ガルダイアの白い布
アルジェリア紀行⑰でガルダイアの話を書いた。
イスラム清教徒と呼ばれる人々が住んでいて、
女性は全身真っ白の装束で
頭から白のシーツのようなものをかぶり
片目だけを出して歩いていると書いた。
きっとイスラム清教徒の人たち特有の
お洋服なんだと思っていたが、
夫が子どものころ、
義母も同じように片目だけ出して
歩いていたとのこと。
もちろん義母はガルダイア出身ではない。
ガルダイアから遠い街の出身だ。
ブルカとは違う、全身を覆うこの装束は
「ハイク・ブ・ウェイナ」と言って
意訳すると"片目のニカブ"という意味だそうだ。
ニカブは目の部分だけ出た全身を覆う装束で
サウジアラビアの女性がよく着ている。
防御力(?)でいえば
ニカブは相当なもんだと思っていたが、
その上をいく装束があるとは。
(ちなみに防御力最強だと思っているのは
ブルカだ。アフガニスタンの女性が着ているやつ。
良い悪いはおいといて。)
アルジェリアの田舎では2000年ごろまで
この服装で歩いていたが、
車社会や女性の社会進出なども増えて
世の中が変わっていくにつれて
この風習は少しずつ淘汰されていった。
しかし、ガルダイアでは未だにこの風習は
ついえていない。
いつか、ガルダイアでも
この風習が消える日が来るかもしれない。
だとすると、なんとなく寂しい。
悪しき風習と見る人もいるかもしれない。
女性の進出を阻む、過去の遺物である、
といった風に見る人もいるかもしれない。
しかし、白い布を風にひるがえしながら歩く
彼女たちの姿はとても堂々としていて美しかった。
いつかわたしがおばあちゃんになったときに
「あの頃はガルダイアでも片目だけ出して
歩いてる人がいたんだよ」
という日が来るかもしれない。
時間のベクトルの途中で
白い衣装の女性たちを見れたのは幸運だったと
思える日がくるだろう。
時代錯誤と見るのか、伝統と見るのか。
ほとんど欧米文化に感化された
今の日本人のわたしには
とても貴重なものを見せてもらっている
気持ちになっている。
先進国のハイテクな文化が正しいのか。
恩恵を受けているわたしには
手放すことはできないが
それでも何かの瞬間に立ち止まって
考えてみる時間は必要だと思う。
そんなことを、彼女たちの後ろ姿を見ながら
思ったりした。
ものすごく余談どころか蛇足だが、
片目だけ三角に出しているので
夫は「イルミナティだ・・・!笑」
とふざけている。
