🐹🌹第二十四章『あの夜のマリンスノウ。夜霧を掴むように夏。』碧を挿して🌹🐹
長編純愛小説
『あの夜のマリンスノウ。
夜霧を掴むように夏。』
大切なシーンになります。
温かく見守ってくださいね。
☘️お知らせ☘️
『あの夜のマリンスノウ。
夜霧を掴むように夏。』
主題歌が完成しました!
素敵な楽曲に
仕上げてくださいました✨️
mochi2♡+Noteオリジナル曲、
描き下ろしになります。
23万ビュー記念コラボ楽曲になります。
作詞にチャレンジしました。
ぜひ美味しい珈琲を片手に
小説と音楽をお楽しみください😊✨️
第二十五章 碧を挿して
朝の光はまだ弱く、
曇ったガラス窓の向こうに
秋の気配が静かに漂っていた。
口に含んだ
カシスキャンディは、
もうとっくに溶けきっていた。
佳音は、ゆっくりと瞼を開いた。
眠れなかった為に、
目の下には薄く影が落ちていた。
けれど、その表情にはどこか
ふわりとした幸福感が滲む。
台所から、スクランブルエッグを
かき混ぜる音と、
インスタントコーヒーの
袋を破る小さな音。
佳音は上体を起こすと、
少し苦しそうに体に
手を添えながらも微笑んだ。
「……すごく、いい匂い」
「お……目、覚めたのか」
碧斗は振り返らずに、
焦げないよう
懸賞で貰った白いプレートへ滑らせる。
不器用な優しさが、
その背中にまっすぐに
刻まれていた。
木のテーブルに着いた佳音は、
ステンレスのスプーンを
ゆっくり口元に運びながら、
何か考え込むように
瞳を伏せていた。

碧斗は彼女を見つめると、
耐えきれなかったように
ぽつりと呟いた。
「なぁ、佳音……
家族と上手くいってねぇのか?」
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