図書館のずっと気になっていたこと
地元の図書館の雰囲気が好きだ。二階建ての建物で、築四十年以上経過しているにもかかわらず、館内外がきちんと整備され、清潔に保たれている。床には塵ひとつ落ちていない。お手洗もかなり古いのだが、毎回清掃が行き届いていて不潔さを全く感じない。古くても大切に扱われている設備や備品を見ると自然とこちらの気分もよくなる。パワースポットのような空間だ。
利用する人もマナーを守って静かに勉強をしたり、本だけでなく新聞や雑誌を館内に点在している椅子に腰掛けてそれぞれ楽しんでいる。新刊コーナーや、季節ごとのおすすめ本の紹介コーナーがあったりして、利用者が楽しめるように工夫をしているのもありがたい。小さいお子さんが親御さんと一緒に本を探している光景もほほえましい。図書館はどんな人にも無料で利用でき、平等に楽しみを与えてくれる所だ。

そんな図書館を利用していて、数年前からちょっと気になっていたことがあった。当たり前すぎて見過ごしていたもの。本をコーティングしている透明フィルムだ。たくさんの人の手に触れられるので、どうしても家にある本より劣化が著しい。本によってはかなり年季の入ったものもあるが、シートが貼られることで、キズ、汚れ、水濡れ、紫外線を防いでくれる。今回借りてきた本3冊にも当然ながらフィルムがきれいに貼られていた。
正式名称は”ブックコートフィルム”と言って、現在は楽天やアマゾンでも購入できることが分かった。小学生のころ、母がどこで仕入れてきたのか、自宅の本をコーティングしていたのを見たことがある。器用な母でも空気が少し入っていたが、フィルム効果で光沢もよみがえり、本が丈夫になったことは今でも覚えている。

一見簡単そうに見えるが、手順を間違うとえらく悲惨な仕上がりになることは素人目でも想像できる。中には帯付きの本もコーティングされているものもあってかなり高度の技術が要りそうだ。もちろん粘着シールなのでやり直しは利かない。失敗したからと本を買い替えるわけにもいかない。一発本番という圧力を想像するだけで完全に呑み込まれてしまう。
やり方を調べてみたら、動画がいくつかあった。動画ごとに手順は少し違うが、大体の流れは一緒だった。本自体をコーティングする予定はないが、現在使っている紙のブックカバーの角が破れてヘタってきたので、お気に入りの包装紙にでも強度を付けるために貼って、ブックカバーにしたらさぞ面白かろうと閃いた。
参考になりそうな動画を探す。
手際がよすぎてつい見入ってしまった。本をコーティングするなら、私のような初心者さんには、一番目の動画の背表紙から貼っていくやり方がきれいに仕上がりそうだなと感じた。
本をボロボロになるまで何度も何度も読み返している人を見ると、とてもうらやましく思う。読み返すほど気に入っている本に私はまだ出会えていない。いつかそんな本に出会ったら、ブックコートフィルムに頼ってみたいと思う。
