ドイツのクリスマス文化⑤、デコレーションやお菓子売り場
今回も、ドイツの豊かなクリスマス文化について全般概要を整理するシリーズ。これで第5回目(*ドイツに住んでいます)。
前回までの「①食べ物や飲み物」「②クリスマスツリーや飾り」「③サンタさん」「④クリスマスマーケット」に引き続いて、今回はデコレーションやお菓子売り場について。
②の「飾り」と似ているけど、今回のものは必ずしも全てがクリスマス本来の宗教的な意味合いと深く関係しているわけではない。どちらかと言えば、伝統工芸品だったり、デザイン性の良いデコレーションとしてこの時期に飾られるものや、クリスマスを商機を活用して販売されているものも含まれています。
【クリスマス時期のデコレーション】
(1)錫(すず)細工
個人的に一番気に入っているデコレーションは、錫細工。下の写真は、レトロな雰囲気のクリスマスマーケットの図柄。

細かく図柄を見てみると・・・
右側:レープクーヘン屋さん。レープクーヘンは、香辛料やはちみつなどが入っているお菓子で、食用のものと装飾用のものがある。イギリスではジンジャーブレッドって呼ばれているのかな。
真ん中:クリスマスツリーの飾り屋さん
左側:「ゲブランテ・マンデルン」という、アーモンドにキャラメル掛けした甘いお菓子を売っているお店。露店の定番。
これら錫細工は、南部のミュンヘン近郊にあるアーマー湖の街の特産物。
(2)お菓子の家、くるみ割り人形

右側は天使の女の子。クリスマスの飾りでよくイエス・キリストと一緒に登場する。
真ん中はヘクセンハウスと呼ばれるお菓子の家。ヘクセンハウスは「ヘンゼルとグレーテル」に出てきて、このオペラがクリスマス時期によく上演されるため、このお菓子の家の飾りもクリスマスの定番として定着している。ちなみにヘクセンハウスは前述の「装飾用のレープクーヘン」で作られる。
左側はくるみ割り人形。バレエの「くるみ割り人形」は、お話の舞台がクリスマス時期のドイツ・ニュルンベルク。そのためクリスマス時期の定番として上演される。それによって、くるみ割り人形自体もクリスマスの定番として定着した。
(3)シュビップボーゲン
窓際に置くこのような木工細工のことで、写真のものはイエス・キリストの誕生シーンを描写したもの。ドイツ東部エルツ地方のザイフェンという山の中の街が発祥。ザイフェンではクリスマス時期に、こういった木工細工を各家の窓際に置いて、ローソクで照らして飾った。

前に置かれている数字が書かれた飾りは、12月の日を表している。アドベントカレンダーと同様に、12月になると左側の1日からスタートして、毎日一つずつ☆を右に動かしていく。そうやって最後は24日に到達してクリスマス本番を迎える。
(4)マーレン
左側はニコラウスを絵付けした飾りで、うちの奥さんによる手作り。絵付けのことをマーレンと呼ぶ。

(5)リース
ドイツの家では、年中こういったリースが玄関などに飾られていることが多く、特にクリスマスシーズンは家の中も含めて華やかにリースが飾られる。

次は、デパートやスーパーのお菓子売り場へ目を移すと・・・
【クリスマス時期のお菓子売り場の例】
(1)レトロな缶に入ったお菓子


(2)ニコラウスのチョコ
この時期は大量のニコラウスのチョコレートで溢れる

【ドイツ以外のヨーロッパのお菓子】
ドイツ以外のヨーロッパのクリスマス時期のお菓子として、イタリアとフィンランドのものを。これらはたまたま僕が知っているものだけど、ヨーロッパの人にもっと聞いみたら、他にも山ほど各国の特徴あるクリスマスのお菓子が見つかるはず。
(1)イタリア:パンドーロとパネトーネ
この二つは似た名前だから覚えにくい。いずれも冬のイタリアで大量に箱売りされていて、毎年この時期にはだいたい誰かがイタリア土産として会社に持ってきてくれる。
パンドーロは比較的シンプルな菓子パンのような味。イタリア北東部のベローナ名産。

パネトーネはドライフルーツなどが入っていて、少しフルーツケーキに近い。イタリア北西部のミラノ名産。

ドイツには多くのイタリア人が住んでいるから、この時期にはドイツのデパートやスーパーでも大量に積まれているところが多い。
(2)フィンランド:ゼリーチョコレートとスパイス入りチョコレート
特別な由来はないみたいだけど、フィンランド人にとってはクリスマスの味といえば↓これらしい。ゼリーがチョコレートでコーティングされている。

↓下の写真は、ショウガなどのスパイスが入っているチョコレート。こういったスパイスは、フィンランドだけではなくヨーロッパ共通の「冬の味」。

ということで、デコレーションやお菓子についてでした。
では、ドイツのクリスマス文化についての話は、次回が最終回になります。
by 世界の人に聞いてみた
