OJTという名の放置プレイ。新人をつぶす指導担当、恐怖の4タイプ
新入社員の皆さん、仕事には慣れましたか?
配属先の部署で、「OJT担当」として一人の先輩が紹介されたことでしょう。「一年間、彼(彼女)が君の指導担当だから、何でも聞くように」。なんと心強い言葉でしょうか。
しかし、JTC(ジャパン・トラディショナル・カンパニー)において、このOJTという制度は、時として**「On the Job, Toriaezu hitori de yattemite(とりあえず一人でやってみて)」**の略語と化します。
教育という名の、巧妙な「放置プレイ」。今日は、人事部が毎年頭を抱える、ピカピカの新人をつぶしかねない「指導担当」の典型的な4つのタイプを、その特徴と共にご紹介します。もし、あなたの担当がこれに当てはまったら…ご武運を。
タイプ1:「見て盗め」孤高の職人タイプ
【特徴】
このタイプは、自身の仕事の腕は超一流。しかし、言語化能力が壊滅的に低い。彼らにとって、仕事とは「教わるものではなく、盗むもの」。その流麗なキーボードさばき、無駄のない業務プロセスは、まさに神業。しかし、なぜそうするのか、どうしてその手順なのかを、決して言葉にしてはくれません。
【口癖・危険なサイン】
「一度しか言わないから、よく聞けよ」
「俺の背中を見て覚えろ」
(質問すると)「なんでそんなことも分からないんだ?少しは自分で考えろ」
【新人が陥る罠】
何が重要なのかすら分からない新人は、「見て」も何も盗めません。質問すれば「考えろ」と突き放され、次第に質問すること自体が恐怖になります。「自分はなんて無能なんだ…」と、新人はあっという間に自信を喪失していくのです。
タイプ2:「俺も忙しいんだよ」が口癖の、プレイングマネージャータイプ
【特徴】
JTCで最も多く観測されるタイプ。自身の業務で手一杯なエース級社員が、無理やり指導担当を任されているケースです。彼らに悪気は一切ありません。ただ、純粋に時間がないのです。
【口癖・危険なサイン】
「ごめん、今ちょっと手が離せないから、後でにしてくれる?」
「とりあえず、この過去の資料フォルダ、全部読んどいて」
(気づけば定時)「あ、ごめん、今日話そうと思ってたんだっけ?」
【新人が陥る罠】
"後で"は、永遠に来ません。新人は、忙しそうな先輩に声をかけること自体に罪悪感を抱き始め、「質問する=迷惑をかける」という思考に陥ります。誰にも頼れず、一人で仕事を抱え込み、結果として大きなミスを犯したり、メンタルを病んでしまったりする悲劇の温床です。
タイプ3:「俺の若い頃は…」が止まらない、精神論おじさんタイプ
【特徴】
具体的な仕事のやり方は一切教えず、ひたすら自身の武勇伝と精神論を語り続けます。彼らにとってOJTとは、「社会人としての心構え」を叩き込むための、ありがたい訓示の時間なのです。
【口癖・危険なサイン】
「理屈を言う前に、まず動け。習うより慣れろだ」
「俺たちの時代は、終電まで働くなんて当たり前だったぞ」
「最近の若者は、すぐ答えを求めたがる。根性が足りん」
【新人が陥る罠】
新人が求めているのは、具体的な業務の進め方。しかし、返ってくるのは時代錯誤な精神論ばかり。Excelの関数一つ聞きたいだけなのに、なぜか日本の未来を憂う壮大な話にすり替わっている。新人は、「この人に聞いても無駄だ」と学習し、口を閉ざしてしまいます。
タイプ4:気分で言うことが変わる、仲良しこよしタイプ
【特徴】
一見、最も優しく、フレンドリー。ランチにも誘ってくれるし、雑談にも付き合ってくれる。しかし、言うことに一貫性がないのが最大の問題点です。昨日は「Aの方法で」と言ったのに、今日は「なんでBでやってないの?」と平気で言いのけます。
【口癖・危険なサイン】
「あれ?俺、そんなこと言ったっけ?記憶にないな〜」
「まあ、そのへんは臨機応変に、いい感じにやってよ」
(ミスを指摘すると)「ごめんごめん、俺の言い方が悪かったわ(笑)」
【新人が陥る罠】
新人は、何を信じていいのか分からなくなります。指示通りにやったはずが、怒られる。昨日褒められたことが、今日は否定される。この「認知的不協和」の連続は、新人の判断基準をめちゃくちゃにし、仕事への自信を根こそぎ奪い去っていくのです。
なぜ、この悲劇は繰り返されるのか?
人事部として言わせてもらえば、この問題の根っこは、指導担当個人の資質以上に、JTCの構造にあります。
指導担当になっても、給与も評価も上がらない。ただ、業務が増えるだけ。
「人を育てる」ための、体系的なトレーニングが社内に存在しない。
「見て学べ」「空気を読め」という、暗黙知を尊ぶ文化が根強い。
つまり、OJTという名の「放置プレイ」は、起こるべくして起こっている、構造的な欠陥なのです。
もし、あなたが今、この放置プレイに苦しんでいるのなら、決して「自分が無能だからだ」などと思わないでください。それは、あなたのせいではありません。
ただ、生き残るためには、OJT担当以外の先輩や、頼れる同期に助けを求めるセカンドオピニオンを持つ勇気が必要です。あなたの指導担当が、本当にあなたのキャリアを育ててくれる人なのか。その見極めこそが、JTCで生き抜くための、最初のサバイバルスキルなのです。
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