ワークショップでの出会い。インクルーシブな開発に向けて | YUAGARIプロジェクト
私たちはブラシから少ない水がでて、髪をとかす感覚で髪の毛や頭皮を洗うことのできるアイテム、「YUAGARI」を開発中です。「寝たきりや体が不自由な人」に、いつでもどこでも清潔を届けられるよう日々奮闘中です。
発達障がいの方とのワークショップ
YUAGARIを「自分自身の髪の毛を洗髪する」使い方より、「寝たきりや体が不自由な方を他者が洗髪する」使い方を想定して、開発を進めようと舵をきりました。
そんな頃に、気になる1通のメールが。それは、「発達障がい者の方とのワークショップ」を開催するというお知らせ。
以前、視覚障がいの方とインクルーシブデザインのワークショップをしました。その時には、アイデアを活かした商品やサービスを、実際に開発するには至らなかったのですが、それからはなんとなく「インクルーシブデザイン」という領域に、アンテナが立った状態が続いていました。
インクルーシブデザイン
障がい者や高齢者など、これまでサービスや製品の対象者から排除されてきた人々を、プロセスの初期から巻き込み、ともに活動していくことでイノベーションを創出するデザイン手法
なので、「インクルーシブデザイン」と聞くと、「視覚障がいの方との共創」のイメージが強かったのですが、発達障がいの方とのワークショップもあるんだなと、とても気になりました。さっそく、後日参加してみることに。
ワークショップでは、発達障がいの方と共に「日常の困りごとをどうやって解決するか」というテーマで、アイデア出しのグループワークをして、終盤には発表をしました。たくさんの気づきがあり、とても有意義な時間でした。
※イベントは終了しています
ワークショップでの出会い
ワークショップの司会をしていたのは、合同会社Ledesone(レデソン)さん。色々お話していると、発達障がい者の方の中には、お風呂に入ることが億劫になってしまう人もいるらしく、牛乳石鹸でそんな困りごとが解決できないか?というお話に。
これは、まさにYUAGARIが役立ちそう・・・。だけど、その頃というのは「お体が不自由な方」にお使いいただいて、当事者の方あるいは当事者家族の方から使用感など感想をお聞きする「モニター調査」をしたいと考えていたころ。
そんな私たちの現状をお伝えすると、「力になれるかもしれない」とまさかのお返事が!発達障がいの方との取り組みを中心に活動をしているLedesoneさんですが、そのネットワークを活かして、お体が不自由な方のモニター募集ができそうとのこと!それから、Ledesoneさんと共にYUAGARIのモニター調査が始まりました。
Ledesoneさんとモニター調査スタート!
調査では、車いすで生活をしているお子様や、ベッドの上で寝たきりの生活をしているご高齢の方のご自宅に訪問させていただきました。洗髪することは、きっと大変なんじゃないかという漠然としたイメージが、リアルなお声をお聞きすることで、より具体的になりました。
モニター調査をしている中で、最も大きな気づきは、ご高齢の方は髪が薄くなっていたり、短くなっていることが多い。けれどお子様の場合は、毛量が多かったり、皮脂の分泌も多いということ。しっかりと皮脂や汚れを洗い流せるような開発をしなければと実感しました。
介助が必要なお子様の洗髪の課題をより深くお聞きするために、ご家族の集まる座談会にも参加したことも。実際に参加者の方に、マネキンの髪を洗ってもらい感想をお聞きしたりもしました。リアルだけではなく、オンラインからもたくさんの方に参加いただき、さまざまな意見をきくことができました。

そして、いただいた声を元にYUAGARIを改良して、またお声を聞きに行って、また改良して・・・。そんな風に、調査を繰り返し1年以上が経過しました。

会社での振り返り会
調査がひと段落した頃、Ledesoneさんとお話をしていると、「これまでの取り組みを振り返ってみようか」という話に。せっかくなので、社内のオンラインコミュニティ「いのべや」で振り返り会をして、Ledesoneさんの会社のお話もすることになりました。
合同会社Ledesoneは発達障がいのある方など、「周囲から目に見えづらい困りごと」を抱える当事者の方とのインクルーシブデザインの視点を活用して、企業の製品開発などを支援する事業をしています。実は代表であるtenさん自身も学習障がいを抱える当事者で、生きづらさを感じるひとり。そういった背景もあり、「見えづらい困りごと」をお持ちの方を巻き込み、企業と共創していくことで、ひとりひとりが過ごしやすい社会を実現しようと会社を立ち上げたのでした。
お話の中で、特に印象に残った言葉が「障害名や症状名ではなく、困りごとを起点に、解決策を考える」ということ。
冒頭にお伝えした、発達障がいの方とのワークショップでは、参加者全員の日常の困りごとを発表する場面がありました。実は、発達障がいの方が参加しているものの、どなたがそうであるかは明らかにされていませんでした。しかし、参加者それぞれ発表した困りごとが、自分に全く当てはまらないかというと、そんなことはありませんでした。
そっか、どこからどこが障がいや症状だという風に明確な線引きはなくて、グラデーションなっているんだ。ワークショップを思い出し、Ledesoneさんの言葉に深く共感したのでした。
そうして、報告会は無事終了。たくさんの検証を共にしたLedesoneさん。あらためて取り組みをお聞きすることで、YUAGARIが自分たちのひとりよがりではない、まさしく「インクルーシブ」な視点を取り入れた開発を進められたのではないかと感じています!
なかなか、その姿見せないYUAGARI。お披露目までは、もうちょっとだけお待ちください・・・。きっともうすぐお見せできるはず・・・。

👇レデソンさんにも報告会の記事を書いていただきました!
