世界的キャラクター企業のストアマーケティング基本戦略
世界的キャラクターブランド「ベルビスタ」は、世代を超えて愛される物語性と高いロイヤルティを武器に、ストアビジネスを展開してきました。
しかし市場環境は年々厳しさを増し、競合の多様化や消費者行動の変化により、単なるキャラクターショップでは通用しない時代に突入しています。
この戦略資料では、ベルビスタストアがブランドの原点に立ち返り、
本物志向や世界観の徹底演出といった差別化を軸に、5つの顧客セグメントを明確に定義し直し、「ステディファン」「セルフユースアダルト」「キッズ」を重点ターゲットに据えている点が大きなポイントです。
さらに、Synergy(シナジー)による多面的なタッチポイント拡大、未開拓のセルフユース市場の開拓、価格戦略やSKU管理まで踏み込んだ緻密な商品政策で、情緒的価値と売上の両立を目指しています。
『すべては大切なファンのために』という理念のもと、
「本物感」が選ばれる最大の理由になる――
ベルビスタストアが描くマーケティング再構築のヒントを、この資料から紐解きます。
👉 本記事は「企画が通る構造」を分解して解説しています。
同じ構造はテンプレートとして再現可能です。
→つまり、同じレベルの企画を再現できます。
この事例は
「ファン収益化型(ブランド愛着の強い顧客資産を再定義し、体験・商品・店舗設計によって売上へ転換する企画)」の企画です。
(※企業名や商品/サービス名は 守秘義務により仮称としております)
(※他の企画事例はこちらの一覧ガイドを参照ください)
1. エグゼクティブサマリー
本戦略は、ベルビスタブランドおよびベルビスタストアが本来持つ理念や強みへの原点回帰を基本方針とし、以下の重点施策を実行します:
ベルビスタブランドの原点に立ち戻り、全ての施策を一貫
ブランドの特徴を最大限活用する差別化戦略
ベルビスタへのロイヤルティや嗜好を軸として、商品使用者を5つの顧客セグメントに分類
「ステディファン」「セルフユースアダルト」「キッズ」を中期的なフォーカスセグメントとして設定
商品開発・品揃えの戦略的意図の明確化(ターゲット顧客、商品構成、価格)
2. 市場環境分析
2.1 市場動向
ベルビスタ商品市場の競争環境は、厳しさを増している
FY04→FY05:ベルビスタ商品市場全体は約7%の減少
ベルビスタストアの売上は約10%の減少で、業界のペースを超える落ち込み
市場規模推移(億円):
キャラクター市場全体:16,420(20XX年)→16,100(20YY年)
ベルビスタストア:239(20XX年)→215(20YY年)
ベルビスタストアのシェア:6.1%(20XX年)→5.8%(20YY年)
2.2 BVCP(ベルビスタコンシューマープロダクツ)の動向
BVCPは、子供市場およびGMS(総合スーパー)を始めとするキーアカウントを一層強化
売上(推定):約1,800億円の構成
ターゲット別:子供向けが中心
チャネル別:キーアカウント(GMS等)が主力
カテゴリー別:ソフトライン中心
2.3 機会と脅威
機会
本物志向、こだわりの高まり。流行よりも自分の価値観を重視する購買行動の拡大
少子化により、子供1人あたりにかける費用が拡大する可能性
「キャラクター主演」の地上波放送開始をはじめとするSynergyプログラムにより、タッチポイントが増加、市場機会が拡大する可能性
脅威
所得格差の拡大による消費の二極化、人内二極化が進行する中で、顧客の購買行動の捕捉が困難に
人口減少社会の到来による市場縮小
ローカル商品の販売チャネルが拡大し競争が激化
ファミリー層をターゲットとするGMS等チャネルでベルビスタ商品のマス化・同質化競争が進行
ローカルの商品開発力・スピードの向上により、差別性が縮小
3. 差別化戦略
3.1 ブランドポジショニング
「Bella Vista is Special Entertainment」(ベルビスタは特別なエンターテイメント)
ベルビスタストアは、ブランドの世界観を最も身近に体験できる、ファミリー・エンターテイメント・ショッピングを提供
ブランド価値の要素
物語性、革新性、高品質
楽しさ
前向きな精神、気品、共同体
3.2 ベルビスタストアの強みと弱み
強み
ベルビスタのブランド力。一時の流行ではなく、世代を超えて愛される、情緒的絆の強いブランド
Bella Vistaを名乗り、店舗でベルビスタの世界観を演出できる唯一の販売チャネル
ロイヤルティの高い顧客が多く存在
スタンダード化した物語性の強いキャラクターを有し、ビジュアル中心の流行キャラクターに比べて安定的
Synergyが市場の話題を喚起し、ブランド価値を高めると共に、ビジネス機会を創出
弱み
ターゲット顧客や差別化の設定が曖昧で、商品~ストア~プロモーションに至る各活動の一貫性が弱い
ブランドの価値観や世界観よりも、ビジュアルの新規性やトレンドを追求する傾向
キャラクターショップやGMSなど、本来競合ではないチャネルとの同質競争に巻き込まれている
Synergyとの連動が弱く、ブランドが創出するビジネス機会を必ずしも十分捕捉できていない可能性がある
3.3 ベルビスタストアのイメージ
ベルビスタの「本物感」の演出は、他のチャネルに対する重要な差別化要素の一つ
商品購入場所選択時の最重視ポイント:「本物感」が57.7%で1位(TDR 30.6%、百貨店・GMS 6%)
ベルビスタ商品購入場所選択時の最重視ポイント:ベルビスタの雰囲気(27.1%)、アイテムの品揃え(14.1%)、商品の品質(12.3%)
4. 顧客セグメント戦略
4.1 5つの顧客セグメント
従来の年齢・職業などの社会的属性ではなく、ベルビスタに対する愛着や嗜好を軸として、商品使用者を5つ顧客セグメントに定義:
ステディファン(現在の中心顧客)
現在のベルビスタストアの中心顧客
ベルビスタの理念から商品まですべてが大好きなロイヤルカスタマー
主にマムと若い女性
キャラクターがメインで世界観に忠実なアートが好き
商品は主に家庭内で使用することが多い
セルフユースアダルト(新規開拓)
ベルビスタの理念に共感。大人向けの商品があれば、さりげなく使用してベルビスタの世界への接触や遊び心を維持したい
潜在的ロイヤルカスタマー。現在ほぼ未開拓
主としてマムと若い女性だが、ユニセックス商品を購買する男性も含む
大人向けのシンプルでスマートなイメージが好き
キッズ
未就学児:ベルビスタのキャラクターや世界観、物語に、憧れ・楽しさ・親しみを抱いている
小学生低学年:子供に良質で信頼感の高い商品を与えたいマムの意向が強く反映される
トレンドシーカー
必ずしもベルビスタにこだわりがあるわけではない。一時的興味や流行に強く影響される浮動カスタマー
主に中高生を中心とする若い女性
今までにない、極端で斬新なもの、話題を呼ぶもの、ビジュアルの可愛らしいものが好き
コレクター
ベルビスタの理念から商品まですべてが大好きなロイヤルカスタマー
主に男性
ベルビスタに関する知識が豊富
バラエティの広さ、深さ、限定性を追及する
4.2 ターゲット顧客の優先順位
中期的なフォーカスセグメントは、アダルトとキッズ(①②③)
優先順位決定の4つの視点
ベルビスタブランドとのフィット
ロイヤルカスタマーの維持・拡大
売上回復へのインパクト最大化・リスク最小化
市場機会
フォーカスセグメントの構成比目標
ステディファン:35%
セルフユースアダルト:23%
キッズ:30%
トレンドシーカー:10%
コレクター:2%
4.3 市場機会分析
アダルト市場→未開拓市場参入(セルフユース)
BVCPは、主にキッズ市場に注力しており、ティーン以上の市場での競争は比較的穏やか
セルフユースアダルトのような、ほぼ未開拓の市場に早期に参入することで、先行優位獲得の可能性
キッズ市場→Synergyによるパイ拡大の追い風活用と、差別性強化
映画・TVのSynergyプログラムや、BVCPの注力により、キッズ市場全体のパイ拡大の可能性
市場全体のパイ拡大の追い風活用
ベルビスタストアでの現状のキッズ構成比は市場に比べて低く、差別性強化により成長余地あり
5. 商品政策
5.1 商品ポジショニング
ターゲット顧客毎に、他チャネルとの差別化の意図を明確にした商品開発・品揃えを追及
5.2 商品構成の方向性
課題
ニーズよりもウォンツに過度に傾注のきらいがあり、実需要を取り逃している可能性
短命・少ボリューム商品の多産で、商品開発負荷が増大、売り場のイメージが多岐亡羊
商品構成の方向性
ニーズの確実な刈り取り
定番的商品の蓄積
5.3 価格戦略
コストプラスではなく、商品ポジショニングを踏まえた戦略的な価格設定を行う
価格設定の考え方
高価格:独自の商品で、ベンチマーク商品が存在しない
中価格:競合商品に対して、独自の価値が付加されており、それに見合った価格を設定
低価格:競合との品質差が出にくく、価格比較購買される傾向が強い
5.4 商品管理の共通項目
ターゲット顧客
全社的に共通の顧客セグメントの定義を用い、ターゲットを明確に設定
構成比目標:ステディファン35%、セルフユースアダルト23%、キッズ30%、トレンドシーカー10%、コレクター2%
ニーズ/ウォンツ
ニーズ:元売および、季節需要・生活催事対応のBig Ideaを中心に、顕在化している実需要を刈り取る
ウォンツ:Big Ideaを中心に潜在的欲求を喚起する
自家/ギフト
ギフト狙いの商品は、ギフトにふさわしい仕様設計(パッケージの特徴やセット化)や価格設定を行う
価格
低:20%、中:50%、高:30%
SKU数・ABC構成
全SKU数:1800SKU(FY07Q1)
生産性の低いSKUは削減し、売場において売筋商品のインパクトを高める
商品調達方法
開発商品(自社開発、ベンダー委託)
棚貸し(新規に開拓)
Tag-on
License
6. まとめ
「すべては大切なファンのために」という理念のもと、ベルビスタブランドの原点に立ち戻り、差別化戦略を徹底することで、売上の回復と持続的成長を実現します。
▶︎ この企画の「型」を再現するには
この企画がうまくいっている理由は、
“人気ブランドなのに売上が伸びない”状態を、感覚ではなく構造で解決しているからです。
多くのブランドは、
知名度は高い
好きと言う人も多い
世界観もある
それでも売上が伸び悩みます。
理由はシンプルで、
誰に、何を、どの価格で、どんな体験として売るか
が曖昧になるからです。
この事例では、そこを徹底的に整理しています。
まず優れているのは、
年齢や属性ではなく、
愛着度・使い方・価値観で顧客を分類したことです。
たとえば、
ステディファン
セルフユースアダルト
キッズ
トレンドシーカー
コレクター
というように、
購買行動ベースで顧客を見ています。
これにより、
守るべき顧客
伸ばすべき市場
収益化しやすい層
ノイズになりやすい層
が明確になります。
さらに、
未開拓のセルフユースアダルト市場
に注目した点も重要です。
既存ファン向け商品だけでは市場が縮小しやすい。
そこで、
大人でも使いやすい
さりげなく楽しめる
上質で日常に馴染む
という新しい需要を掘り起こしています。
これはブランド拡張の王道です。
また、商品政策まで踏み込んでいるのも秀逸です。
SKU整理
売れ筋集中
定番商品の蓄積
価格帯設計
ギフト需要対応
つまり、
ブランド論だけで終わらず、
P/Lに落ちる実務設計までできています。
この型は、
IPビジネス
アパレルブランド
コスメブランド
推し活商材
D2Cブランド
観光施設物販
老舗ブランド再生
などにも応用できます。
考え方はシンプルです。
ブランド資産を棚卸しする
顧客を熱量別に再分類する
守る市場と攻める市場を分ける
商品・価格・売場を再設計する
世界観と収益性を両立させる
この順番で考えると、
“人気はあるのに売れないブランド”は改善しやすくなります。
ただ、この構造を毎回ゼロから考えるのは簡単ではありません。
この型は他の事例でも繰り返し使われており、
成果が出ているパターンです。
👉 この構造はテンプレートとして再現できます。
👉(=ゼロから考えなくてよくなります)
実務でそのまま使えるように設計しているので、
空欄を埋めるだけで、
課題・インサイト・施策が一本につながる企画が組み上がります。
※同じ構造で企画を作りたい方はこちら ☟
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