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【会計士夫婦】夫の独立、隣で見ていた道のり

監査法人での出会いと、独立という選択
夫は、私がまだ監査法人で働いていた頃の元同僚です。当時は先輩として同じ監査チームで仕事をしており、システムエンジニア出身という少し変わった経歴を持つ人でした。細部によく気がつき、誰に言われなくても先回りして動けるタイプ。それは今も変わらない、夫の一番の強みだと感じています。
長男が生まれてすぐの頃、夫は独立を意識し始めていました。ただ、すぐには動きませんでした。どちらかというと動けなかったに近いです。ちょうど住宅高騰が始まった頃で、分譲マンションを買うまでは今の会社を動けないという事情がありました。気持ちが先走っても、家族の生活基盤を固めてから一歩を踏み出す。そういう堅実さが、いかにも夫らしいと思います。

在職中にできあがっていた「ITと会計」という肩書き
独立を考えるうえで、夫には大きな強みがありました。それは、独立するずっと前の段階から「ITと会計」という二つの顔を持つ人材として、すでに周囲に認識されていたことです。
在職中から、夫は地域の会計士会の活動に積極的に参加していました。当時の私には、その活動がどれほどの意味を持つのかよくわかっていませんでした。けれど後から振り返ると、あの時間の中で、夫は単なる会計士としてではなく、システムエンジニア出身という経歴を活かした「ITにも強い会計士」として、少しずつ名刺を作り上げていたのだと思います。
だからこそ独立後の展開は、驚くほどスムーズでした。独立してすぐの頃はIT研修の講師という仕事から始まり、そこから独立会計士仲間との監査プロジェクトに関わるようになりました。開業して1年が経った頃には、地域会でのつながりを通じて会社役員の打診もありました。準備段階ですでに「ITと会計」という肩書きができ上がっていたからこそ、仕事はどれも新しく開拓するというより、自然に舞い込んでくる形になったのだと感じています。

隣で見てきて、感じること
今の夫は、会社役員の仕事と、開業当初から続けているアドバイザリー業務を二本柱にしながら、合間に小規模な案件も引き受けています。安定と挑戦のバランスを、焦らず自分のペースで作り上げてきたように見えます。
隣で見ていて強く感じるのは、独立というのは決して一人の力だけで成り立つものではない、ということです。夫の場合、在職中から築いてきた人とのつながりと、コツコツ育ててきた「ITと会計」という肩書きが、独立後の仕事のほとんどを運んできてくれました。派手な営業をするタイプではない夫にとって、それは何よりも自然な広がり方だったのだと思います。
同じ監査法人で働いていた者同士、お互いの仕事のリアルさをよく知っています。だからこそ、独立という選択がどれほど勇気のいることかも、隣でずっと感じてきました。今では家事や育児も「手が空いている方がやる」というスタイルで自然に分担できていて、それも夫の柔軟さがあってこそだと思います。
一方で、そんな夫を見ていると、会計の専門性だけでは足りないのだとも痛感します。独立してから単価の高い仕事を任されるようになったのは、会計士としての実力に加えて、ITという別の軸を持っていたからこそだと思うからです。専門性が一つだけでは、良い仕事にはつながっても、選ばれる理由にはなりにくい。夫を見ていて、そのことをはっきりと感じるようになりました。
これからも、それぞれのキャリアを歩みながら、私たちなりの家族の形を作っていきたいと思います。

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