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僕とアイスとズゥオンビィハンタァ〜と:音声合成に感動したけど、何度も聞いているとウザイよね!の巻。

「しっかりしろよ!」

とブラウン管テレビに叱咤激励されたのは、1987年の夏でした。

当時、僕のファミコンに挿さっていたカートリッジは「ゾンビハンター」。知る人ぞ知るファミコン専門誌「ハイスコア」からリリースされたアクションRPGでした。

実はこのゲーム、最初からおもちゃ屋さんの店頭に並んでいたわけではありません。なんと「ゾンビハンター」は、特定のエスキモー社のアイスクリームを買って、ビニールの包装についている「1up」マークを5枚集めて送ると懸賞として当たるゲームソフトだったのです。後から調べると8000名分用意されていたようですので、昭和の子供向けとしては結構大きなキャンペーンだったと思います。

終わらないアイス地獄と、迫り来る我がゾンビ化

とはいえですよ。 何回エスキモー社のアイスを食べたことでしょう。

……懸賞に当たんねぇんだな、これが(落)。

「ゾンビハンター」のアイス自体はすごく美味しかったんです。中に大きなゼリーが入っていて、食感も楽しくてお気に入りでした。だけど、食べても食べてもハガキを出しても、一向にゲームは届かない。懸賞に当たらない僕の顔が、日に日に青ざめて本物のゾンビになっていくという皮肉な事態に。しかも、冷たいものを一気に何個も食べるもんだから、お腹もピーピーになったぜぃ!

それでも、お店で買えないゲームソフトだからこそ、そこにどうしようもないロマンを追いかけてしまうのでした。

そんな僕の涙ぐましい努力(とお腹の悲鳴)をあざ笑うかのように、結局、「ゾンビハンター」は懸賞キャンペーンが終わりかけの頃に、普通に店頭でも発売されることになりました。

……ええ、買いましたとも!

僕のお腹で無惨に散ったアイス達の魂を鎮めてやるためにも買いましたとも! 念願の「ゾンビハンター」のカートリッジを手に入れたその瞬間、僕はようやくゾンビから人間に復活をしたのでした(活)。

ガビガビの音声合成に一喜一憂したあの日

冒頭の「しっかりしろよ!」というボイス。それは「ゾンビハンター」でゲームオーバーになったときに流れてくる音声合成でした。

「ゾンビハンター」には音声合成がいくつかあります。
まずはタイトルコールの「ハイスコア!」からのぉ〜「ズゥオンビィハンタァ〜(ゾンビハンター)」。この独特のホラーを煽る発音が妙に耳に残るのです。

あとはゲームオーバーのときの励まし系ボイス、「がんばれよ!」とか「あとすこし!」とか。エンディングではなんと「おめでとう!」と称えてくれるのです。ガビガビのノイズ混じりの声だったけど、スゲェなぁと思ったものです(何回も聞いてると腹立つこともあったけど)。

異端の雑誌「ハイスコア」

このゲームを語る上で外せないのが、おもちゃ屋さんではなくファミコン専門誌が全力を注いで作ったゲームだという点です。「ハイスコア」という雑誌は、当時の大メジャー誌だった「ファミコン通信」や「ファミリーコンピュータMagazine」に比べると、ちょっと異端といいますか、マイナーだけにコアなファンが買っていたようなイメージがあります。

今振り返ってみても、なかなかに尖った雑誌でした。特にドラゴンクエスト関係では、掲載してはいけない攻略情報やラスボスを早々に載せちゃって、何度かメーカー側とトラブっていたような印象があります。

良く言えば「読者のために忖度しない」姿勢、悪く言えば「雑誌が売れりゃルール構わず」というアナーキーな感じなのでしょうか。今にして思えば、ドラクエ関係は当時から情報規制がめちゃくちゃ厳しかったんだなぁ、と大人の事情が透けて見えて感慨深くなります。そんなちょっと危うい熱量を持った雑誌が作った「ゾンビハンター」だからこそ、どこかトガった魅力があったのかもしれません。

大人になった僕と、消えないロマン

大人になってから改めて「ゾンビハンター」を振り返ってみると、色々と荒削りな部分は目立つものの、システム的にはかなり時代を先取りしていたことに気づかされます。

宝箱から得られる報酬がランダムで、リアルな運の要素が大きく左右する、今で言う「ローグライク」的なモードも備わっていて、個人的には凄く楽しいゲームでした。何か新しい挑戦を詰め込もうとした開発者のパッションを感じます。

あぁ、こんなことを書いていたら、なんだか無性にあのゼリー入りの「ゾンビハンター」アイスが恋しくなってきました。ゾンビハンターのアイスクリーム、どこかのメーカーさんで奇跡の復活をしてくれないかなぁ。

そんときゃ、お小遣いの額を気にしなくていい特権を使って、大人買いしてやるんだぜぇぇぇ!

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