間違えるから面白い――人生の格付けチェック
無職のお正月。
毎年恒例の「芸能人格付けチェック」を、
何となくテレビで眺めていた。
各界の一流と呼ばれる人たちが、
ワインを外し、音を外し、
どんどんランクを落としていく。
一流から二流、三流、
そして——映す価値なし。
展開は毎年ほとんど同じなのに、
なぜか飽きない。
なぜだろう。
ぼんやりしながら、ふと思った。
もし、
人生にも格付けチェックがあるとしたら、
今の自分はどこにいるんだろう。
今の時代、正解は簡単に手に入る。
わからないことがあれば、
AIに聞けば一瞬で答えが出る。
進路、仕事、転職、結婚、育児、老後。
統計や心理学や過去データをもとに、
「最善であろう選択肢」を提示してくれる。
正直、すごいと思う。
もし自分が10代の頃に、
今の水準のAIがあったら、
かなり頼っていたかもしれない。
——いや、
完全に依存していたかもしれない。
自分で考えて、迷って、間違える。
そんな面倒なことは放棄して。
でも、
それは少し怖い気もする。
正解が簡単に手に入る時代なのに、
なぜクイズ番組や格付けチェックは
今もこんなに面白いのか。
それはきっと、
答えるのが“不完全な人間”だからだ。
しかも、
各界の一流が、
ありえない間違いをする。
それが面白い。
俳優が高級ワインを外しても、
俳優としての価値は下がらない。
本業では、
誰も本当には格付けされていない。
だから安心して見ていられるし、
浜ちゃんも容赦なくボロクソに言える。
つまり、
本当の意味での格付けではない。
だから、笑える。
全員が必ず正解するクイズ番組なんて、
きっと誰も見ない。
みんなが同じ選択をする人生も、
たぶん、面白くない。
間違えるから、迷うから、
あとで「ああでもない、こうでもない」と
振り返れる。
人生は、
自分で選ぶところに価値がある。
——頭では、そう思う。
でも現実は少し違う。
何も極めていない一般人が、
間違え続けると、
それはただ失っていくだけになる。
映す価値なし。
この言葉、
現実だと全然笑えない。
無職のお正月、
テレビを見ながら、
そんなことを考えていた。
あらためて思う。
今の自分は、どこにいるんだろう。
一流ではない。
二流とも言えない。
それでも——
何とか三流で踏みとどまっている。
そう、思いたい。
まだ舞台から降ろされてはいない。
間違えながらでも、
自分で選び続けている。
それなら、
もう少しだけ続けてみてもいいだろう。
人生の格付けチェックは、
きっと、まだ終わっていない。
