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「若者が来ない会社だった」が、10年で“行列ができる会社”に変わるまで。

はじめに

山口県下関市。本州最西端にある、社員100名ほどの地方建設会社・コプロス。かつて「誰も採用できなかった会社」が、いまでは年間800人以上のエントリーを集め、文系出身の若者も、女性も、外国人も、地域に根ざして育つ企業へと変貌を遂げつつあるなかで、「採用力のある」建設業として少し注目をして頂けるようになってきました。

なぜ私たちは「人材採用」と「教育体制の構築」に舵を切ったのか

私が建設会社コプロスに戻ったのは2013年。
当時、社員数は約90名。平均年齢は47.8歳。30歳だった自分より若手は2人しかいませんでした。

帳票はすべて手書き、日報は1か月遅れ、情報共有はホワイトボード。
それでも現場は回っていましたが、「次の10年」へ向けた準備はどこにもありませんでした。

経営者としての視点で見たとき、最大のリスクは“構造的な若手不在”でした。
どれだけ技術や実績があっても、担い手がいなければ継続も革新もできない。労働集約型のこの建設業であれば尚のこと・・・。
さらに、既存社員の高齢化が進めば進むほど、新人教育に手が回らなくなることも明白でした。

そこで私は、以下の3つの課題を解決していくことを目指しました:

  1. 若手を採用し続ける「入口」の設計

  2. 入社後に着実に育成できる「仕組み」の構築

  3. ベテランと若手が共存できる「環境」の醸成

この10年、試行錯誤を重ねながら、採用ブランディング、教育プログラム、ICT・DX導入、住宅事業・M&A・外国人採用と、いわば「人づくり」を軸とした全体戦略に取り組んできました。

その成果が少しずつ形になり、今では次のような成果を得てきました。

コプロスの今
  • 毎年10名の安定した大卒新卒採用の実現

  • X(旧Twitter)を通じた発信が全国に広がり、技術交流や出向研修の機会の獲得

  • 中国インフラDX表彰、DXセレクション準グランプリの受賞



このnoteは、その背景をあらためて整理し、社外にも伝えるために書いた記録です。
SNSでは伝えきれない「なぜ始めたのか」「どう考えているのか」「これからどうするのか」を、すこしマジメにまとめました。


人材難・高齢化・技術継承といった課題を前に、「人を起点に会社を変える」道は誰にでも開かれていると考えています。

地方企業が未来を描くためのヒントになれば幸いです。



第1章 なぜ、建設業は若者に選ばれないのか?

「人気の無い」建設業

山口県初の建設業合同会社説明会

2014年、私は初めて建設業の合同企業説明会に参加しました。山口県内から50社以上が集まり、会場には“熱意ある”経営者たちが並びました。しかし、終日を費やして来場した学生はたった26人。しかもその大半が足早に帰っていきました。


「これが現実か」——正直、愕然としました。

けれど、この衝撃が私にとっての原点になりました。どれだけ良い仕事をしていても、どれだけ社会に必要な業界であっても、「若者に選ばれない」ことには未来はない。そう痛感したのです。

なぜ建設業は、若者から敬遠されるのか? その答えは決して「建設業に魅力がないから」ではありません。そうではなく、「その魅力が届いていないから」だと私は考えました。

そしてもうひとつ気づいたこと。

「若者に伝わる言葉で、若者に刺さる見せ方をしているか?」

当時の建設業界には、それが圧倒的に欠けていました。ブースに並ぶのは年配の管理職や総務担当者。話す内容は立派ですが、どこか“自分ごと”に感じられない。学生たちはただ聞いて、静かに立ち去っていきます。

自社のブースも例外ではありませんでした。ポツンと並べられたパネル、固い口調の説明、学生が足を止めることは稀でした。

「このままではダメだ」

そう思った私は、建設業界をどうこうする前に、まずは“自社だけでも”変わらなければと決意しました。

それが、コプロスの採用改革の第一歩でした。

第2章 コプロス流採用ブランディング:まずは“面白そう”と思わせる

採用の世界において、「まず振り向いてもらう」ことは絶対条件です。いくら誠実に説明しても、聞いてもらえなければ何も始まりません。私はこう考えるようになりました。

「学生が“話を聞きたくなるブース”とは何か?」

そこから、私たちの採用ブランディングは大きく方向転換していきました。

まず行ったのが、合同説明会での“空気の刷新”です。建設業のイメージを全面に出すのではなく、「なんだか面白そう」「このブース、なんか変わってる」と思ってもらえるような演出を意識しました。

たとえば、建設業っぽくないポップな配色。キャラクターやロボットが合体するアニメ風の動画。スタッフの服装も堅苦しさを排除し、「コプロスって何屋?」と引っかかる仕掛けを作り込みました。

さらに、SNSやYouTubeを活用して「日常のコプロス」「社員の素顔」を発信。現場の泥臭さを隠すのではなく、そこにある“楽しさ”“成長実感”を伝えるストーリーを紡いでいきました。

立見が出るほどの人気のブースに

こうして少しずつですが、「話を聞いてみたい」とブースに足を運ぶ学生が増え始めたのです。今では大手が一堂に集まるPaypayドームで開かれる合同説明会に参加しても、ウチのブースにも立見が出るほどの学生が立ち寄ってくれます。

若手主体の会社説明会

若者は、仕事の中身そのものよりも「誰と働くか」を重視すると言われています。ならば私たちは、仕事の内容を語るよりも、「ここにいる人たちの雰囲気」こそ伝えるべきだと考えました。

採用懇親会の様子

「うちの会社は面白いよ」「あなたの居場所があるよ」——そのメッセージを、若手社員たちの言葉で、等身大で届けていく。それが、コプロス流の採用ブランディングです。

説明会では、入社1~2年目の若手が中心となって学生と交流します。私がどれだけ言葉を尽くすより、現場で頑張っている彼らの一言の方が、学生の心に響く。それがよく分かってきたからです。

“面白そう”は、未来への入り口。そこから「やってみたい」に変わり、「やってよかった」につながっていく。

私たちはこの入口づくりを、これからも磨き続けていきます。

第3章 「人間関係で辞めない会社」をつくる仕組み

せっかく採用しても、辞めてしまっては意味がありません。とくに建設業は「人間関係がうまくいかずに辞める」ケースが多い。

それを防ぐには、制度よりも先に「風土」を整える必要があると、我々は考えました。

時代に反して、飲みニケーション

いち早く危険を察知

そこで始めたのが、「若手×先輩の定期飲みニケーション制度」です。入社1年目の社員に対し、月に1度、会社が費用を出して“先輩社員とご飯に行く”時間を作る。これはあくまでも「仕事の相談の場」ではなく、「何気ない会話の中で不満や悩みを吐き出せる環境」をつくる目的です。

若手の言葉を、直属の上司が聞くのではなく、少し距離のある先輩が聞く。先輩がそれをうまく拾ってくれれば、上層部まで情報が届き、辞めたいという思いが“確定する前”に手を打てるようになります。

この取り組みは、社内での大きな変化を生みました。

何より大きかったのは、若手が「一人じゃない」と感じられるようになったこと。悩みを話すことが“制度として許されている”環境は、想像以上に安心感を与えてくれます。

ベテランメンバーの教育参加

同時に、私は現状自分達の力で現場を回せて採用の必要性をあまり感じてくれていないベテラン社員とも毎週のように飲みに行き、「なぜ若手の採用と育成が必要なのか」「自分たちがやってきた知見をどう伝えてほしいか」を対話し続けました。

時には色仕掛け(!?)で懐に飛び込み、気がつけば入社時から13キロ太っていたほどです(笑)。

でもそれだけ、「関係づくり」に本気で取り組んできました。

人間関係がうまくいけば、厳しいことも伝えられるし、受け止めてもらえる。成長のスピードも変わってくる。

成長環境の整備

コプロシアン成長プログラム

また、採用人数が増えるにつれて、属人的なOJTでは限界が見えてきました。そこで私たちは「5年で一人前にする」ことを目標に、文系出身者でも無理なくスキルアップできる教育プログラムを設計しました。

たとえば、1年目は測量・写真管理・書類作成などの基礎スキル。2〜3年目には小規模現場の補佐。4年目には施工管理技士の資格取得、5年目には予算・工程を一人で組めるレベルを目指します。

まだまだ完成とは言えませんが、前年の先輩が翌年の後輩を教える「リレー形式の教育」も導入を目指し、教えることで学びが深まる仕組みもつくっていきたいです。

こうした育成制度があることで、文系・未経験でも「やっていけそうだ」と感じて入社を決意する学生も増えています。

この信頼と育成の土台があったからこそ、次の章でお話しするICTやDXの取り組みも、スムーズに浸透していったのだと思います。

第4章 若手×ICT×DX──“わからない”を武器に変える戦略

10年ほど前から建設現場においても、i-Construction、ICTやDXの導入が叫ばれる中、現場経験の乏しい私は正直こう思っていました。

「わかる人がいない。教えてくれる人もいない。じゃあ、どうやって始めたらいいのか?」

社内のベテランたちは、これまでのやり方で十分結果を出してきた人たち。ICTの導入には関心が薄く、「覚えるより現場を回すほうが大事」という空気も根強くありました。

でも、私は焦っていました。世の中が確実に変わっていく中で、このままではコプロスが取り残される。

そこで私が取ったのは、発想の転換でした。

「わからないなら、若手にやらせてみよう」

経験が浅いからこそ、先入観がない。現場経験が浅いからこそ、変化を恐れない。そんな若手たちに、あえてICTやDXの“先鋒”を任せることにしたのです。

もちろん最初は試行錯誤の連続でした。私自身、何が正解かなんて分かりません。でも、だからこそ「聞く力」と「発信する勇気」が必要だと感じ、X(旧Twitter)で思い切ってこうつぶやきました。

「ICT施工、どこから始めたらいいの?」

すると、思わぬ反応が。

全国の建設業者の方々が親切に情報を寄せてくれ、中には「ウチで預かるから学びに来ない?」と申し出てくれる企業もありました。

最年少部門長の誕生

こうして若手社員を神奈川の先進企業に送り出し、“現場型研修”がスタート。帰ってきた彼はその後多くの経験を重ねて、社内で最年少で部長級の昇進を果たし「ICT室長」として活躍し、補助金を活用しながら数千万円規模の投資をリードしてくれました。

今では年間約4,000万円以上のICT関連売上を叩き出し、高利益率で事業を回してくれています。彼のような存在が社内に生まれたことで、「若手×テクノロジー」が確かな成果として社内に根づいたのです。

DXとは、単なるデジタル化ではなく「人の行動と思考の変革」。

そしてそれは、「わからないからこそ、任せてみる」という小さな決断から始まると、私は今、確信しています。

第5章 SNS発信とオールドメディア活用による信頼の獲得

コプロスの採用活動において、もうひとつ重要な柱が「情報発信」です。

ただし、発信する目的は“バズる”ことではありません。私たちが重視したのは、「興味を持ってくれた人に対して、しっかりと中身を届ける」というスタンスです。

SNS発信イメージ

たとえば、Instagramでは現場写真や完成物件は一切出しません。代わりに載せているのは、社員の笑顔、食事会の様子、何気ないオフの表情。そこから「どんな人がいる会社か」「どんな雰囲気の職場か」を感じてもらいたいのです。

Instagramはコチラ

YouTubeでは、現場で働く若手社員に密着したドキュメンタリー風の動画を制作しています。「文系出身でも活躍できる」「女性も現場で輝いている」——そんなリアルな声を、現場からそのまま届けています。

YouTubeはコチラ

遠交近攻〜県を跨いだ企業との連携〜

また、X(旧Twitter)では、建設DXやICTの情報発信を積極的に行い、同業者同士のネットワークづくりにもつなげています。たとえば「3Dプリンター導入どうしたらいいの?」といった投稿には、全国の技術者からリアルな導入事例や設計図面の雛形が届きました。さらには、地元自治体の担当者が投稿を見て、地域初となる実証実験の相談が舞い込むなど、SNS発信が実務レベルの機会創出に直結するようになりました。

現在では、同業他社とオンラインでつながり、若手同士の技術勉強会やICTユニットの共同運用にも発展しています。特に建設業は公共工事の入札がある関係上、地元企業間では技術やノウハウの共有が難しい面があります。だからこそ、県をまたいだ交流は想像以上にフラットで本音の情報が飛び交い、連携の価値がより高まるのです。昔から“遠交近攻”と言われますが、まさにそれを体現するようなネットワークが築けていると感じます。

マスメディアの活用

加えて、地元のテレビ局や新聞社に対しては、プレスリリースを欠かさず送るようにしています。たとえば今年「レーザースキャナーを活用した点群測量」や「3Dプリンターを使った構造物の試作」を建設現場では行っている旨を伝えると、想像以上に反応がありました。

テレビ番組の詳細はコチラ

建設業の中の人にとっては“日常”でも、一般の人やマスメディアから見れば十分に“新しい”取り組みなんですよね。

こうしてテレビや新聞で取り上げられることで、「すごそうな会社」としての第三者評価が自然と積み重なっていきます。お金をかけた広告よりも、無料で得られる“信頼”の方が、実はずっと強い影響力を持つと私は感じています。

だからこそ、コプロスの発信は常にターゲットを見据えて「中身重視」であることを心がけています。見栄えではなく、実際にやっていることを丁寧に伝える。派手さよりも、地に足のついた“等身大の革新”を誰に伝えたいのかをしっかりと意識して伝えていく。

SNSとマスメディア、それぞれの特性を理解し、信頼を育てる発信を、これからも積み重ねていきたいと思っています。

第6章 M&A、外国人採用、住宅事業参入……未来を見据えた複線展開

採用改革やDX推進だけで、会社の未来が保証されるわけではありません。若手を育てたその先に、どのような「活躍の場」や「役割の多様性」を用意できるか——これも経営の責任だと私は考えています。

そこで私たちは近年、複数の新たなチャレンジに取り組んでいます。

地域建設業のM&Aによる共存共栄

M&Aを通じて総合力をアップ

2021年には有限会社清水組、2025年には来馬建設有限会社という地元建設会社をM&Aでグループ化しました。いずれも歴史ある企業で、技術力や地域密着性には定評がありましたが、担い手不足や後継者問題を抱えていました。

一方、当社では毎年10人近くの若手を採用しており、数年後にはポジションが足りなくなる可能性も出てきていました。

この両者の課題をつなぎ合わせるようにして、「若手の成長の場」としての新会社を確保し、「経験ある技術集団」としての地元企業を未来へとつなぐ道を整えたのです。

いずれの会社も、もともと業績が良く、地域で信頼されてきた企業です。そのため、私たちは大きな体制変更やトップダウン型の再編は行っていません。あくまでも“現場の安定”を最優先に、既存社員の皆さんがこれまでどおり働きやすいよう細やかな配慮を重ねています。

事業提携企業の生産性のアップ

一方で、コプロスが培ってきたDXや業務効率化のノウハウは、必要に応じて無理なく取り入れてもらうようにしています。たとえば、電子日報や施工写真の管理アプリ、チルトローテータなどを導入し、ベテラン社員が“手間が減って助かる”と実感できるように設計しています。

また、10人採用すれば、全員が施工管理や監督を目指すわけではありません。「現場で手を動かしたい」「ものづくりの技術を極めたい」と希望する技能系志向の若者もいます。そういったメンバーの受け皿としても、グループ内の多様な現場や職種を用意していくことが重要です。

今では、若手が新会社で課長や次長として抜擢される例も生まれ、「雇って終わり」ではなく「活かして広げる」仕組みが回り始めています。

外国人エンジニアの受け入れと活躍

人手不足への対応というと技能実習生制度が浮かびがちですが、私たちはあえて「エンジニア採用」に振り切りました。

ベトナム出身の若者たちを、日本人社員と同等、あるいはそれ以上の条件で受け入れ、2年目には施工管理技士補、4年目には1級施工管理技士取得を目指す育成計画を整えています。

文化の壁、言語の壁を超えていくには相応の支援体制が必要ですが、そこに向き合えば「志ある海外人材」は日本人と何ら変わらず、むしろ高い定着率と成長意欲を持ってくれます。

住宅事業への参入と育成の“場”づくり

建築部門では公共施設の工事が中心でしたが、若手を育成するには「反復可能でコンパクトなプロジェクト」が必要だと考えました。そこで私たちは、2023年から注文住宅ブランド「R+house」に加盟し、民間住宅事業を開始しました。

住宅事業は、図面・工程・品質の標準化が進んでおり、若手が自信をつけやすい環境です。公共工事や大型工事では、1〜2年かけてようやく1件の工事を経験するのが一般的であり、特に工種の多い建築分野では、土木に比べて成長スピードがどうしても遅くなりがちです。

そこで、若手を段階的に育てるためには反復可能で短期間で完結する案件が必要だと考え、この住宅事業をスタートしました。

また、公共工事で長年現場を担ってきた経験豊富な先輩社員たちが指導役としてサポートしてくれているため、若手が実務を通じて確実に成長できる環境が整っています。


このように、単に会社を大きくするのではなく、「育った若手が未来を描ける選択肢」を社内外に広げていく。それが私の考える“複線展開”です。

建設業という産業が、単なるインフラの担い手から「人の可能性を引き出す場」へと変わっていく。そんな未来を、私たちは地域に根ざしながら実現していきたいと思っています。

第7章 信頼があるからこそ、厳しさを伝えられる

採用活動を通じて多くの若手と出会い、彼らの入社後の育成に取り組んできた中で、私はある確信を持つようになりました。

「甘やかすことと、信頼して任せることは違う」

新入社員と一緒に滝行

建設業は、現場の安全・品質・工程が命です。どれだけ対話を重ねても、やるべきことをやらなければ、現場は回りません。とはいえ、ただ厳しくするだけでは若者は離れていく。そこで私たちが大事にしているのが、信頼を前提とした“厳しさ”です。

たとえば、入社初年度の研修には滝行や30km歩行といった、一見「時代錯誤」なメニューもあります。若手からは「正直イヤです」と言われることもありますが・・・、終えた後には「やってよかった」「仲間と乗り越えられた」と前向きな声が返ってきます。

これは単なる根性論ではありません。採用の段階からしっかりと信頼関係を築いているからこそ、こうした厳しさにも意味が生まれ、受け入れてもらえるのです。

出来る子にはドンドン任せる

また、「新人だからできない」と決めつけず、あえて責任あるポジションや判断を任せることもあります。もちろん失敗もありますが、私たちは「失敗してもいいから、挑戦してほしい」と伝えています。そこにも、支える先輩や上司との日々の関係づくりがあってこそ成り立つのです。

整理整頓が生む「変化に気づけるチカラ」

弊社では、朝礼前に全員で30分の清掃を行う文化があります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、これも「仲間と同じリズムで一日を始める」「使う人のことを考えて整理する」といった、仕事に向き合う姿勢を自然に学べる場でもあります。また、職場環境・現場を自分達でキレイにしていると「何か変化」があったときにとっさに気づけるようになります。

こうした小さな積み重ねが、やがて“プロ”としての誇りと自信につながっていく——。それを私たちは信じて、時に優しく、時に厳しく、若手と向き合っています。

信頼して任せる。だからこそ、厳しいことも言えるし、真正面から育てていける。私たちは、そんな関係を築き続けていきたいと考えています。

第8章 これからの建設業が「地域と若者」にできること

ここまでお読みいただきありがとうございました。

建設業は、人々の暮らしを支える大切な産業です。しかし、どれだけ社会にとって重要であっても、「魅力が伝わっていなければ、若者には選ばれない」という現実を、私はこの10年で何度も実感してきました。

だからこそ私たちは、業界の常識にとらわれず、「伝え方」「育て方」「働き方」を大胆に見直してきました。その先にあったのは、“人気がない”からこそ挑む価値のある未来でした。

これからも、建設業が地域に根ざし、若者に希望を届けられる存在であるために、私たちは次の3つを軸に取り組んでいきたいと考えています。

1.信頼でつながる採用と育成の仕組みを、地域のスタンダードにする

コプロス単体では限界があります。だからこそ、地元の優良企業と連携し、下関で働きたい若者が“どこかで必ず活躍できる”環境づくりを目指しています。

その一環として、現在は民間の有料職業紹介事業も立ち上げ、建設業以外の地元企業と協力しながら「地域の就職支援拠点」としての役割も担い始めています。

2.まちづくり会社としての建設業を再定義する

インフラを“つくる”だけでなく、“まちの未来を描き、実装する存在”へ。

たとえば、地元のウォーターフロント開発では、若手社員も委員として参画し、自分たちが暮らすまちを「ユーザー」として見つめ直すきっかけにもなっています。

これからの建設業は、地域づくりの“当事者”であるべきです。だからこそ、行政や民間と連携しながら、未来のまちを「自分ごと」として考える力を育てていきたいと思います。

3.挑戦の先にある「誇れる実績」を積み重ねる

私たちは決して“すごい会社”ではありません。でも、国土交通省さんから中国インフラDX表彰や経済産業省さんからDXセレクション準グランプリと言った評価を得て、地道な挑戦を積み重ねてきた結果としての“お墨付き”が増えてきたことは、確かな自信につながっています。

そして何より、こうした実績が「この会社で働いていることを、家族や友人に誇れる」という気持ちを、社員一人ひとりに少しずつ育ててくれればとかんがえています。


建設業は、もっと面白くなる。地域と若者をつなぐハブとなり、誰かの人生を動かす産業になれる——そう信じて、これからも挑み続けていきます。

ここまで読んでくださったあなたの中に、少しでも「建設業っておもしろそう」と思っていただけたなら、それは私たちがこの10年で手に入れた一番の成果です。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

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