指輪よりも輝いていた #毎週ショートショートnote
(本文447字)
クリスマスイブの朝
アラームが鳴る前に目が覚めた
……今日、良司にプロポーズされるかもしれない
ここ数ヶ月、良司の行動は明らかに怪しかった
カバンからはみ出していたジュエリーのカタログ
スマホの高級レストランの予約確認通知
子どもの頃からの夢が、今日叶うかもしれない
今日は平常心だ
よっしゃあ、軽く呟いてベットから起き上がる
夜
食事を終えると、良司は「連れて行きたいところがあるんだ」と言った
ああ、ドキドキしてきた
平常心、平常心
数十分後
「結婚してください」
良司は片膝を地面につき、小さな箱を開いて指輪を差し出した
私の理想そのもののプロポーズ……のはずだった
私は周囲を見回し
「……ところで、ここは?」と良司に聞いた
そこには――
光に包まれた四頭の牛が、あたりまえの顔で宙に浮いていた
「モウ〜」
「モオォ〜」
低音ボイスを響かせている
「知らないのか?キャトルイルミネーション
今、イルミネーションといったらここだよな」
ロマンチックな夜空の下、
光り輝く四頭の牛に見守られながら、
私は人生で一番忘れられない「はい」を口にした
了
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