17年システム開発をやってきた私が、「小さなDX」を始める理由。
kintoneを入れた。AppSheetも作った。スプレッドシートもある。
でも、なぜか手作業がなくならない。
この機能と、この機能がつながっていない。結局、最後は誰かがExcelに転記している。作った当初は使っていたけど、いつの間にか使わなくなった。
最近、実際にいくつかの会社と話をする中で、そんな場面を何度か見ました。もちろん、うまく使えている会社もたくさんあると思います。
でも、「DXって言われても、何から始めればいいのか分からない」「ITは正直、得意じゃない」「大きなお金をかけるほどの話なのかも分からない」「でも、現場には明らかに無駄な作業が残っている」。そんな会社も、かなり多いんじゃないかと思っています。
そして、そんな会社に対して、自分ができることがあるんじゃないか。
それが、私が「リブカン!」を始めようと思った理由です。
今年、自分のキャリアをかなり考えた
私は17年以上、システム開発の仕事をしてきました。プログラマー、システムエンジニアとして、ずっとITの世界にいました。
ただ、生成AIがここまで急速に進化してくると、さすがに考えます。
このまま、今までと同じように「プログラムを書く人」でいいのか。
たぶん、そうではない。
実際、今はAIに相談しながらシステムを作ることもできます。少し前なら専門家に頼まなければできなかったことが、どんどん自分たちでできるようになっています。
だったら、自分の17年間は何に使えるんだろう。
そんなことを、今年ずっと考えていました。
そもそも、プログラミングそのものが一番好きだったわけじゃない
振り返ると、自分はコードを書くことそのものに一番興奮するタイプではありませんでした。もちろん、作ることは好きです。
でも、それ以上に面白かったのは、サービスを立ち上げること、プロジェクトを動かすこと、人を巻き込んで止まっていたものを前へ進めること。そういう仕事でした。
プログラミングは、自分にとってずっと「手段」だったんだと思います。
そして、もう一つ。
私は昔から「可能性が広がる」ということにすごく反応します。人ができなかったことをできるようになる。その人自身が気づいていなかったものが出てくる。
だからIT初心者向けの教育もやってきたし、自分でコミュニティを作ったりもしてきました。
最近は、それは人だけではないと思っています。
会社も同じです。
会社にも、そこで働く人がいる。経営者がいる。歴史がある。その会社なりの性格みたいなものがある。
だったら、会社にもまだ使われていない可能性がある。
それをもう一度動かすことができるんじゃないか。
「作れる」と「ちゃんと機能する」は、別の話だった
AIが出てきて、システムを作るハードルは一気に下がりました。これは間違いなく、ものすごく大きな変化です。
でも実際の会社を見ていると、別の問題も見えてきました。
一つの機能は作れている。でも、その前後の業務とつながっていない。
例えば、フォームに入力する仕組みはある。でも、そのデータを別の管理表へ人が転記している。顧客管理のツールはある。でも、見積作成とは連携していない。
便利な仕組みを作ったはずなのに、現場では結局、元のやり方に戻っている。
そんなことが起きる。
別にkintoneが悪いわけでも、AppSheetが悪いわけでも、AIが悪いわけでもありません。道具はものすごく良くなっています。
問題は、
会社の仕事全体を見て、「どうつなぐか」を考える人がいるかどうか。
なのだと思います。
何をシステム化するのか。逆に、何は今のままでいいのか。どこまで自動化するのか。社員が本当に使えるのか。何かトラブルが起きたとき、どうするのか。
AIが作ってくれたとしても、最後にそこへ責任を持つのは人間です。
5年後、10年後はどうなっているか分かりません。でも少なくとも現時点では、こういうところを仕切るプロの役割は、まだかなり必要だと感じています。
そして、ここなら自分のキャリアが使えると思いました。
整理して、作って、教えて、使われるところまで
自分のキャリアを改めて並べてみると、業務の話を聞いて整理することができる。設計ができる。自分で作ることもできる。ITが得意ではない人に説明することもできる。チームや組織を動かす経験もしてきた。
つまり、
業務整理 → 設計 → 開発 → 教育 → 現場定着
まで、一つの流れとして見ることができる。
コードを書く部分は、これからますますAIが助けてくれる。だったら自分は、その分、「本当は何に困っているのか」「その会社なら、どういう形なら使えるのか」「どうすれば現場に定着するのか」というところに、もっと時間を使える。
むしろAIによって、自分の17年間の経験が生きる場所がはっきりしてきた感覚があります。
だから、大企業ではなく「社員50人未満」にした
DXという大きな市場で、大企業を相手に戦おうとは思っていません。そこには、すでに大きなシステム会社も、コンサルティング会社も、優秀な人もたくさんいます。
だったら、自分はもっと小さいところをやろう。
社員50人未満くらいの会社。個人商店でもいい。
経営者の顔が見える。現場で働いている人の顔も見える。「これ、毎日面倒なんだよね」という一言を直接聞ける。
そして、自分が作ったものを翌週に使ってもらって、「ここ使いづらいね」と言われたら、その場で直していく。
自分は、そういう仕事のほうが面白い。
そして、そこなら自分なりの戦い方ができると思いました。
これが、自分なりのランチェスター戦略です。
いきなり100万円を出すのは、そりゃ怖い
もう一つ、「小さくやる」と決めた理由があります。
経営者側から考えたら、そもそもDXが何なのかよく分からない。何を頼んだらいいのかも分からない。成果が出るかも分からない。相手がどんな人なのかも、まだ分からない。
その状態で、「じゃあ100万円、200万円かかります」と言われたら、普通に怖いと思います。
実際、ある経営者の方から、
「まあ、月数万円だし、短い期間だから。何かあってもね(笑)」
と言われたことがあります。
笑いながらでしたけど、私はそれを聞いて、「そうだよな」と思いました。
それが本音だと思うんです。
分からないものに、最初から大金を出す必要はない。
まず、一個やる
だからリブカン!では、まず小さく始めます。
例えば、一つのExcel。一つのスプレッドシート。在庫管理。案件管理。見積作成。勤怠。チームの活動管理。
今、明らかに困っている一個から始める。
短い期間でやる。使ってみる。結果を見る。ダメだったら、そこで止めればいい。
それなら会社側のリスクも小さい。こちら側も、一つの課題に集中できるので、結果を出しやすい。
そして、「これならもう少しやってみよう」となったら、次へ進めばいい。もう少し予算をかけてもいい。もう少し大きな範囲をやってもいい。
最初から全部を変えなくていいんです。
小さく成功して、次に進む。
私が言う「小さなDX」は、単に小さなシステムを作るという意味ではありません。
会社と支援する側が、お互いに小さくリスクを取って、一歩目を踏み出すためのやり方。
そう考えています。
「リブカン!」を始めます
この仕事に、**リブカン!**という名前をつけました。
Reboot Company。会社を再起動する、という意味です。
人は何度でも再起動できる。私はそう思っています。そして、会社だって同じだと思う。
巨大なシステムを入れなくてもいい。壮大なDX戦略を作らなくてもいい。
一つの無駄な作業をなくす。毎日30分かかっていた仕事を10分にする。社長しか分からなかった情報を、社員も見られるようにする。紙でやっていたことを、スマホから入力できるようにする。
そんな一個からでいい。
それでも会社は、昨日より少し前に進む。
私は、そういう仕事をしていきたいと思っています。
そして、このニュースレターを始めます
DXについて解説する人は、すでにたくさんいます。成功事例も、ツールの使い方も、検索すればいくらでも出てきます。
なので、このニュースレターでそれをやるつもりはあまりありません。
私が残したいのは、実際の仕事のプロセスです。
どんな相談があったのか。最初に何を見たのか。何を問題だと思ったのか。なぜその方法にしたのか。何を作ったのか。現場で使ってみたらどうだったのか。どこを作り直したのか。
うまくいかなかったことも含めて、できる限り残していこうと思っています。
なぜなら、これからAIによって、作れるもの自体の差はどんどん小さくなっていくと思うからです。同じようなシステムを作れる人、DXを支援できる人。そういう人は、これからもっと増えると思います。
だったら最後は、
誰に頼むか。
だと思っています。
「この人なら、ちゃんと考えてくれそうだな」「分からないことも相談できそうだな」「言ったものを作るだけじゃなくて、他の方法も提案してくれそうだな」「自分はITが得意じゃないけど、この人なら安心できそうだな」
そんなふうに思ってもらえる仕事をしたい。
だからこれは、自分にとって営業資料でもあります。
ただ、サービスの機能や実績だけを並べる営業資料ではありません。
自分が仕事で何を見て、何を考えて、どう動く人間なのか。
それを蓄積していく営業資料です。
このニュースレターは、社員50人未満くらいの会社で、ITはあまり得意じゃない。DXと言われても正直よく分からない。何から始めればいいのかも分からない。大きな予算を出すのも怖い。
でも、「この手作業、いつまでやるんだろう」「もっと楽にできるんじゃないか」「そろそろ何か変えないとな」と感じている経営者やオーナーの方に届けたいと思っています。
いつか何か困ったとき、
「そういえば、リブカン!ってあったな」
と思い出してもらえるように。
リアルな仕事をちゃんとやる。そして、そのとき自分が何を考えていたのかも、ここに残していく。
小さなDXで、会社を一歩前へ。
リブカン!、始めます。
リブカン!|社員50人未満の小さなDX実践記
Chapter1
プロフィール
システム開発17年以上。業務整理・設計・開発から、ITが得意ではない人への教育、現場定着まで支援。現在は「社員50人未満の会社の、社長のIT右腕」として、リブカン!を展開しています。

一つのExcel、一つのスプレッドシート、一つの困りごとから。
小さなDXで、会社を一歩前へ。
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