伝わる事 .変

「ええじゃないか騒動」というのが日本の史実としてあるらしい。

誰がなんのために始めたのか、まったく分からない。
「ええじゃないか」と叫びながら騒ぐだけ。
正体不明なのに、大勢に伝染した不思議。


そんな話は案外と多いのかもしれない。

その昔、バイクの一人旅で東北をブラブラしていた。
平原みたいな土地を走っていると、広がる景色のの一角に、ポツンと、森が取り残されているのが目に入った。

不自然に四角い森。

開けた平地に、背の高い木々が、突然ある。
旅の目的地は決まっていないから「ちょっと面白いかも」と、吸い寄せられた。

森の中にあったのは神社。
神聖な森に手を付けられないから、不自然に残ったんだろう。
似たような森を他所でも見た。

そんなに広くも無いから、とりあえず一周することにした。
バイクを停めて森の奥にまで行くと、一際大きい変な形の木があった。
近づいて横にある看板を読んでみる。

『ナンジャモンジャの木』

…ぼんやりと、聞いたことがある気がする。

看板を読んだ事は覚えているのに、何と書かれていたのか、記憶から消えている。
有名なはずの実物が、こんな所にあるのか?

「銀座」の地名みたいに、同じ名前のモノが全国にたくさんあるのかもしれない。

他所だと、何処で見たのか……

思い出せない。

「響きが似てる単語」を勘違いしただけで、ほんとは初耳だったのかもしれない。

いや…

そもそも、私の記憶自体が勘違いなのか?
狐に化かされただけかもしれない……


…『ナンジャモンジャの木』は聞いた事ある?


だとしたら「なんじゃもんじゃ」の後に続く言葉も、知っているんじゃないか?


…どんなもんじゃ?


「ナンジャモンジャ、ドンナモンジャ」

これは、誰が言い始めたのか……
私が思いついたわけでもないのに、勝手に思い浮かんだ。
理由は分からないけど、みんな知っている気がする。
知らない内に、侵食されている…

感染ったのは、ナンジャモンジャ?

それってつまり、ドンナモンジャ?





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