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寂しがりやなんだね 【合格奇岩(毎週ショートショートnote)】

(本文422字)


焦りばかりが募る
親には「今年が最後」と言われていた

そのとき、スマホが鳴った
数年前、俺が志望している大学に合格した高校の先輩からだった

俺は指定された山奥へ向かった

そこには巨大な岩があった
中には大きな穴が空き、生活に必要なものがほとんど揃っている

「俺、ここに住んでるんだ」

先輩は平然と言った

「ここで勉強して、合格した」

「どうだ? お前もここでやってみるか。俺も教える」

藁にもすがる思いで、俺は頷いた

そして——

俺は本当に合格した

「やった! ありがとうございます、先輩!」

そう言うと、先輩は荷造りを始めた

「よかったな! じゃあな」

岩の外へ歩き出す

「え? どういうことですか?」

すると先輩は振り向き、にやりと笑った

「俺もな、お前と同じようにここを紹介されたんだ」

「合格はしたが、なぜか大学とこの岩以外の場所には行けなくなった」

「じゃあ……なんで荷造りしてるんですか?」

先輩は肩をすくめた

「なんで?」

そして笑った

「お前が来たからだよ」

合格と引き換えに住人が入れ替わる
終わらないループが、また始まる

#毎週ショートショートnote
#アンソロジー
#ループ
#合格奇岩

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