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Slide Overの誘惑

またまた悩み始めた。どうもAppleは、こちらの決心が固まるころを見計らって、新しい迷いを放り込んでくるようである。iPadOS 26.1でSlide Overが復活するらしいという話を耳にした瞬間、心の奥に隠していた「11インチでもいいかもしれない」という気持ちがむくむくと顔を出した。13インチの広々とした画面は作業には最適だが、持ち運ぶたびに少し大げさな気分になる。膝の上での作業や、ベッドサイドでの動画視聴には少々重い。11インチなら軽快で、手に収まる安心感がある。それにSlide Overが戻るのなら、マルチタスク面での不満もかなり解消されるはずである。

思えば、Slide Overが消えたときは落胆したものだ。あの小窓でメモやLINEをちらっと開く感覚が、自分にとってはiPadらしい柔らかさだった。それがStage Manager中心になってからというもの、作業のキレは上がったが、どこか遊び心が消えたようにも感じていた。だから、この機能の復活は、まるで昔の友人が帰ってくるようなものだ。

もちろん、13インチの魅力は捨てがたい。特にMagic Keyboardとの組み合わせは、もはやラップトップと変わらぬ快適さだ。資料を左右に並べて確認するには、13インチが圧倒的に有利である。しかし、Slide Overがあるなら、必ずしもそれを必要としないシーンも増える。小さなウインドウで調べ物をしながらノートを取る。それがまた自然にできるようになるなら、11インチの軽快さがより生きるだろう。

実際、最近は外出先でiPadを取り出す機会が増えている。カフェのテーブルでも、車内の膝の上でも、13インチは「置く場所を選ぶ」デバイスだ。その点、11インチはサッと出してサッと使える。結局、自分の使い方にはどちらが合うのか。性能差はほぼないのに、このサイズ感の差が心理的な壁になる。Appleは本当に絶妙なところを突いてくる。

Slide Over復活のニュースが出た夜、デスクの上で2台のiPadを並べて見比べてしまった。画面の広さ、重量感、手に持ったときの感触。それぞれに「良さ」があり、どちらを選んでも後悔しそうにないのがまた厄介である。だが、悩むこと自体が楽しいのも事実だ。結局、Apple製品とは「選ぶ過程」まで含めての体験なのだろう。

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