗せて、映画館に連れて行ってくれた父のように……。

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