2021年おすすめ新譜アルバムVol. 44: The Egyptian Lover「1986」
新譜アルバム紹介Vol. 44です。
今回紹介するのは、西海岸のプロデューサー兼ラッパーのThe Egyptian Loverがリリースした「1986」です。

The Egyptian Loverは西海岸出身のプロデューサー兼ラッパーです。
80年代前半に登場。84年には1stアルバム「On the Nile」をリリースし、その後も86年の「One Track Mind」など多くのアルバムを発表します。90年代にも「Back from the Tomb」などリリースを重ねていましたが、00年代にはシングルやEPはあったもののアルバムは06年の「Platinum Pyramids」のみに。しかし15年の「1984」から80年代コンセプトアルバムシリーズが始まり、18年にもシリーズ2作目の「1985」をリリース。今作は3作目となります。
現在に至るまで、ひたすら80年代ヒップホップのエレクトロサウンドを作っているプロデューサーです。ラッパーとしても80年代のラップスタイルをキープしています。
今作もやはり、タイトル通り1986年っぽい空気を漂わせたコテコテのエレクトロ作品です。しかし音質は2021年仕様なので、まるでリマスターされた再発ものを聴いているかのような魅力があります。
1. Cyborg
いきなり808を前面に出したサウンドに心を掴まれます。
チープなシンセが効いたスカスカなビートで、ヴォコーダーを通してラップする現行シーンではほとんどないタイプの曲です。徹底した80年代感。
ダークなシンセに今の空気も少し感じられる曲。
ヴァースではヴォコーダーを使わずにねっとりとしたラップを聴かせます。ヴォコーダーとエレキギターが絡むフックも印象的。
5. Freaky Girl
ミニマルなシンセベースをループした曲。
ドラムパターンこそシンプルですが、ラチェットの元祖はここにあったと思わされる西海岸の空気が漂う曲です。抑えめなラップも味があります。
8. The Internet
低速化ヴォイスと高速化ヴォイス、ヴォコーダーと声の加工を活用したラップを聴かせる曲。
ビリビリとしたシンセやチープなピアノを使ったビートに、多彩な声(普通の声はなし!)で乗せる奇妙な曲です。弾けるようなスネアの鳴りもばっちり。
10. Volcanic
ハイピッチ・ヴォイスで歌う歌モノの曲。
ブリブリのシンセベースやチープなシンセが効いたブギー路線のビートも楽しく、コテコテのエレクトロが並ぶ中良いスパイスになっています。それでいて浮いていないバランスが絶妙。
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