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note|僕たちはモンスターを倒すことで大人になった──恐怖と成長が同居する物語たち

僕は昔から、「青春ホラー」と呼ばれるジャンルの映画やドラマが好きだ。

どうしてかと言えば、作品の核である青春物語が好きだからだけど、そこにホラーが足されても面白いのかと聞かれると、答えは「イエス」になる。

ちなみに「青春ホラー」とは、思春期の少年少女たちが直面する、不安や葛藤を恐怖体験を通して描いた成長物語をここでは指している。

たとえば古きアメリカ映画の『ロストボーイ』(1987年)。

本作では、『24』のジャックバウアー役で有名な、若き日のキーファー・サザーランドが、夜の街を闊歩する美しきヴァンパイアとして登場する。

あの頃のアメリカ郊外、海辺の小さな町を舞台に、ある日突然、平凡な兄弟が吸血鬼たちの世界へと引きずり込まれていく。

主人公が同年代の吸血鬼に目を付けられ、追い込まれていく展開は、現実世界で不良に絡まれた時の状況とクロスオーバーして、ゾッとするほど怖い。

だけど最終的には、その不良たちをコテンパンにして塵に還すのだから、当然ながら爽快でもある。

ホラー小説の巨匠、スティーブン・キングの『IT/イット』も、まさに青春ホラーの典型だ。恐怖の道化師、ペニーワイズに子どもたちが立ち向かうストーリーだけど、本質は「恐怖との戦い」よりも「変わっていく自分たちとの向き合い」にあるように思える。

主人公たちは、単なるモンスター退治をしているんじゃない。いじめられたり、家族に無視されたり、大人たちに理解されない痛みを抱えながら、それでも友情を信じて戦ってる。ホラーを通して、子どもでいられなくなる過程を描いている。

同じくスティーブン・キングが原作の青春映画『スタンド・バイ・ミー』も忘れられない。少年たちが死体を探しにいく。でもその小さな旅から帰ってきたとき、成長した彼らはもう以前と同じ子どもじゃない。

最近では、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』も人気だ。80年代のアメリカを舞台に、謎の失踪事件から始まるジュブナイルSFホラー。この作品の核心にあるのも、ティーンエイジャー特有の友情や苦悩だ。

この作品の中で僕が特に好きなのは、シーズン3でダスティンとスージーが『ネバーエンディング・ストーリー』を無線越しに歌うシーン。絶望的な状況なのに、あのバカみたいな純粋さ。懐かし過ぎて笑ったし、泣けてきた。

日本の青春ホラー映画作品では、塚本晋也監督の『妖怪ハンターヒルコ』も秀逸だった。謎の怪異「ヒルコ」と向き合う少年たちの物語。田舎にある夜中の学校を舞台に、凄絶でコミカルな死闘が繰り広げられる。

思春期の少年少女の誰もが抱えている、名前のない不安。理屈じゃ説明できない焦燥感。そして正体不明の怒り。そういうものが、“モンスター”という具現化した驚異として登場し、退治できてしまうから、「青春ホラー」は観ていて心地いいのかもしれない。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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