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ima_doco
トイレットペーパードライバー(#毎週ショートショートnote)
「困った。取締役会議に間に合わないぞ」
私は慌ててアプリでタクシーを呼ぼうとした。
”現在の天気は晴れ。ご用意できるのは、トイレットペーパードライバー1台だけです”とアプリが答える。
「変な名前だなぁ。仕方ない」
しばらくすると、白いタクシーが現れた。
「品川方面でよろしかったですか?このタクシーはどこにでも行けます。過去でも未来でもどんな場所でも」
白いスーツのドライバーが言った。
「大事な会議があるんだ。冗談はやめてくれ!」
「それは本当に大事な会議ですか?お客様が本当に行きたい場所はそこでしょうか」
「何を?!」
戻りたい場所がひとつだけあった。
あのとき、心から謝ることができたら……。
15年前、家族三人で暮らしていたアパート。妻が幼い息子を連れて出て行ってしまった。
ドライバーが空に向かってトイレットペーパーを投げると、無限大を描く。
「かしこまりました。お客様」
タクシーがトイレットペーパーの上の走り始めた。
「但し、泣かないでください。涙でペーパーが溶けてしまうので」
(431字)
#毎週ショートショートnoteに参加してます。
田原さん、よろしくお願いします。
(ちょっと字数オーバーしました)
【過去の参加作品】
