大手インフラ企業 展示イベントプロジェクト
90周年を迎えた社会インフラ企業・日本システックの展示会プロジェクトを題材に、構想から演出、運営、広報までを一貫設計した実践的な企画手法を公開。本記事では、企業理念を体験型に落とし込むための視覚設計やゾーニング構成、演出手法、ステークホルダー対応など、提案書レベルの具体構成が学べます。
大型展示会や周年イベントに携わるすべての企画担当者に向けて、「伝える」から「共感させる」へのステップアップのヒントを詰め込んだ企画ノウハウをお届けします。
👉 本記事は「企画が通る構造」を分解して解説しています。
同じ構造はテンプレートとして再現可能です。
→つまり、同じレベルの企画を再現できます。
この事例は
「企業価値体験型(企業理念・技術力・将来性を、展示空間そのものを通じて体感させる型)」の企画です。
(※企業名や商品/サービス名は 守秘義務により仮称としております)
(※他の企画事例はこちらの一覧ガイドを参照ください)
1. 展示会基本情報
概要
名称: 日本システック80周年記念 新製品展示会
テーマ: “Securing the Future with Trusted Innovation” 未来へ受け継ぐ、安全と信頼のテクノロジー
会期: 20XX年X月XX日(木)、XX日(金)、XX日(土)
XX日(木)搬入・設営・準備(リハーサル)
XX日(土)即日撤去
会場: 都内某所イベントホール
対象:
X月XX日(木)・XX日(金):ステークホルダー(顧客・株主・マスコミなど)2000名
X月XX日(土):社員家族(グループ企業も含む)
開催目的
日本システック株式会社の創業90周年を記念するプライベートショー。
展示会開催時点での新製品を展示のコアに、日本システックの明日と未来の製品・コンセプト及び安全・信頼のDNAを紹介し、100周年に向かって今後も発展しつづける企業であることを印象づける。
展示構成
各事業における製品を、運関性のあるライフシーン単位にブロック化して配分し、全体として統一感を持たせる。
2. 基本的な考え方
展示会の基本構想
与条件およびオリエンテーション資料を検討した上で、この基本構想をいかに具現化するか?私どもがご提案する際の基本的なスタンスを整理しております。
5つの視覚化ポイント
「ライフシーン」の視覚化→展示に於ける新製品と社会背景の一体化
本展示会の基本設計は、御社実行委員会の成果として、既に提案されています。
鉄道を主力としつつも、それ以外の事業分野への進出・拡大を紹介する意味でも適切なこの展示ストーリーを、如何に「目に見える形で会場展開」するか・・・
「新製品展示」と「ライフシーン」を端的に結びつけ、社会に貢献している日本システックを訴求し、来場者をその気分にさせる演出力が求す問われています。
展示レイアウト・展示手法の整理→来場者の心理・視点に立った演出提案
本展示会で各事業部が展示したい新製品や技術を中心とした展示アイテムは既に提示されていますが、それを観る側の立場からも、分かりやすく興味の持てる形で整理し、実機・パネル・映像といった展示手法も再検討して、メリハリのある「魅力的な来場者動線を創る」のが次のステップといえます。
この時に重要なことは、空間の演出だけでなく、「来場者の体験時間を演出する」ことです。
総合展示会としてのメッセージ性のある展示演出→会場に相応しい、レベルの高い展示の実現
ライフシーンによって工リア外けされた製品紹介ゾーンはもちろん、その前後(プロローグ、エピローグ)、そして全ての核となる企業コンセプトを貫く展示横成上の統一感、そして個性的な会場空間に負けない訴求力が必要となります。すなわち、順番にブースを配置するという考え方ではなく、オープンな中に効果的に集れした「ゾーン構成を行う」と共に、「スケールと楽しさ」に溢れたショー演出(アピール演出)も大切になります。
展示会プロジェクトとしての成功→企画・制作から広報・運営まで、全体業務の遂行および コスト効率を重視
展示会の成功は展示会場のデザインの善し悪しだけで決定されるものではありません。コミュニケーション戦略も含めた展示会を会社に必要な「業務を統合・整理」し、実施内容をまとめあげることが重要です。つまでの習慣な経験から、費用対効果の高い方法・手段を選用していく作業をサポートいたします。つまり、展示企画はもちろん、広報・動員をはじめとする事務局運営、そして当日の会場制作・運営等、プロジェクト業務全体を今から見通して、「コスト効率の良いサポート業務」を行います。
実行委員会担当者との密度の濃い協業作業体制を確立
90周年記念事業の中核として、御社内の意向を尊重しつつ、客観的にあるいは来場者視点からアドバイスしていくためにも、なるべく早い時期から「同等のプロジェクトチームとして」作業に関わることを望みます。プロジェクトチームが発フェーズで必要に応じて各専門ディレクターを招集し、専門職の立場からさき細かく具体的な指針を提言いたします。
3. 展示会の方向性
展示コンセプトの視覚化
90周年記念事業の中核を担う本展示会は、単なる新製品展示会に終わらず、日本システックの企業ビジョン・企業理念を反映したコミュニケーションスペースとして機能させます。会場全体にひとつの世界観を創出し、その中で80周年の信頼の歴史に触れ、新製品と出会い・理解し、明日&未来の製品やビジョンに共感できる取り組みを行います。すなわち、日本システックそのものと丸ごと出会い・日本システックへのシンパシー(共感・共鳴)を増強する場とします。
展示会で表現する日本システックの世界観
より安全で快適な人間社会の実現を目指して、日本システックは人への優しさを持つて社会のインフラを担い、高い技術に支えられた90年の信頼の歴史の基盤に立ちつつ、100周年へ向かう未来へと力強く進展していく姿勢を示します。
展示会全体のイメージコンセプト
安全・快適な未来をイメージするグリーン基調のブースカラー
人々の生活や暮らし等、日常に存在するテクノロジー
安全・快適を支える日本システックのプロダクトラインナップ
本展示会で表現する日本システックの世界観を端的に表現する展示演出上のキービジュアル
展示会場のプロローグを彩るだけでなく、ゾーンサインへの展開、そして会場マップにも活用していきます。
4. 全体構成(ゾーン構成)
各ゾーンの詳細
プロローグゾーンは、企業コンセプトや歴史を紹介
A: アウトオブホーム
交差点を中心とした街並み空間をグラフィックボードで表現。安全に寄与する道路交通システムを体験できるゾーン
※6つの製品の実機展示もしくはパネル展示で構成
B:インザシティ
ゾーン全体を街のグラフィックボードで表現し、製品やシステムのデモ演出で紹介される
※5つの製品の実機展示もしくはパネル展示で構成
C: アットザステーション
駅務システムやその応用製品・システムをインタラクティブなグラフィックジオラマで紹介する
※5つの製品の実機展示もしくはパネル展示で構成
D: オンザトレイン
屋内展示空間としては巨大なスケールの線路と電車模型・踏切実機を中心に、迫力いっぱいの臨場感溢れるデモを展開
※5つの製品の実機展示もしくはパネル展示で構成
E: インザオフィス
社員認証カードを手に各部署を巡るバーチャルツアーによって、各事業フィールドをわかりやすく体験
※ゴーグルビジョンシステムで3Dバーチャル映像で疑似体験
F: アットザラボラトリー
未来感漂うハイセンス&ハイタッチなラボイメージ空間に包まれ、日本システックのこれからへの期待感を高める
動画による新技術開発への取り組みをストーリー仕立ての動画で訴求
G.日本システック/コアスクエア
日本システックが発信する未来イメージのコミュニケーションスペース
プレゼンテーションステージ
PR映像上映(トップメッセージ、企業紹介、技術開発ストーリー等)
他
5. 運営プラン
当日運営の考え方
本展示会のような大型イベントにおいては、最終的に「いかにしてお客様に満足していただけるか」が重要です。来場者にとって魅力ある展示コンテンツは当然ですが、わかりやすく快適な展示環境も大切です。
日本システックの企業イメージにつながる、「スマートで親身な運営」を基本に、主役である御社スタッフを中心に当日、全スタッフで来場者を気持ち良くお出迎えできるようにプランします。
そこでは、本会場で数多く積んだ経験やノウハウも生かしていきます。
適切な誘導人員配置
JR・地下鉄駅からのアクセスが複数交差する会場立地や隣会場で別イベントが開催される条件下で、必要最少で最適な人員配置を計画します。
効率のよい運営体制
あらゆる場面を想定した効率のよい人員体制と、1日1000名来場を想定し、セキュリティも考慮した受付プランを行います。
当日運営では、各業務ごとにグループを構成し、展示会事務局の指示のもと、担当業務を遂行します。
不測の事態が発生した場合でも、各リーダーが展示会事務局と協議の上、迅速に対応します。
6. コミュニケーションプラン
クリエイティブ・発想の前提
20XX年X月創業90周年 日本システック・NEXT企業コミュニケーション元年
創業90周年というタイミングに、内外に向けて企業価値をアピールする機会。
新製品展示会は業界のリーディングカンパニーとしての存在感を誇示し更なる信頼感と製品開発力を示す場としてとらえる。
創業90周年記念事業コンセプト
90周年を迎え、改めて日本システックの社会的責任を再認識し、次の100年企業を目指して社員の団結力と士気を高める。
“Securing the Future with Trusted Innovation” 未来へ受け継ぐ、安全と信頼のテクノロジー
7. 実施制作プラン
プロジェクトの進め方
御社実行委員会の展示会事務局様を支援し、協力する弊社プロデュース&プランニングスタッフによって、本展示会「プロジェクトチーム」を構成します。
このチームは、基本構想に基づく実施設計を行うために、一定期間ごとに定例会議を招集し、各業務の進捗状況報告、各種提案、情報共有を行い、展示会における全方針を策定し、御社内決済を受ける作業までお手伝いします。
定例会議には、適宜必要に応じて、各担当ディレクターも参加します。その際、各ディレクターは、進捗状況の報告や各種企画提案をします。
プロジェクトの各実施チームは、ディレクターを中心に、定例会議で決定した方針を、各業務に実施・反映させる一方、各チーム間は互いに連携を取り、実施に向けて協業していきます。
弊社のスタンスとしては、実行委員会の中で細密にコミュニケーションを図りながら、賓方を束ねるパートナーとして、あらゆるサポートを提供します。
実施計画フェーズ
フェーズ1: 実施計画策定(20XX年X月~20XX年X月)
展示会関係
詳細情報収集・検証
各事業部ご担当者とアリング
出品物最終情報の収集
出品物リストの作成(第1次)
展示演出基本設計
提案した情報を精査して、より効果的な展示演出手法&デザインを策定
展示構成の確定
会場ゾーニングの確定
展示設計~策定
各展示演出の決定
付帯イベント関係
付帯イベント計画の策定
プログラム構成の設定
テーマ・候補者の設定
候補者との折衝
運営・広報関連
運営実施計画の策定
動員方法の策定
招待者リストの作成
動員ツールの制作準備
会場運営実施計画の策定
フェーズ2: 実施設計(20XX年X月~X月)
展示会関係
出品物調整・調達(製作)準備
最終出品物リスト作成
出品物実施設計
グラフィック元データ収集
映像コンテンツリスト作成&素材収集
展示演出実施設計
各展示演出設備実施設計
企画展示演出実施設計
付帯イベント関係
併催付帯イベント登壇者決定
プログラムテーマ決定
受付システム構築
運営・広報関連
動員実施準備
動員ツール(招待状など)制作
WEB制作
運営実施計画の策定
ご担当者&解説者など記憶計画
要員配置計画
運営ツールの準備
フェーズ3: 制作(20XX年X月~X月)
展示会関係
出品物製作・配置
出品物制作設計・製作
出品物搬入~設置
展示演出制作設計・施工
会場造作設計&工場製作
展示什器設計&工場製作
会場内搬入~施工
照明音響映像システム設計・造曲構成など
会場内搬入~施工
グラフィックプラン作成&制作
映像シナリオ作成&制作
ナレーターコンパニオンなどオーディション
付帯イベント関係
台本制作・ステージ設計
運営マニュアル作成
ツール制作
運営・広報関連
動員プロモーション活動の実施
招待状の発送など
来場者(予定)リストの作成
運営準備
スタッフ手配
マニュアル作成・ツール作成
広報活動計画
媒体調査リスト作成
リリース配信など
フェーズ4: 実施~フォローアップ(2009年1月~)
展示会関係
展示演出現場調整~実施~撤去
音響調整
照明調整
映像調整
デモリハーサル
事務局&役員様チェック
記録撮影~編集
撤去~撤出
付帯イベント関係
実施
記録撮影
撤去~撤出
運営・広報関連
来場者管理
ブレスフォローアップ
アンケート集計など
まとめ
本展示会は、日本システックの90周年を記念する重要なイベントとして、単なる新製品展示会を超えた、企業の過去・現在・未来を包括的に表現する総合的なコミュニケーション空間として企画されています。
『“Securing the Future with Trusted Innovation” 未来へ受け継ぐ、安全と信頼のテクノロジー」というテーマのもと、安全と信頼の遺伝子を未来へ継承していく企業姿勢を、体験型展示を通じて来場者に伝えることを目指しています。
展示構成は“ライフシーン“に基づいた6つのゾーンと、中央の「日本システック/コアスクエア」で構成され、来場者が日常生活の流れに沿って日本システックの技術と製品を体験できるよう工夫されています。各ゾーンでは実機展示、デモンストレーション、インタラクティブな演出を組み合わせ、技術の理解促進と企業への共感醸成を図ります。
運営面では、2日間で2000名のステークホルダーと、1日で社員家族を迎える大規模イベントとして、きめ細やかな来場者対応と効率的な運営体制の構築が計画されています。また、この展示会を起点して継続的な企業価値向上のための施策も組み込まれており、100周年に向けた新たなスタートとして位置づけられています。
▶︎ この企画の「型」を再現するには
この企画がうまくいっている理由は、
製品を並べる展示会ではなく、企業そのものへの信頼と共感を設計していること にあります。
BtoB企業や社会インフラ企業の展示会では、
製品説明ばかりで印象に残らない
技術力は伝わっても企業像が見えない
来場者導線が単調で滞在価値が低い
周年イベントなのに未来感が弱い
という課題が起こりがちです。
この企画では、そうした弱点を避けるために、
90年の歴史と100周年への未来像を一本化
製品単位ではなくライフシーン単位で展示再編集
実機・映像・体験演出を組み合わせ理解促進
プロローグ〜各ゾーン〜エピローグで物語化
顧客・株主・メディア・社員家族まで対象別に設計
という構造になっています。
つまり、
知る → 体験する → 理解する → 共感する → 信頼する
までが会場導線の中に組み込まれています。
特に優れているのは、
鉄道・交通・都市・オフィス・研究開発などの事業群を、
生活を支える技術
安全を守る仕組み
快適を生む未来技術
として再編集し、来場者目線の価値に翻訳している点です。
これはインフラ企業に限らず、
製造業のプライベートショー
BtoB企業の周年展示会
官公庁・自治体の未来展示
採用イベントの企業理解ブース
IRイベント・株主向け展示企画
にも応用できます。
展示会は「説明の場」ではなく、
企業価値を体験として届ける場です。
この型は他の事例でも繰り返し使われており、
成果が出ているパターンです。
👉 この構造はテンプレートとして再現できます。
👉(=大型展示会の企画を毎回ゼロから考えなくてよくなります)
実務でそのまま使えるように設計しているので、
空欄を埋めるだけで、
目的整理・展示ストーリー・ゾーニング・体験導線・運営計画・広報設計まで一本につながる企画が組み上がります。
※同じ構造で企画を作りたい方はこちら ☟
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます