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ナガミヒナゲシは本当に「危険」なのか 9年前に浦安で考えたこと

4月も半ばを過ぎると、道端にオレンジ色の小さな花が目立ち始める。
ポピーに似ているが、ポピーではない。
ナガミヒナゲシだ。

9年前の2017年、「危険外来植物」として駆除を呼びかける情報がSNSで流れてきたとき、私は素直に信じる前に自分の足で確かめることにした。

浦安市内を歩き回って写真を撮った。
入船、美浜公園、海楽、北栄、猫実、堀江、日の出。結論から言えば、当時すでに市内のあちこちに自生していた。
街路樹の根元、アスファルトの隙間、花壇の脇。
市役所の敷地内にも咲いていた。

「危険」の根拠として挙げられていたのは主に3つ。
アレロパシー(他の植物の育成を阻害する物質を根や葉から分泌すること)、外来種であること、そして繁殖力が非常に強いことだ。

ただ、調べてみるとアレロパシーはナガミヒナゲシに固有の特性ではない。
クルミ、サクラ、マツ、ヨモギ、アスパラガス、ヒガンバナ、レモン。
いずれも同様の特性を持つとされているが、それらを「危険」として駆除対象にするという話は聞いたことがない。

整理すると、生態系を崩す恐れが出てくるのは、

  1. アレロパシー特性がある

  2. 外来種である

  3. 本来の自生地以外でも旺盛に繁殖できる

この3条件が揃ったときではないかと思う。
ナガミヒナゲシはその3つを満たしている。
セイタカアワダチソウと同じ構図だ。

もう一つ、当時気になったのが法律の問題だ。
「危険だから駆除しよう」と言われても、路上に生えている植物を市民が勝手に抜くと、窃盗罪・器物破損罪・各種条例に抵触する可能性がある。
市の委託業者だけで対応するには限界があるし、かといって市民が自由に抜けるわけでもない。
条例で「管理者が指定した外来種については市民による除去を可能とする」といった整備がないと、掛け声だけで実態が伴わない状況になる。

浦安の新町地域という文脈でもう一点考えたのは、「そもそも埋立地において本来自生すべき植物とは何か」という問いだ。
新町の植栽はすべて人の手によるもの。
ワシントンヤシもカナリーヤシも外来種だが、アレロパシーがないから問題視されていない。
意図して植えたか否か、景観の設計意図に合うかどうか、が実質的な判断基準になっている。
それはある意味で人間のエゴでもあるが、都市管理とはそういうものでもある。

9年後の今、ナガミヒナゲシの分布はあの頃より確実に広がっている。
農地周辺への侵入も報告が増えており、当時「まだそのレベルではない」と感じた楽観は、問題の初期段階特有のものだったかもしれない。

ただ、「危険らしい」という情報を受け取って感情的に拡散するのではなく、自分の目で現状を確認し、「本当に危険なのか」を一度立ち止まって考えてみることは、今も有効な姿勢だと思っている。
情報の受け取り方として。

今年もそろそろ咲き始める頃だ。

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