187 [60代]終活で見つけた!時を超え、再びつながる友情
やり残したことはないか?と、自分に問いかける。
終活の一環だ。生きている今しかできない。ふと、若いころ仲の良かった友人たちは、今どうしているのだろうかと気になった。『自分の足で歩いて、笑顔で会いに行きたい』そんな思いから、5年前、仲の良かった友人たちを探し始めた。
若い頃は、通信手段といえば自宅の電話のみ。社会に出ると、肩からバッテリーをぶら下げての携帯電話が登場し、その後はポケベルが普及した。今のように頻繁に連絡を取り合うことは難しく、仲の良い友達と出かける時は、事前に下宿やアパートの電話にかけ、時間や場所を確認するのが普通だった。青春時代に知り合った友人たちは、私と同じように地方出身者が多く、卒業後は実家に戻り、ほとんど連絡を取ることはなくなってしまった。
友人たちには、古い手帳に書かれた実家住所へ手紙を出すことにした。返事は来ないかもしれない…そう思いながらも、少しだけ期待して。しかし、現実は厳しく、3通は転居先不明で戻ってきた。「やっぱりな…」分かってはいたものの、やはり悲しい。残りの2通は、まだ戻ってきていない。1週間、2週間…時が過ぎたある日、郵便受けに手紙が届いていた。
長崎県の友人からだ。感情が溢れ、手が震えた。懐かしい筆跡で綴られた手紙には、当時の思い出が書かれていた。近況報告とともに携帯電話の番号が記されていたので、すぐに連絡することにした。子供のこと、家業のこと、結婚してからのこと、若かりし頃の思い出話…話は尽きることなく、思い出が次々と溢れ出す。人生の早送り再生をしているようだった。
そして、もう1通の返事も届いた。彼女は結婚後、北海道から福岡県へ引っ越したとのことだった。年賀状や手紙で細々とやり取りをしていたが、やがて私の出産、そして義父との同居により、外部との繋がりがプツンと途絶えてしまった。遠い昔の話…そう、忘れかけていた。時代は変わりゆく。流れに身を任せるのが良いのかもしれない。今はその友人とも、ゆるく連絡を取り合っている。お互いに年を重ねたけれども、元気で生きている。それが何より嬉しい。
人生には様々な出来事があり、時には辛いことや悲しいこともある。しかし、それら全てが今の私を形作っている、大切な足跡だ。便箋を選び、色付き封筒を選び、顔を思い描きながら手紙を書く。5通書き終えるまでに、1か月もの時間を要した。なんと豊かな時間だっただろう。
やっと繋がった友人との再会は、その足跡を改めて見つめ直す、良い機会となった。いつか必ず、どこかに集まって笑い合える日が来ることを願っている。
人生の豊かさは、ちょっとした行動から生まれるのかもしれない。
そして、物語は続いていく。
※今日のヘッダーは、つむぎさんのをお借りしました。
ありがとうございます。
