米国債利払い日のドル円を25年分検証した
米国債の利払い日には、海外投資家が受け取ったドルを自国通貨へ交換することで、ドル売りが発生するという見方があります。
制度上、大口の利払いが2・5・8・11月15日前後に集中することは事実です。一方、利払いを受け取った投資家が、いつ、どの程度を外貨へ交換するかは公表されていません。
そこで、米国債利払い日のドル円を時間帯別に検証しました。

米国債の利払い日の多くは15日で、ゴトー日と重なるため、
「利払い日」と「通常のゴトー日」そして「全営業日」で比較を行います。
時間帯は、東京時間・欧州入り・欧米時間の3区分です。

そして、ゴトー日の値動きのおさらい。

東京時間の検証では、仲値通過後の10:00にドル円を売り、
15:00に決済しています。
東京時間 10:00売り→15:00決済




全営業日、ゴトー日は仲値通過後に売りの傾向が見られます。
しかし、米国債利払い日はそういった傾向がみられません。
実は、今回の検証で一番期待していたのが
この10時売り→15時決済の優位性の拡大でした。
通常のゴトー日仲値通過後のドル円の売り圧に加え、
『利払いのドル売りフロー』が発生することで、
通常のアノマリー日よりも、良い成績を収めるのではと期待をしていました。

しかし結果は逆で、利払い日の成績は悪化するという結果に。
少なくとも仲値後の値動きでは、
利払いがドル売りを誘発する現象は確認できなかったです。
欧州入り 15:00売り→20:00決済




全営業日とゴトー日はマイナスで
15時~20時の間はドル円が上昇しやすい傾向が見られます。
利払い日はほぼ横ばいとなっており、
東京時間と同様、明瞭なドル売り効果は見られません。
欧米時間 20:00売り→翌1:00決済
終了時刻を翌1:00としたのは、
NYカット後特有の値動きを含めるためです。
そのあとは閑散相場になることも多く、
以降の値動きは除外することにしました




この時間帯は少し興味深い結果です。
全営業日とゴトー日はほぼ中立ですが、
利払い日はややドル売り傾向にあります。
利払い後の円転が米国市場の時間帯に行われるとすれば、
方向としては仮説と整合します。
結論
今回の検証では、東京午後と欧州入り時間に、
利払い日固有のドル売り効果は確認できませんでした。
一方、20:00→翌1:00では、
勝率58.76%
PF 1.218
平均+2.58pips
と、ドル売り方向への偏りが見られました。
ただしサンプルは97回に限られ、ランダムな変動と明確に区別できるほど強い結果ではありません。現段階では「可能性を示す傾向」であり、再現性のある売買エッジとして確立したとは言えません。
米国債利払い日のドル売りを検証する場合、日付だけでなく、資金移動が起きる可能性のある時間帯まで分けて見る必要がありそうです。
追加検証:DXY(ドル指数)

DXYの取得期間は2007年3月~2026年8月で、
各時間帯の取引回数は68~70回です。
東京時間 10:00売り→15:00決済

やや右肩上がり。
この時間帯はDXYにも下落方向への偏りが見られます。
欧州入り 15:00売り→20:00決済

ほぼトントン。
欧米時間 20:00売り→翌1:00決済

損益分布はほぼ対称です。
これといってアノマリーの確認はできず。
ドル円では同時間帯に下落方向への偏りが見られましたが、
DXYでは再現されませんでした。
このため、ドル円の結果を米国債利払いに伴う広範なドル売りの証拠とは解釈できず、円固有の要因または少数標本による偶然の可能性が残ります。

※本検証はドル円の記述的なバックテストです。スプレッド・手数料は含まず、将来の収益を保証するものではありません。
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