お祭りで頑張る二人を擬人化🌸 │ ハムカツさん企画
今週のハムカツさん企画いくよー!!
#何でも擬人化 企画🌸
今回のテーマは『祭り』✨
今回、擬人化したのは――
夏祭りの夜。
ひそかに頑張っていた二人です。
今回はいつもとスタイルを変えてみました🌸
何を擬人化したのか予想しながら
先にお話からどうぞ🌸
花火が見えなかった夜
<ルーモ>
ねえねえ、コスモスちゃん。
あの二人、さっきから同じ屋台の前を三周してるよ。
<エール>
本当だ。
「どこ行く?」と「何食べる?」しか話してないね。
<コスモス>
初めて二人で来たのかもしれないね🌸
<ルーモ>
あっ。
また同時にしゃべろうとして、二人とも黙った!
<エール>
見すぎだよ、ルーモ。
『花火の打ち上げまで、あと五分です』
屋台の向こうから、放送が聞こえてきた。
「もう始まっちゃうね」
「場所、取ってあるから。急ごう」
「うん」
女の子が、少しだけ早足になる。
カラン、カラン。
慣れない下駄の音が、人混みの中を進んでいく。
「歩くの、速すぎた?」
「ううん。大丈夫」
女の子は笑って、もう一歩踏み出した。
ぷつん。
「あっ……」
足元から、赤い鼻緒が力なく垂れた。
「切れた?」
「ごめん……」
「謝らなくていいって。ちょっと見せて」
男の子が、その場にしゃがみ込む。
『打ち上げまで、あと三分です』
「花火、先に見に行ってきていいよ」
「一人で?」
「せっかく場所を取ったんでしょ?」
「二人で見るために取ったんだけど」
男の子は、切れた鼻緒を何度も結ぼうとする。
「痛っ」
「指、大丈夫?」
「これくらい平気」
「もういいよ。花火……」
「動かないで。今、結べそう」
ドン――。
大きな音が、屋台の屋根を震わせた。
人混みの向こうから、歓声が聞こえてくる。
二人の顔に、赤い光が映った。
次は青。
その次は金色。
けれど、空は屋台の屋根に隠れたままだった。
「始まっちゃったね」
「うん」
「……見えないね」
「音は聞こえる」
「ごめんね。ずっと楽しみにしてたのに」
「来年があるだろ」
男の子の指が止まった。
女の子も、何も言わなかった。
もう一度、大きな花火の音がした。
「……来年も来るの?」
「嫌なら来ないけど」
「嫌とは言ってない」
「じゃあ、来る」
「即答なんだ」
「来年は下駄の予備も持ってくる」
「そんな人、見たことないよ」
「じゃあ、スニーカーで来て」
「浴衣に?」
「鼻緒が切れるよりいいだろ」
女の子が、小さく笑った。
やがて、最後の花火が上がった。
帰り始めた人たちが、二人の横を通り過ぎていく。
「歩けそう?」
「うん。ゆっくりなら」
女の子は切れた下駄を片手に持ち、男の子の肩につかまった。
「……痛い?」
「痛くないよ」
「右足、浮いてるけど」
「これは……歩き方の癖」
「そんな癖ある?」
男の子が足元を見る。
鼻緒が擦れていたところが、赤くなっていた。
「そこで待ってて」
「どこ行くの?」
「すぐ戻る」
男の子は人混みの中へ走っていった。
少しして、小さな袋を持って戻ってくる。
「絆創膏?」
「救護所でもらってきた」
「これ……ヒョウ柄?」
「それしかなかった」
「リボンまでついてる」
「嫌なら別のを探すけど」
「ううん。かわいい」
男の子が、女の子のかかとに絆創膏を貼る。
少しだけ斜めになった。
「曲がったね」
「貼り直そうか?」
「このままでいい」
「でも、リボンが横向いてる」
「それがいいの」
女の子は、足元の絆創膏を見て笑った。
「歩けそう?」
「三分くらいなら」
「家まで何分かかると思ってるの」
女の子が立ち上がる。
一歩目で、顔が止まった。
「……痛い?」
「ちょっとだけ」
男の子は、女の子に背中を向けてしゃがんだ。
「乗って」
「え?」
「このままじゃ帰れないだろ」
「でも、浴衣だよ」
「知ってる」
「重いよ?」
「乗る前から言わなくていい」
提灯の明かりの下を、二人がゆっくり歩いていく。
「花火、見られなかったね」
「来年はちゃんと見る」
「下駄の予備を持って?」
「スニーカーで来る」
「浴衣は?」
「着る」
「変だよ」
「じゃあ、また鼻緒が切れても知らないからな」
「そのときは、また直して」
「……分かった」
二人の声が、少しずつ遠くなる。
<ルーモ>
あぁ〜いいっすねぇ💕(大声)
<エール>
ルーモ。
声、大きいよ。
男の子が、こちらを振り返った。
<ルーモ>
……目が合った✨✨✨
<エール>
逃げよう💦
<ルーモ>
でも、もうちょっと見たい!
<エール>
絶対ダメ!
<コスモス>
ふふっ🤭
花火は見えなかったけど――
きっと、忘れない夜になったんじゃないかな🌸
少し趣向を変えて
こういうお話を書いてみたくなりました🌸
今回、擬人化企画、お祭りがテーマということで
2人の距離をぐっと縮めた
ヒーローたちの登場です🌸
下駄の鼻緒ちゃん

花火が始まるその瞬間まで、張りつめたまま頑張ってくれました。
絆創膏ちゃん

ただし、歩くのは禁止ね✨
ヒョウ柄とリボンをまとって、痛い足元へ飛び込んでくれました。
切れた鼻緒。
少し曲がった絆創膏。
そして、来年の約束。
予定どおりにいかなかった夜ほど、
あとから大切な思い出になるのかもしれません🌸
ハムカツさん、今回も素敵なお題をありがとうございます!
あぁ〜いいっすねぇ💕
この物語の最後のイラストを
べあさんが表現してくださいました🌸
楽しい画像が盛りだくさんなので
ぜひ、べあさんの記事にも遊びに行ってください💕︎︎

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