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〝動〟のダンサーが描く〝静〟のアー写裏側


ダンサーの写真と聞くと、たいていは
「躍動感」
が主役になります。
ジャンプ、ターン、翻る衣装、
動きの美しさを切り取る。
もちろんそれも素敵です。

でも今回の主人公、
舞踊家の松島かすみさんは、少し違いました。
この方は、もう見た瞬間にわかるんです。筋肉が語っている。
「あ、この人、ただ者じゃない」
と(笑)

舞踊家 松島かすみさん


日本人離れした身体能力
鋭いリズム感
積み重ねた努力が、そのまま体に刻まれている人。
まさに“動”の人です。
だからこそ今回は、逆をやりました。

あえて踊らせない
あえて止める


“静”の中に、漏れ出るエネルギーを写したかったのです。

強い人ほど、脆さが見えることがある


撮影の中で強く感じたのは、
かすみさんの「強さ」だけではありませんでした。
むしろ、その奥にある繊細さでした。

強く見える人って、本当に強いだけじゃないことがあるんですよね。
必死に立っているからこそ、強く見える。
鍛え上げた体の中に、揺れや迷いや脆さもちゃんとある。
その全部を抱えたまま、人は立っているんだと思います。

写真は、そういう“見えないもの”がふっと出る瞬間があります。
ポーズの形より、その人の中身が先に写ってしまうことがあるんです。
ちょっと怖いくらいに。

赤い炎じゃなく、青い炎みたいな写真


舞踊家 松島かすみさん


撮影後に話していて、しっくりきた言葉がありました。
それが「静かな情熱」。

赤い炎は、見てすぐ熱そうだとわかります。
でも青い炎って、静かに見えるのに、実はもっと温度が高かったりする。
今回の写真は、まさにそれでした。

パッと見で「わあ、激しい!」ではない。
でも、じっと見ていると熱い。
静かなのに、強い。
動いていないのに、今にも何かが始まりそう。
そんな空気が、写真の中に残りました。

踊り手なのに、踊らないから見えたもの



今回の面白さは、踊り手なのに
“踊っている瞬間”を撮らなかったことです。
ガチッとポーズを止める
感情だけをそこに置く
その結果、見る人の想像が動き始める写真になりました。

光にも見えるし、闇にも見える
強さにも見えるし、弱さにも見える


「この人は何を抱えているんだろう」と、つい考えてしまう。
写真の中に、答えを全部置かない
その余白が、とても美しかったです

こんな写真を撮ってみたい、でいい


「こんな写真、自分が撮っていいのかな」
そう思う方もいるかもしれません。

でも、いいんです。
むしろ、そういう憧れがある人にこそ、写真は楽しい。
かっこいい写真は、特別な誰かだけのものじゃありません。
その人の中にあるものを、丁寧に見つけていけばいいだけです。

今回の撮影は、筋肉美の話でもありましたが、同時に“内側の熱”の話でもありました。
目に見える派手さだけじゃない。
静かだけど、たしかに熱い。
そんな一枚が撮れると、写真ってぐっと面白くなります。

次はまた、別の写真の裏側も書いてみようと思います。
写真の中にある「その人らしさ」、少しずつのぞいてみてください。

読んでくださり、ありがとうございました。

フォトグラファー
MiCHiCO

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