イモトさんが亡くなった後、イモトのwifiってどうなってしまうんだろうな
はじめに イモトのwifi
イモトのwifiというサービスがある。海外でも簡単にネットが使える貸し出しサービスだ。
普通こうしたサービス名には独自の名前がつくのだが、このサービスは芸能人のイモトさんに商品名を全ベットしているところに特徴がある。
たしかにイモトさんは、世界中に行ってQして飛び回っている。
そんなイモトさんのイメージを活かして、海外でのwifiシステムの貸し出し業務を生業としているということだ。
ところがイモトのwifiの面白いところは、イモトさんをCMで起用するとか商品のイメージキャラクターにするとか、そういった段階を遥かに飛び越えて、商品名そのものになってしまっているところだ。
こうした事例は歴史上ないわけではない。たとえばケンちゃんラーメンという志村けんと密接に関わるラーメンがかつて存在したし、ステラさんというババアの名を冠したステラおばさんのクッキーなどがあるだろう。
イモトさんと運命付けられているイモトのwifi
イモトさんがこのwifiを使っていることが前提となるが、ひとつの論点がある。
それは、初めてイモトさんがこのwifiを使った時、イモトのwifiは何と呼ばれていたのかということだ。まだイモトさんも使っていないし、そもそも誰も使っていないwifi。一般的な名称であれば、名付けてから誰かに使ってもらって齟齬をきたさない。ところが、イモトのwifiはそういかない。なぜならイモトさんが使っているwifiという立て付けだからだ。イモトのwifiはイモトさんが使っていない段階では厳密にはイモトのwifiではない。
もっとも可能性が高いあり方は、「これからこれをイモトのwifiとして売り出しますから、ぜひイモトさん使ってみてください」などとして商品を取り扱う方法だ。
これらの考察から私が何を訴えたいかというと、イモトのwifiという商品やその名前といったものは、極めて原初的で創造的な名前だということだ。
生まれたその瞬間から運命付けられている名前であるということだ。
だからイモトさんがもし天寿を全うされ幽明境を異にしたその時に、イモトのwifiはどうなってしまうのかという疑問が湧いてくる。
イモトのwifiはあまりにイモトさんと一身一体となってしまっている。
そしてもう一点、wifiという技術が生まれたばかりのものである点を指摘しおきたい。ケンちゃんラーメンのラーメンや、ステラおばさんのクッキーのクッキーは、それぞれ食品としての長い歴史がある。ところがwifiはどうだろうか。生まれたのが1999年、普及は2010年代。これから歴史を紡いでいく技術だ。
イモトのwifiは、先ほど述べた通りその誕生の瞬間からイモトさんと強い結びつきがある。そしてwifiという技術そのものが、生まれたばかりのものであるということだ。
未来ではwifiをイモトと呼ぶ可能性がある
述べてきた論点から、イモトのwifiの未来について、ひとつの想像をすることが可能と私は思っている。
ずっと先の未来、wifiをイモトと呼ぶようになる可能性である。
それは述べてきた通りイモトのwifiというイモトさんに密接に関わる名前になっていること、wifi自体が新しい技術であることが要因だ。
ケンちゃんラーメンやステラおばさんのクッキーのその向こうに、イモトのwifiは向かおうとしているのではないか。
川柳という文芸ジャンルがある。連歌の稽古で前句に付ける句を競い合ったものが、付句だけで独立したものだ。柄井川柳という前句付の点者の名前が、そのまま文芸ジャンルの名前になった。
陳麻婆豆腐という食べ物がある。短縮版の麻婆豆腐と呼ばれることも多いけれども、陳さんというばーさんが作った料理が、そのまま料理名になっている。
これらはケンちゃんラーメンやステラおばさんのクッキーとは別次元になっていることはお分かりいただけるだろうか。ラーメンのことをケンちゃんと呼ばないし、クッキーのことをステラおばさんとは言わない。
イモトのwifiは、構造的に川柳や陳麻婆豆腐となりうる可能性を持っている。
おわりに
やがて時が経ち、イモトさんも行ってQも私たちも歴史のなかの存在となっていくだろう。それくらいの時のスパンで考えてみてほしい。wifiそのものをイモトと呼ぶ未来が見えてこないだろうか。
もちろんそのためには、イモトのwifiの業務が隆盛しつづけ、かつイモトさんも今まで通りご活躍されることが大切になる。
イモトさんと、イモトのwifiが両方知名度をさらに高めていくことで、wifiのことをイモトと呼ぶ可能性がある。
このことを指摘することで本noteの目的は達成された。本日はここで擱筆することとしよう。
