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NICUにいた娘と暑い夏


太陽の日差しが痛いくらい暑い。

今年も夏がやってきた。

こんな暑い日になると、

娘が生まれた頃を思い出す。

娘が生後2日くらいの時だった。

妻からLINEが届いた。

「娘が転院することになったから、
すぐ転院先の病院にに行って。」

その一文だけで胸がざわついた。

夕方、息子を連れて急いで病院へ向かった。

病院に着くと、転院の手続きをして、
担当の先生の説明を待った。

待っている時間がとても長く感じた。

息子の時には何もなかった。

だから余計に不安だった。

先生から説明を受けた。

娘は寝ている時に呼吸が止まってしまうことがあり、

NICUで経過を見る必要があるという。

「帝王切開で生まれた赤ちゃんには、こういうこともあります。」

そう説明を受けた。

1週間、無呼吸がなければ退院。

頭では理解した。

でも、不安は消えなかった。

娘を見ると、

小さな体にはたくさんの管がつながっていた。

それから毎日病院へ通った。

妻が搾乳した母乳を届けるためだ。

最初の1週間は、

妻は出産した病院に入院していたので、

私が一人で運ぶ日も多かった。

妻が転院してからは、

一緒に娘に会いに行った。

少しだけ抱っこもできた。

でも、

たくさんの管につながれたままの抱っこだった。

「あと少しですね。」

そう言われても、

6日目にまた無呼吸。

退院は延期。

また1週間。

ようやく退院が決まりそうになると、

また延期。

そんな日が続いた。

そして5週目。

やっと退院の日が決まった。

その日は、とても暑かった。

チャイルドシートを2つ車に取り付け、

妻と息子と3人で病院へ向かった。

息子は車の後ろを見て、

「これ、誰の?」

そんな顔をしていた。

病室で初めて妹と会った息子。

「わぁ!赤ちゃん!」

「え?一緒に帰るの?」

「やったーー!!」

嬉しそうな声が病室に響いた。

病院へ来た時は3人。

帰る時は4人。

その景色が本当に嬉しかった。

1か月通い続けた病院が少しずつ遠ざかっていく。

「無事に退院できて、本当によかった。」

心からそう思った。

家に帰って、

初めて配線のない娘を抱っこした。

あの時、

「やっと抱っこできた。」

そう思った。

今、娘は2歳。

「抱っこ!」

「抱っこ!」

何度も言ってくる。

正直、

「もう勘弁して(笑)」

そう思う日もある。

でも、

あの頃は、

ずっと抱っこしたくても抱っこできなかった。

暑い夏の日。

汗をかきながら娘を抱っこすると、

あの病院まで毎日通った夏を、

今でも思い出す。

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