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中古ショップと賢者

登場人物

・慧真(えしん):悟りを開いた求道者。世の真理を見極めた達観者だが、関西弁のノリが軽快。深遠な教えもユーモアたっぷりに語る。
・私:モノを手放すことを通じて、エゴの罠にハマっていたことに気づく。慧真との対話を通じてさらに深く悟ろうとする。

慧真:「ほう、不用品を売って、それなりに金になったんやな?」

私:「はい。でも、何かスッキリせえへんのですよ。何でやろって考えてたら、査定の減点方式の内容がずっと頭に残ってて…」

慧真:「なるほどな。『傷がある』『使用感あり』『付属品なし』とか、いちいち指摘されるのが引っかかるわけや」

私:「そうなんですよ。査定自体は納得してるし、感謝もしてるんです。でも、なんかモヤモヤするんですわ」

慧真:「それやな。おぬし、知らん間にモノと自分を同一視しとったんや」

私:「えっ、そんなつもりは…」

慧真:「無意識っちゅうのは、ほんまに恐ろしいもんやで。まるで凄腕の暗殺者みたいにな、しれっと忍び寄ってくるんや」

私:「暗殺者ですか?」

慧真:「せや。おぬしが気づかん間に、心の奥にスッと入り込んで、『このモノの価値は、お前の価値と同じやで』って囁くんや。それで、いざ査定されて減点されると、『ワシ、否定された!?』って錯覚するんや」

私:「まさにそれです! 私、別に自分が否定されたわけちゃうのに、何かそんな気分になってましたわ…」

慧真:「エゴの罠にハマったな。エゴってのは、何かにしがみつくのが大好きや。所有物やら肩書きやら、評価やら…何でもかんでも『これがワシや!』って思い込む。でも実際は、そんなん全部、ただの外側のもんやで?」

私:「言われてみれば、確かに…」

慧真:「おぬし、今こうして呼吸しとるやろ?」

私:「まあ、してますね」

慧真:「ほな、『この呼吸はワシや!』って思うか?」

私:「いや、そこまでは…」

慧真:「せやろ? でもモノになると、ついつい『これはワシの一部や!』って思い込んでしまうんや。ほんで、価値を下げられたら、ワシ自身が下げられたように感じる。エゴの暗殺者は、そうやって静かに忍び寄って、気づかんうちにグサッと刺してくるんや」

私:「めちゃくちゃ分かりやすい…」

慧真:「せやけど、おぬしは今それに気づいたやろ?」

私:「はい。気づいたら、何かスッと楽になりましたわ」

慧真:「それやねん。エゴの罠はな、『気づく』だけで外れるんや。『おっと、また忍び寄ってきよったな?』って思えたら、もうそれは暗殺者じゃなくて、ただのコソ泥や」

私:「暗殺者からコソ泥に格下げ…!」

慧真:「気づきを得た者には、もはや刺客は通じへんのや。おぬし、これからも油断したらアカンで? またエゴは違う形で忍び寄ってくるからな」

私:「またですか!?」

慧真:「そらそうよ。エゴってのはしぶとい。けど、そのたびに気づいて、『また来たか、しゃーないな』って流せるようになったら、それはもう勝ちや」

私:「なんか、エゴがちょっと可愛く思えてきましたわ」

慧真:「それやそれ! エゴを敵に回すんやなくて、『ああ、また来たんやな』って軽くあしらえばええんや。ほな、おぬしは今日も一歩、自由に近づいたってことやな」

私:「慧真さん、ほんまにありがとうございます! これからはエゴの暗殺者が忍び寄ってきても、サッと見破れるようになります!」

慧真:「ほな、またエゴに悩まされたら、いつでも来るんやで。ワシはここで、おぬしの目覚めを楽しみにしとるわ」

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