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雑記6(白人至上主義)

第1章 “誇り”と“優越”は違うと教わって育った


私は白人ではない。
だから白人至上主義という思想は、どこか“物語の中の敵”のように見えていた。

だが、ある囚人と話してみて、それがもう少し複雑なものだと知った。

彼は極端だった。だが、理屈は整っていた。
それが、逆に恐ろしかった。


第2章 「白は色じゃねぇ、“立場”なんだよ」


彼はスキンヘッドだった。
腕に十字架と旗のタトゥー、青い目でこちらを見て言った。

「誤解されてるがな、俺たちはただ“混ざるのが嫌”なだけなんだよ。
 白ってのはな、歴史と立場の名前なんだ。
 血が混ざれば、その地図は燃える。俺たちはその火を見たくねぇだけなのさ」

言葉は差別的ではなかった。
むしろ、“守りたい”という語調に近かった。

だがその“守りたいもの”の中に、他者を拒絶する壁が含まれていた。


第3章 信仰と憎しみの距離は意外と近い


「俺はキリストを信じてる。聖書の中には“種を守れ”って言葉がある。
 それは命令なんだ。混ざるな。違うものとは交わるな。
 俺たちは、それを守ってるだけだよ」

彼にとって、暴力も差別も“信仰の一部”だった。
祈りが凶器になっていることに、本人は気づいていなかった。

「白人が絶滅するって話、聞いたことあるか? あれは笑い話じゃねぇ。
 文化の絶滅ってのは、“味がなくなること”なんだよ。
 だから俺たちは、味を守ってるだけなのさ」


第4章 理解しないまま、ただ観察するという選択


私は彼の思想を肯定しない。
だが、それを否定する言葉を持ち合わせていなかった。
なぜなら彼は、私を攻撃していなかったからだ。

彼はただ、“自分たちの世界だけを信じる”と言っていただけだった。

それはきっと、恐怖からくるものだ。
混ざること、違う価値に触れること、それを恐れていただけなのだ。

私は静かに観察することにした。
この国には、言葉では変わらない壁が、確かに存在している。

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