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『整理』しただけで、仕事をした気になっていませんか?

以前は、ビジネス書をよく読んでいました。

SWOT分析、3C分析、PEST分析、5フォース、4P、……。

「仕事ができる人」は、こういうフレームワークを使いこなしている。

そんなイメージがありました。

だから、一生懸命覚えようとしました。

でも、正直に言うと、ほとんど覚えていません。

それでも、仕事で困ることはありませんでした。(おそらくこれからもないでしょう。)

考えがまとまらないとき、私は紙に縦線と横線を一本ずつ引きます。

メモ用紙の裏だったり、ノートの端だったり。

紙に書けないときは、頭の中に線を引くこともあります。

特別な型があるわけではありません。

「何と何で分けると、この業務や提案は見えやすくなるだろう」

そう考えながら、そのときのテーマに合う軸を置きます。

効果と工数。
好きと必要。
標準と個別。
手段と目的。
個人最適と全体最適。

軸は毎回違います。

決まった4象限に当てはめているわけでもありません。

ただ、縦と横に分けてみると、頭の中で混ざっていたものが少しずつ見えるようになります。

例えば、「効果 × 工数」で考えるとします。

見たいのは、きれいに四つに分かれた図ではありません。

何を先にやるのか。
何を後に回すのか。
今は何をやらないのか。

そこまで決めるために、線を引いています。

仕事をしていると、

「一度、整理しましょう」

という場面があります。

私も整理は好きです。

頭の中がすっきりしますし、話もしやすくなります。

でも、その後で違和感を覚えることもあります。

整理したことと、仕事が進んだことは違う。

課題を書き出す。
図にまとめる。
フレームワークに当てはめる。
項目が埋まる。
図がきれいにまとまる。
話し合いも終わる。

すると、

「分析できた」
「整理できた」

そんな空気になります。

考えるための道具だったはずなのに、いつの間にか、考え終わるための道具になってしまう。

それが少し怖いのです。

もちろん、2軸で分ければその罠に落ちないわけではありません。

縦線と横線を引いて、きれいに四つに分けて満足してしまえば、ほかのフレームワークと同じです。

2軸が特別なのではありません。

大事なのは、整理したあとに何を考えるかです。

整理した結果、何を変えるのか。

誰が動くのか。
何をやめるのか。
何を始めるのか。

その先が決まらなければ、状態は何も変わりません。

整理は、考える準備です。

仕事は、その先で何かを変えて初めて前に進む。

今は、そう考えています。

私が2軸を使う目的も、最初は単純な分類でした。

頭の中で混ざっているものを分けて、見えやすくする。

でも、使っているうちに、もう一つの役割があることに気付きました。

今はどこにいるのか。
どこへ向かいたいのか。
その間には何があるのか。
何を変えれば、次の状態に進めるのか。

振り返ると、仕事ではこちらを考えるために使うことの方が多かった気がします。

だから最後に見るのは、

「何が分かったか」

だけではありません。

「この整理を使って、次に何を変えるか」

です。

私は、2軸が一番優れた方法だと言いたいわけではありません。

もっと適した方法がある仕事もあります。

足りなければ、別の方法を使えばいい。

それでも私には、紙や頭の中に縦線と横線を引くくらいが、ちょうどいいようです。

整理すると、頭はすっきりします。

でも、それだけでは仕事は進みません。

だから私は今日も、紙か頭の中に縦線と横線を一本ずつ引きます。

そして、線を引いたあとに考えます。

この整理で、次に何を変えるのか。

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