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ab202s
小説 放課後の異世界扉 第十四話 「忍び寄る黒」
リシアと過ごす学校生活にも、少しづつ慣れてきた。
周りから見れば俺は一人でブツブツ喋ってるようにしか見えないはずなのに、妙に自然に馴染んでいる。
……それが、なんだか心地よかった。
「この世界の授業って退屈ね」
隣でリシアが頬杖をつきながら小声で笑う。
「いや、俺に言われても……」
つい笑って返してしまう。
ーーそんな、ごく普通の午後だった。
だが放課後。昇降口をでた瞬間、空気が変わった。
夕焼けに染まる校庭の端に、黒い靄が渦を巻いていたのだ。
「……来たわね」
リシアの声が低くなる。
その靄は、前より濃く、重たかった。
ぐにゃりと形を変え、人影のようなシルエットを作っていく。
「また、虚影か……!」
思わず身構える俺。
だが、前回と違って今回は複数。三体も姿を現した。
「気をつけて。これは前より厄介よ」
リシアが短く詠唱し、魔法陣を展開する。
俺の右手も熱を帯び、光の短剣が生まれた。
放課後の校庭に、人知れぬ戦いがいま始まろうとしていたーー。
次回もお楽しみに〜!
