ゴルフ用品ブランド コミュニケーション企画
今回の企画提案は、「AE代理店の選定コンペ」で提出された企画書です。
ブランドコミュニケーション/マーケティング/プロモーションの業務において、年間の担当代理店を決めるコンペになります。予算規模も億単位の案件であり、担当営業としてはこれに勝って、年間の“扱い”を獲得できるかが死活問題になります。(大袈裟ですが)
題材として取り上げたのがゴルフ用品メーカーの事例です。
F社のゴルフ用品ブランド「Kamikaze」は、これまで感覚的に「なんとなく良さそう」と支持されてきた一方で、機能面での具体的な理解が十分に伝わっていないという課題を抱えていました。
本プランでは、徹底したユーザー調査とショップ調査を通じて、
上級者・競技志向ゴルファーの口コミや試打体験が大きな購買要因であることを解明。その知見を活かし、新コンセプトのもと、リアルなユーザーの声や店頭体験を核に、WEB・店頭・メディアを一体化させた統合的なコミュニケーション戦略を提案しています。
単なる広告出稿にとどまらず、販売店スタッフの専門性向上や
試打イベントの拡充、ユーザー会員組織の構築までを視野に入れ、
Kamikazeを「熟考型ゴルファー」に選ばれる信頼ブランドへと成長させる。
この一貫したプロセスが、F社ゴルフ事業全体の価値を底上げする中長期的なブランドコミュニケーションのポイントです。
☛【課題・オリエン内容】
ブランド成長の持続的支援
単発の広告ではなく、ゴルフ事業全体への貢献視点でコミュニケーションを組み立てたい。
特に Kamikazeブランドを「品質はよさそうだ」という曖昧なイメージから脱却させたい。
ユーザー分析結果に基づくターゲット再設定
現状は「品質のよさ」「フィット感」が強みだが、機能訴求が弱いのが課題。
購入検討段階で他ブランドに比べて候補に入りにくい(特に国内人気ブランドや外ブラなど)。
上級者や競技志向者の口コミ・試打が強い影響力を持つ。
ブランド認知・理解度の拡大
オピニオンリーダーの影響を最大化し、口コミ・試打機会を増やす。
情報接点を一貫して最適化
店頭、雑誌、ウェブ、ゴルフ仲間など複数接点での情報一致性を強化。
ユーザーの体験や声を軸に、信頼性を可視化したい。
☛【提案のポイント】
ブランドコンセプト:「誰にでもベストな一打を」
漠然とした評判を具体的な機能・性能に落とし込み、
「熟考型ゴルファー」というターゲット像を具体化して知的なブランドイメージを確立。
リアルな声を反映した統合プロモーション
店頭POPにスタッフの声を掲載、音体感ボタンで特徴を体験化。
ユーザー・プロのレビューを集めた「1,000 VOICE」WEBサイトを構築。
Amazonレビューや会員施策を参考にした会員組織化。
販売店・プロとの連携強化
フィッティングエバンジェリスト認定など、店員の専門性と熱意を後押し。
JPGAティーチングプロを使ったギアクリニックで実感機会を増やす。
メディア展開の重点化とターゲット適正化
ゴルフ誌・新聞・ビジネス誌を組み合わせ、富裕層・経営層も狙う。
雑誌タイアップや会員誌連動など、接点での一貫したメッセージ発信。
PDCAと効果測定を明確化
すべての施策でユーザーの声を回収し、WEBで可視化。
「認知率向上」「試打→購入率維持」「会員組織化」の数値目標をKPI化。
👉 本記事は「企画が通る構造」を分解して解説しています。
同じ構造はテンプレートとして再現可能です。
→つまり、同じレベルの企画を再現できます。
この事例は
「信頼体験構築型(機能価値が伝わりにくい商品を、体験・口コミ・専門家評価で信頼に変える企画)」の企画です。
(※企業名や商品/サービス名は 守秘義務により仮称としております)
(※他の企画事例はこちらの一覧ガイドを参照ください)
1. プロジェクト概要と背景
提案の基本姿勢
単なるコミュニケーション領域だけでなく「F社ゴルフ事業への貢献」という視点で、Kamikazeの更なる成長を支援することを目指しています。
実施調査の詳細
消費者調査(20XX年X月実施)
調査手法: インターネットアンケート
対象者: 各社ドライバー保有者50名×6ブランド(計300名)
対象ブランド: 国内主要メーカー、海外ブランド
調査項目:
ゴルフに対する意識・価値観
本質的な生活価値観
買物意識・価値観
購入プロセス・情報接点
ショップ調査
対象: 業界大手ショップ店長クラス
実施店舗: Y電器(量販系)、Sロード(アスリート系)、XXファクトリー(カスタム専門)
主要発見事項:
上級者・競技志向者が多い
飛距離を求める人が中心
口コミでの来店が多い
試打者の購入率は約70%
メディア調査
対象: 業界大手3誌の編集長クラス
主要評価:
ターゲット明確化(上級者)が成功要因
打感とデザイン、フィット感が高評価
機能訴求の弱さが課題
2. 市場分析の詳細結果
ユーザープロファイリングの詳細
Kamikazeユーザーについての調査
ゴルフ歴: 比較的浅いが、スコアは良好
平均スコア: 90台前半中心
練習頻度: 月4回以上が多数
心理特性:
ギアこだわり派
WEBや専門紙等の情報を積極的に入手
試打を重ねて熟考して購入
情報発信型のオピニオンリーダー
購入プロセスの詳細分析
情報接点の重要度(複数回答)
検討ステージ:
店頭(店員説明含む): 50.0%
ゴルフ専門誌の記事: 45.2%
口コミ: 39.4%
Net、SNS等: 33.7%
購入ステージ:
WEB/SNSコンテンツ: 48.8%
店頭: 48.7%
ゴルフ専門誌の記事: 35.6%
ゴルフ仲間の評判: 29.5%
ブランドポジショニングの詳細
企業イメージスコア比較
BRIDGESTONE: XXXポイント(メジャー、安心感)
DUNLOP: XXXポイント(メジャー、安心感)
F社: XXXポイント(品質、こだわり)
YOKOHAMA: XXXポイント(独自性、フィッティング)
3. クリエイティブ戦略の詳細
コンセプト展開:「誰にでもベストな一打を」
クリエイティブの5つの考え方
製品の本質を伝える: 具体的な機能訴求へ
ターゲット像の明確化: 「熟考型ゴルファー」の具体化
感性と理性の融合: イメージと機能の両立発信
体験価値の可視化: レビュー記事や、実際のユーザー声の活用
ブランドストーリーの構築: F社の技術力との連動
メインビジュアルの方向性
従来の抽象的なビジュアルから、より具体的な機能表現へ
「スイング脳」をキーワードとした知的なイメージの構築
4. 統合プロモーション戦略の詳細
ゴルフショップ連動施策の詳細
1. フィッティング・エバンジェリスト認定プログラム
対象: 戦略上重要な販売店スタッフ50名
内容: 1泊2日の製品講習会
商品特性研修
セールストーク研修
試打・フィッティング実習
認定証(楯)とバッジの進呈
期間: 20XX年10月下旬~11月中旬
予算: 400万円
2. プロフェッショナル・ギア・クリニック
内容: JPGA A級ティーチングプロの店頭派遣
規模: 100店舗(1店舗1日)
期間: 20XX年11月~20YY年3月の週末
特典: 当日購入者へプレミアムグッズ進呈
予算: 500万円
3. 体感アセスメントPOP「Kamikaze VOICE」
特徴:
各店スタッフの製品評価を顔写真付きで掲出
手書きコメントによる親近感演出
音を体感できるボタン付きPOPも展開
展開店舗: 1,000店舗
予算: 500万円
WEB戦略の詳細
SPECIAL WEBサイト「1,000 VOICE」
コンセプト: 製品評価の透明化による信頼獲得
機能:
ユーザーコメントの集約・表示
会員限定ブログ
ブログパーツによる情報拡散
収集ポイント:
各種研修・セミナー参加者
試打会参加者
購入者
プロ・専門家
予算: 500万円(制作・運営込み)
パブリシティ戦略の詳細
新製品発表会「Try The Kamikaze」
特徴: 通常の発表会+記者向け試打体験
会場候補:
ゴルフ練習場(250ヤード、300打席)
ロッテ葛西他
動員: 200~300名
予算: 700万円
テレビPR施策
D1グランプリ: 賞金500万円のお笑い芸人ドラコン大会
Feeling The Golf: JGN30分番組×6回(葛城GC舞台)
契約プロと有力販売店社員のラウンド
店頭DVDとしても活用
予算: 計2,200万円
5. メディア戦略の詳細
雑誌広告展開(年間534ページ)
主要ビークル別ページ数
週刊ゴルフダイジェスト: 年間134ページ
ALBA: 年間66ページ
月刊誌群: 年間150ページ
タイアップ広告の展開
11-12月期: 登場期として重点投下
3-4月期: シーズンイン対策
内容: プロ編、アマチュア編、ショップ編の3パターン
店頭活用: タイアップ記事の抜き刷り配布(5万部×4回)
ビジネス誌・会員誌の活用
日経ビジネス: ゴルフ特集号での展開(年間4回)
PRESIDENT、週刊ダイヤモンド: 経営層へのアプローチ
カード会員誌: SIGNATURE、THE GOLD等での高額所得者層訴求
新聞広告展開
基本展開
登場期: 全国紙朝刊15段カラー(XXXX万円)
春商戦: 全国紙朝刊7段カラー(XXXX万円)
総予算: XXXX万円(オプション除く)
オプション企画
日経フリークエンシー企画: 証券面2段×7回(XXXX万円)
販売店対策シリーズ: 7段記事広告×5回(XXXX万円)
BSジャパン連動企画: 特番制作+新聞採録(XXXX万円)
6. スケジュールと実施体制
年間スケジュール概要
2009年10月: 新製品発表会、発売開始
11-12月: 登場期集中展開(ボーナス商戦)
2010年1-2月: 継続展開、口コミ醸成期
3-4月: シーズンイン商戦(第2の山場)
5-10月: 維持展開期
7. 効果測定とPDCAサイクル
新たなサイクルの構築
声の収集: 全施策からユーザー評価を収集
可視化: WEBサイトでの公開
分析: 行動ターゲティング分析の実施
改善: 商品開発・広告戦略への反映
KPI設定
認知率向上: 他ブランドユーザーからのブランドスイッチ促進(10%)
店頭来店率: 広告接触者の15%以上
試打→購入率: 70%以上の維持
会員組織: 1年で1万人以上
8. 予算配分の詳細(総額5億円)
媒体費内訳(3.45億円)
雑誌広告: 2.83億円(ゴルフ誌2.28億円+その他0.55億円)
新聞広告: 0.62億円(純広告のみ)
プロモーション費内訳(0.75億円)
店頭施策: 2,500万円(7施策合計)
WEB施策: 1,000万円(2サイト構築・運営)
パブリシティ:10,000万円(5施策)
フィールド施策: 1,300万円(3施策)
制作費(0.75億円)
広告原稿制作、カタログ、店頭販促物等
9. 期待される成果
短期的成果(6ヶ月以内)
発売初動での話題化成功
店頭での試打機会最大化
口コミによる評判拡散
中長期的成果(1年後)
ブランドポジション「熟考型ゴルファー」の確立
他ブランドからの乗り換え促進
会員組織によるロイヤルカスタマー化
ビジネス貢献
現状シェアの維持・拡大
顧客単価の向上(V→Dのステップアップ)
F社ゴルフ事業全体への波及効果
このように、包括的かつ戦略的なアプローチにより、Kamikazeブランドの「誰にでもベストな一打を」の転換を実現し、具体的な製品価値の理解促進と持続的な成長を支援する計画を提案しています。
▶︎ この企画の「型」を再現するには
この企画がうまくいっている理由は、
ゴルフクラブのように、
スペックだけでは違いが伝わりにくい
高価格で比較検討が長い
購入前に失敗したくない
上級者ほど他人の評価を重視する
という商材特性を正しく捉えているからです。
この事例では、単純な広告量勝負ではなく、
試打体験の最大化
販売店スタッフの推奨強化
プロによる実演・監修
ユーザーレビューの可視化
雑誌・WEB・店頭メッセージの統一
によって、購入前の不安を一つずつ解消しています。
特に優れているのは、
「メーカーが良いと言う」ではなく、
第三者が良いと言っている状態を大量につくったことです。
たとえば、
店員の顔出しコメント
1,000人の声を集めたWEB企画
ティーチングプロによる体験会
専門誌タイアップ記事
など、信頼源を多層化しています。
その結果、
ブランドイメージが曖昧な“なんとなく良さそう”から、
理由がわかる
自分にも合いそう
一度打ってみたい
比較候補に入る
という検討ステージへ進ませています。
これはゴルフ用品に限らず、
高単価商材
比較検討型商品
専門性が高いサービス
BtoB商材
美容機器・家電・住宅設備
などでも非常に再現性の高い構造です。
ただ、この構造を毎回ゼロから考えるのは簡単ではありません。
この型は他の事例でも繰り返し使われており、
成果が出ているパターンです。
👉 この構造はテンプレートとして再現できます。
👉(=ゼロから考えなくてよくなります)
実務でそのまま使えるように設計しているので、
空欄を埋めるだけで、
課題・インサイト・施策が一本につながる企画が組み上がります。
※同じ構造で企画を作りたい方はこちら ☟
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ありがとうございます