きのこ礼賛
◆キノコが現れる場所
夕暮れ時、仕事から自宅に戻り、車庫に車を入れる。
19:00前、まだ日没までは少し時間がある。
景色は夕方の優しい色合いに包まれている。
その穏やかな空気とは裏腹に、仕事上のやり取りで、納得できなかったことが胸に残っている。
気持ちの上で綺麗に終わらせて帰宅したかったが、嫌な空気を持ち帰ってしまった。
車庫の扉を閉めながら、足元の緑の芝生に目をやる。
「そろそろ会えるかな。」
ここはキノコの生える場所、小さなキノコたちがある時季、突然、わっと現れるのだ。

6月から7月頃に見かけることが多いが、決まってそうだというわけでもない。
天気、気温、湿度、さまざまな条件が揃った時に現れるようだ。
繰り返しこの場所に現れるということは、この芝生の地面の奥に、きっと彼らの王国が存在するのだ。

ふと、noteで読んだ「キノコ型人材」の記事を思い出した。
◆「菌糸期」「キノコ型人材」・・・ きのころさんの記事
キノコの生態になぞらえて、人の成長や「菌糸期」の大切さを綴った、きのころさんの記事。
記事の内容を思い起こし、地中で静かに菌糸を広げる自分を想像してみる。
今、自分の身に起きていることをどう捉えるか、
同じ出来事でも、見方を変えれば違う意味を持つのかもしれない。
通らなかった意見。
正当だと思えない評価。
それらも一度分解し、養分にして循環させてみようか。
…そんな気分になれた。

きのころさんの言う、「菌糸期」…
地中で力を蓄えながら、キノコの菌糸が広い世界へと冒険する場面を想像する。
経験したことがない事が次々に起こる現代、地中で蓄積した知識や関心はきっと役に立つはず。
植物の「花」のようなものは咲かせないけど、彼らは彼らのやり方でネットワークを広げ、仲間を増やす。
目に見える成果として姿を現す時期もあれば、地中で静かに世界を広げる時期もある。
梅雨の夕暮れ、キノコたちのしなやかな底力を思う。
この庭の地面の奥深く、私が見ることができないところに、どれだけの菌糸のネットワークが張り巡らされているのだろう。
◆私の菌糸の伸びるところ
新しい場所を求めて伸び続ける菌糸を想像しながら、通勤用の鞄を片付ける。
肌触りの良い部屋着に着替え、台所に立つ。
こんな気分の時に料理をするのは、私のストレス解消法のひとつ。
私が伸ばしてきた菌糸の先には、料理を楽しむ世界も広がっているのです。
冷蔵庫の野菜室を開け、目が合ったキノコたち。

今夜は、たっぷりのエリンギでマリネを作ろう。

※このイラストはAIで作成しています※
毎回楽しみにしている、きのころさんの投稿。
読む人みんなを、楽しく、温かい世界へと連れて行ってくれる。
誰も置いていかない、その包み込むような菌糸に、いつまでも繋がっていたいな〜
と思うのです。
〈 おしまい 〉
