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エントリーのコツを「戦さ」に例えてみたら、チャートの見え方が変わった

5000文字

かなり長い記事になってしまいました。
でも、チャートを見る上でとても大事なことであまり解説されていない事だと思います。

チャートの事を分からない方でも、楽しく読んでいただける様に物語風に仕上げてみました!

お時間のある時にでも🍵


チャートを見ていると、ときどき不思議なことが起きる。

「ここは売りだ」

そう思ってショートした途端、価格が上がる。

慌てて損切りすると、そこから本当に下がっていく。

「なんで俺が切ったら下がるんだよ……」

トレードを始めた頃ほど、こんなことが何度もあった。

方向は間違っていなかったように見える。

MAは下向きだった。

高値も切り下がっていた。

陰線も出た。

それでも負けた。

僕は長い間、それを単純に、

「エントリーが少し早かった」

と考えていた。

もちろん、それも間違いではない。

でもチャートを眺めながら、ある日ふと思った。

もしかすると僕は――

戦さの途中を見て、勝敗が決まったと思い込んでいたのではないか。



チャートの中には、二つの軍がいる

相場を戦さとして考えてみる。

上へ進みたい買い軍。

下へ進みたい売り軍。

両軍は、チャートのあちこちでぶつかる。

ある場所では小さな小競り合いが起きる。

ある場所では何時間も睨み合う。

そして、ときには大きな流れそのものを左右する戦いになる。

水平線。

トレンドライン。

MA。

過去の高値や安値。

親波のフィボナッチ。

これらは単なる線ではない。

戦さで言えば、城、砦、街道、国境、防衛線のようなものだ。

ところが、ここで最初の大きな勘違いがあった。

すべてのラインを、ほとんど同じように見ていた。

一本の水平線。

一本のトレンドライン。

一本のフィボ。

チャート上では同じ一本の線に見える。

でも、その重要度はまったく同じではない。



小さな柵と、大きな城は同じではない

たとえば5分足で作られた小さな切り下げライン。

これは短期的には重要だ。

ここを買い軍が突破すれば、目の前の売り圧力が弱くなったことが分かる。

でも、それは戦さに例えるなら、

前線に作られた小さな柵を突破した程度

かもしれない。

その少し先には、1時間足の戻り高値がある。

さらにその上には4時間足MAがある。

そしてその先には、親波50%という大きな節目が待っている。

5分足のラインを一本抜いただけで、

「買い軍の完全勝利だ!」

と考えるのは、

小さな砦を一つ落としただけなのに、敵国全体を制圧したと思うようなものだ。

ここで、ラインには階級があることが分かってきた。

5分足の小さなラインなら、小規模戦。

1時間足の重要高安やレンジ境界なら、中規模戦。

4時間足や日足の重要ライン、そして親波38.2%、50%、61.8%のような場所なら、大規模戦。

当然、そこで起きる勝敗の意味も違う。



大きな城ほど、簡単には落ちない

そしてもう一つ。

ラインの重要度が違うなら、攻略に必要な時間も違う。

ここがとても大事だった。

初心者の頃は、重要なラインに価格が到達すると、

「ここで反発するのか?」

「抜けるのか?」

その答えがすぐ出ると思っていた。

だから一度ラインを抜ければ、

「突破した!」

すぐ戻れば、

「ダマシだった!」

と判断していた。

でも大きな戦さを考えれば、そんなに単純ではない。

大きな城を一度攻めた。

城門まで入った。

でも押し返された。

だからといって、戦争が終わったわけではない。

再び攻めるかもしれない。

今度は別の場所から攻めるかもしれない。

一度撤退して兵力を整え、もう一度城門へ向かうかもしれない。

相場も同じだった。

重要な節目では、

一度抜ける。

戻される。

もう一度試す。

また押し返される。

しばらく揉み合う。

そして最後に、どちらかが相手の防衛線を完全に奪う。

重要な戦場ほど、簡単には決着しない。

だから、

「まだ下がらないからショート失敗」

「まだ上がらないからロング失敗」

と、時間だけで判断するのは早い。

戦場が大きければ、それだけ決着にも時間が必要になる。



初心者は「戦況」を見て参戦する

たとえば、親波50%付近まで価格が戻ってきたとする。

そこには4時間足MAも近い。

過去にも売られた高値がある。

明らかに売り軍にとって守りたい場所だ。

そこで陰線が一本出た。

少し下がった。

初心者の僕なら、こう考える。

「やっぱり売りだ」

ショート。

でも、それはまだ売り軍が少し押しただけかもしれない。

買い側の切り上げラインは壊れていない。

安値も更新していない。

買い軍の防衛線は、まだ残っている。

戦さなら、

前線の兵士が少し後退しただけなのに、

「敵軍は崩壊した!」

と本隊を投入したようなものだ。

そのあと買い軍が反撃してくる。

価格が上がる。

すると今度は怖くなって損切りする。

しかし売り側の重要ラインもまだ破壊されていない。

しばらくすると、再び価格は下がり始める。

振り返ると、

戦況が少し売り優勢になったところで参戦し、
買い軍が反撃したところで撤退していた。

勝敗は、まだ一度も決まっていなかった。



ラインは未来を当てるためではなく、勝敗を見るために引く

ここで、ラインの見方が変わった。

以前は、

「ここで反発するかな?」

と思いながらラインを引いていた。

でも今は違う。

ラインは、勝敗を判定するために引く。

売られている高値を結ぶ。

切り下げラインができる。

買われている安値を結ぶ。

切り上げラインができる。

するとチャート上に、

「売り軍はここを守っている」

「買い軍はここを守っている」

という防衛線が見えてくる。

その二つが近づいていけば、

そこは決戦の場所になる。

まだ決着はついていない。

でも、

「どこを壊せば戦況が変わるのか」

が見えるようになる。

これが、僕が今まで言っていた

「形ができるまで待つ」

の本当の意味だったのかもしれない。

ローソク足パターンを待つだけではない。

売りと買い、それぞれの防衛線が見えるまで待つ。

形ができて初めて、決着を判定できる。



一度突破しただけでは、城を落としたとは言えない

買い軍が切り下げラインを突破した。

それだけなら、まだ勝利とは限らない。

一度は敵陣へ入った。

でもすぐに押し返されることもある。

だから次を見る。

戻ってきたとき、そのラインを守れるか。

もう一度その下へ戻されるのか。

それとも、今度はそのラインが買い軍の防衛線になるのか。

つまり、

突破する。
戻る。
奪い返されない。
再び進む。

ここまで見れば、

「売り軍の防衛線を買い軍が奪った」

と考えやすくなる。

ブレイクとリテストは、単なるチャートパターンではない。

戦さとして見るなら、

奪った領土を本当に維持できるかを確認する時間

なんだと思う。



ただし、大戦争の最後まで待つ必要はない

ここで、

「それなら完全決着するまでエントリーできないの?」

という問題が出てくる。

それでは遅すぎる。

相場の中では、大きな戦いの中に小さな戦いがある。

親波50%という大規模戦場で、売り買いが何時間も戦っていたとしても、

その中では5分足、15分足の小さな攻防が繰り返される。

たとえば買い軍が何度も50%突破を狙う。

しかし越えられない。

そのあと5分足の切り上げラインを売り軍が破壊した。

戻しても、そのラインを回復できない。

高値も切り下がった。

大規模戦争の最終結果はまだ分からない。

でも、

目の前の小規模戦では、売り軍が一度勝った。

ここならショートを考えられる。

つまりエントリーとは、

大きな戦争すべての結末を待つことではなく、
自分が参戦するために必要な規模の決着を待つこと。

ここが大事だ。



エントリー後の逆行も、戦さなら意味が変わる

ショートした。

少し下がった。

でも、また価格が戻ってきた。

以前なら、

「失敗したかも」

と思ってすぐ撤退していた。

しかし戦さとして見ると、

それは単なる敵軍の反撃かもしれない。

自分がショートした根拠が、

戻り高値。

切り下げライン。

MA抵抗。

重要水平線。

そこにあるなら、それらがまだ守られているうちは、自軍が負けたわけではない。

戦況が少し悪くなっただけだ。

反対に、

売り側の防衛線を突破される。

その上で価格が定着する。

押しても買い側が守る。

高値まで更新される。

ここまで来れば、

「反撃」ではなく、

売り軍の敗北

と考えられる。

だから損切りの考え方も変わる。

価格が逆行したから切るのではない。

自分が参戦した理由が壊れたから撤退する。



戦いの規模が違えば、勝者の報酬も違う

小さな砦を一つ落としても、その先に大きな城があれば、軍はすぐ止められる。

相場も同じだ。

5分足のラインを突破した。

でも20pips先に親波50%がある。

なら、買い軍が小さな勝利を収めたとしても、報酬は大きくない。

一方、親波50%という大規模戦に勝ち、その次の61.8%まで100pips近い空間があるなら、戦いの価値はまったく違う。

だから、

勝ったかどうかだけでは足りない。

その勝利によって、

次にどれだけの領土を取れるのか。

ここを見る。

これが利益空間だ。

戦さの規模と報酬はつながっている。

小規模な決着なら、小さな利益空間。

大規模な決着なら、その先に大きな利益空間が開く可能性がある。



親波フィボが「ただの水平線」ではなくなった

この考え方をすると、親波フィボの見え方も変わる。

38.2%。

50%。

61.8%。

以前なら、

「反発しそうな場所」

として見ていた。

でも今は、

大規模な戦いが起きる可能性のある場所

として見る。

たとえば売り軍が一気に下がってきた。

途中の小さなサポートを次々と突破した。

売り軍は圧倒的に強く見える。

その勢いのまま親波38.2%へ到達した。

「このまま抜けるだろう」

と思いたくなる。

しかしそこで、今までとは桁の違う買い軍が現れて、一気に押し返す。

これは不思議なことではない。

それまでとは、戦場の規模が違った。

だから今は、親波フィボをチャートから簡単には消さない。

大きな戦場の地図として残す。

その上に、現在の切り上げライン、切り下げライン、MA、水平線を追加する。

すると、

親波フィボでどこで戦っているかが分かる。

小波のラインでどう戦っているかが分かる。

そしてブレイクやリテストでどちらが勝ち始めたかが分かる。

チャートがただの線の集合ではなく、

戦況図

のように見えてくる。



トレーダーは、どちらかの軍を応援する必要がない

朝からずっと下降していた。

「今日は売りだ」

そう思う。

すると人間は不思議なもので、その後も売り軍を応援したくなる。

買い側が切り下げラインを突破しても、

「戻り売りだ」

MAを回復しても、

「そのうち下がる」

高値を更新しても、

「ここから落ちるはず」

でもトレーダーは売り軍の兵士ではない。

買い軍の兵士でもない。

僕たちは、戦場を外から見ている。

売りが勝てば、売りについていく。

買いが勝てば、買いについていく。

まだ決着していなければ、待つ。

だから、

目線を持つことと、目線を固定することは違う。

売り優勢だから、売りを第一候補にする。

それでいい。

でも売り軍が重要な防衛線を失ったなら、考え直す。

相場に忠誠を誓う必要はない。



「待つ」の意味が変わった

以前の「待つ」は、どこか曖昧だった。

焦るな。

飛び乗るな。

形を待て。

言葉としては分かる。

でも、何を待っているのかがよく分からなかった。

今なら少し違う。

まだ決戦の形ができていないから待つ。

形はできたが、まだ決着していないから待つ。

重要な戦場なので、一度の突破だけでは攻略成功と判断できないから待つ。

決着したけれど、次の壁まで利益空間がないから入らない。

待つ理由が、チャートの中に見える。

そして大きな戦場では、決着に時間がかかることもある。

それは何も起きていない時間ではない。

買い軍と売り軍が、本当にその場所の支配権を争っている時間なのだ。



エントリーのコツは、「どこで、どんな戦いをしているか」を見ること

こうして戦さに例えてみると、エントリーの見方がかなり変わった。

ラインがあるから売るのではない。

そのラインがどれほど重要なのかを見る。

反発したから入るのではない。

それが単なる反撃なのか、決着へ向かう動きなのかを見る。

抜けたから飛び乗るのではない。

その陣地を本当に攻略できたのかを見る。

そしてエントリー後も、

少し逆行したから逃げるのではない。

自分側の防衛線が本当に破られたのかを見る。

だから今の僕なら、こう考える。

戦況で入らない。決着で入る。
反撃で逃げない。敗北で逃げる。

ただし、その前にもう一つ。

どの戦場で起きた決着なのかを見る。

小さな防衛線を落としたのか。

大きな城を落としたのか。

それによって勝利の意味も、次に狙える利益も変わる。

未来を当てる必要はない。

戦場を見つける。

ラインの重要度を見る。

決戦の形ができるのを待つ。

戦況を最後まで見る。

そして、自分が参戦するために必要な規模の決着がついたら、勝った側についていく。

もしかするとエントリーのコツとは、

「どっちへ行く?」と予想することではなく、
「どこで戦っていて、どの規模の戦いに、どちらが勝った?」と確認することなのかもしれない。

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