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数字で読み解き、地域の価値を伝える 。 マーケティング視点で地域を動かす仕事

コンビニの商品開発に携わっていた頃、私は全国の販売データを毎日のように見ていました。
新商品は発売から3日が勝負。その初動で、その商品がヒットするかどうかの大枠が見えてきます。

全国一律で商品を展開することは、仕入れや製造の効率を高めるうえで重要です。一方で、実際の数字を見れば、地域ごとの嗜好の違いは驚くほど明確に現れます。

たとえば、同じ商品を同時に販売しても、北海道と沖縄では売れ方が大きく異なります。ゴーヤチャンプルーを沖縄では自然に受け入れられますが、北海道では思うように伸びませんでした。
気候、生活習慣、土地に根づいた食文化などの背景が、購買行動に直結しているのです。

さらに、同じ商品でもコンセプトの打ち出し方ひとつで結果は変わります。
誰に、どんなストーリーで届けるか。
その設計によって売れ行きは大きく左右されます。

私は現場で、数字の先にある“地域性”と“伝え方の力”を学びました。
それは机上の理論ではなく、実際の消費行動から得た、生きたマーケティングでした。

その経験を経て、次にやりたいと思ったのは、まだ知られていない地域の魅力を世の中に届ける仕事でした。

自ら場所を借り、北海道の魚醤をテーマにしたイベントや、愛媛県西予市の食文化を紹介する催しなど、少しマニアックとも言える地域食イベントを立てて開催しました。
規模は小さくても、そこには確かな反応がありました。
「知らなかったけれど、知ったら好きになる」
その瞬間を何度も見てきました。

そうした活動をきっかけに、東京都の農林水産物を発信する仕事も担当しました。

TOKYO GROWN https://tokyogrown.jp/special/hunter

毎月、生産者のもとへ足を運び、取材し、食べ、その土地ならではの歴史や栽培方法、旬、生産者の想いを掘り下げて文章にする。
さらに、その食材が生活の中で生きるようにレシピとして提案する。
東京都の島しょ部にも渡り、水産資源についても取材を重ねました。

この仕事を通して実感したのは、地域の価値は“ある”だけでは伝わらないということです。
背景を整理し、魅力を言語化し、届く形に翻訳することで、初めて人の心に届く。

地域活性化に必要なのは、単なるPRではありません。
その土地ならではの強みを見つけ、市場の視点で整理し、選ばれる理由をつくることです。

私は、数字を読むマーケティングの視点と、地域に深く入り込む取材力の両方を活かして、地域の価値を伝える仕事をしてきました。
これからも、埋もれている魅力を見つけ出し、人が集まり、ファンが生まれる仕組みをつくっていきたいと考えています。

※写真は東京の秋川渓谷にて鮎の取材中に、鮎はスイカの匂いがすると聞き、確認しているところです。


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