バリ山行[amazonオーディブル感想文]
タイトル/バリ山行
著者/松永K三蔵
2024年171回芥川賞受賞作品。
今までの芥川賞で山登りを扱った作品は初めてだとか。
整備された登山道ではない道を歩くことをバリエーション登山、バリ山行(さんこう)というらしい。
建物の外装修繕の会社に勤める30代サラリーマン波多。会社の登山部に入り山行を始める。
それとは対照的に単独で道なき道を歩くバリ山行をするメガ。
リストラが怖く意に沿わぬ会社の方針に逆らえぬ波多。それとは対照的に会社の方針にさらっと逆らってみせるメガ。
そんなメガが気になる波多はバリ山行に無理を言って同行し死にかける。波多は自分から望んだにもかかわらずメガに腹を立てふてくされた別れ方をしてしまう。そしてそのまま体調を崩してる間にメガはリストラされる。
私事だが1999年自転車で山を走りに行き遭難をしたことがある。というのも、その前年の台風で山の木が倒れ、道が無くなってしまっていたのだ。
男2人と私の3人の山行だったが日も落ちて暗くなり、自転車を置いて身一つでなんとか山を降りた。夜道といっても月明かりがあり、倒木をくぐり、乗り越え、道なき道を歩くという危機的状況を楽しんだ私ともう1人はその後意気投合し結婚した。もう1人の男子は山を下る間ずっと残念なことに不機嫌だった。
本編の波多のように死にかけてはないがバリ山行を明るくこなすメガとそれに腹を立てる波多の状況にその時のことを思い出した。
本編ではその後、あれほど危険な目に遭ったのにバリ山行の魅力にはまった波多。1人バリ山行をするようになる。多分、藪を抜けたらメガがいてるだろうというところで本編は終わっていてなんか救われた気がした。
