見出し画像

化粧品メーカーの対ドラッグストア向け流通戦略企画

本企画は、クライアント企業が新ジャンル「美容提案型ヘアケア」商品の確立を目指し、重点ドラッグストアへの流通戦略を提案するものです。中高価格帯ヘアケア市場でのシェア獲得と、20~30代女性層(F1層)という新たな顧客層の開拓を目標としています。

本企画で提案したのは『Hot Pepper(ホットペッパー)』 は、リクルートが発行していた地域密着型の無料クーポン情報誌 です。主にグルメ・美容・レジャーなどの情報とクーポンを掲載し、読者が店舗にクーポンを持参することで、割引や特典を受けられる仕組みでした。現在は廃刊となっておりますので、巻末にはそれに代わる流通タイアップのメニューを持つ媒体/プラットフォームを提示してまとめてあります。現代の企画立案にぜひ参考にしてください。


👉 本記事は「企画が通る構造」を分解して解説しています。
同じ構造はテンプレートとして再現可能です。
→つまり、同じレベルの企画を再現できます。


この事例は
「流通攻略型(売りたい商品を生活者向けに訴求するだけでなく、流通企業・売場・バイヤーを動かし、定番導入まで獲得する型)」の企画です。
(※企業名や商品/サービス名は 守秘義務により仮称としております)
(※他の企画事例はこちらの一覧ガイドを参照ください)


1. ブランドミッションと目指す方向性

商品戦略の基本方針

  • 市場目標:中高価格帯ヘア市場におけるシェアの確保(全国展開)

  • ターゲット層:20~30代のF1層

  • 創造課題:フル・スタイルに共感する顧客層の開拓

流通戦略の核心

ドラッグストア(組織小売業)への拡販を重点課題とし、以下の3ブランドを中心に展開:

  • クライアント企業

  • Hot Pepper

  • ドラッグチェーン

リクルート「ホットペッパー」を活用したドラッグ施策の展開を基軸とする戦略です。

2. 流通戦略における3つの重点課題

(1) ブランドの強み明確化

クライアントが高価格帯ヘアケア市場に参入する意味性を以下の3点で訴求:

  1. 科学的・技術的論理性:商品の優位性

  2. 化粧品との相乗効果:「新美容理論(トータルヘアビューティーの追求)」の提案

  3. 制度品メーカーとしての価値:チャネル側からの期待度(ファッション・ブランド力)

(2) ドラッグストアへのアプローチ

  1. 市場理解の促進:中高価格帯ヘアケア市場拡大への理解度向上

  2. 共感性の醸成:制度品メーカー・ブランドに対する共感性の向上

  3. 優先攻略:提案販売・カウンセリング販売に重点を置く企業を選定

(3) 売り方の革新

  1. 新ジャンル訴求:「美容提案型ヘアケア」という新カテゴリーの確立

  2. エリア別戦略:チャネル毎・エリア毎の効率的プロモーション(マス広告ではない)

  3. 人的販売強化:制度品メーカーの強み「人」を介した紹介活動を基本に設定

3. 実行戦略:マーケティングと営業の連動

基本方針

「小さい成功を積み重ねて大きく育てる」方針を採用し、プロトタイプ開発と汎用性の高いパターン開発を推進。

具体的施策

(1) エリア別重点取り組み

  • ドラッグ企業別に重点取り組み政策を実施

  • 成功事例の具現化と横展開

(2) 統合的プロモーション

  • エリア広告・PR活動

  • 販促プロモーション

  • サンプリング(来店促進・トライアル促進)

(3) 営業手法の高度化

  • 商品情報の充実

  • 具体的導入施策の提案

  • 地元マーケットを意識した戦略立案

(4) マーケティング強化

  • プロトタイプ開発(汎用性の高いパターン開発)

  • ドラッグ企業別重点取り組み政策の実施

  • エリア広告、PR活動、販促プロモーション、サンプリングの展開

(5) 営業(支社)との連動

  • 商品導入率向上のための営業手法開発

  • ドラッグ企業(バイヤー)への提案営業の実行

  • 重点ドラッグ攻略を目的とした商談のイメージング化(シミュレーション・スケジューリング)

  • ストーリー性を持った営業・効率的なローラー営業の実施

(6) 商品・その他

  • ドラッグ売り場に相応した売り方、展開、専門什器、ツールの開発

  • 将来的な仮説立てと検証・教育の実行

4. Hot Pepperを活用したコラボレーション流通戦略

実施概要

クーポンマガジン「ホットペッパー」を活用し、新ジャンルのヘアケア商品を啓蒙・訴求。クーポン情報誌での来店訴求と、連動した店頭での売場展開で集客・販売数の拡大を図ります。

施策展開のポイント

本企画は単なる広告展開ではなく、「売り場作り」「商品理解」「トライアル」につながる、店舗・商品双方のメリットを獲得できるプロモーションとして展開。

具体的施策内容

広告コミュニケーション展開

【誌面要素】

  • 商品のブランディングや機能訴求

  • サンプル引き換えクーポン(店頭来店で商品サンプルと引き換え)

  • 実施店舗一覧の掲載(流通に対する明確な集客効果のイメージング)

【発行部数】

  • 札幌版:XX万部

  • 旭川版:X万部

  • 名古屋版:XX万部

  • 岐阜版:XX万部

【掲載予定日】 20XX年3月末発行号

店頭施策展開

  1. クローズドキャンペーン

    • 魅力的な景品をフックとしたキャンペーン展開

    • A賞:NY旅行(ヘアサロンを訪れる旅)5組10名

    • B賞:マイナスイオンドライヤー 50組

    • C賞:対象ブランド化粧品セット 100組

  2. モニターキャンペーン

    • 店頭申し込み型の商品モニターキャンペーン

    • 化粧品カウンセリングコーナーでの実施

    • モニター期間:1~2ヶ月

  3. 店頭サンプリング

    • ホットペッパーに店頭引き換えクーポンを添付

    • 1店あたり100個を基本に立地状況や実績に応じて配分

    • 引き換え場所:化粧品カウンセリングコーナーまたは各店レジ

三面展開による相乗効果

  1. 化粧品売場:上記施策の展開・新ジャンルヘアケア商品としての販売・手渡し什器の設定などで獲得

  2. エンド展開:クローズドキャンペーンの告知ボードやS管はがき、専用什器の設置や大量コンテストの実施で獲得率アップ

  3. 定番棚:①②の獲得→定番の獲得

5. 投資概算

総額:約1,000万円

内訳:

  • 制作関連費用:2,300,000円

    • 店頭ツールデザイン制作費:300,000円

    • 店頭ボード印刷費:700,000円

    • 応募ハガキ印刷費(クローズド):700,000円

    • 応募用紙印刷費(モニター):200,000円

    • 事務局諸負費:300,000円

    • 通数報告:50,000円

    • 抽選作業:50,000円

  • 発送関連費用:600,000円

    • サンプリング関連費用:400店×1,500円

  • ホットペッパー掲載費:7,152,000円

    • 札幌版キャンペーン価格:3,760,000円(4頁)

    • 旭川版キャンペーン価格:960,000円(2頁)

    • 名古屋版キャンペーン価格:3,000,000円(4頁)

    • 岐阜版キャンペーン価格:1,220,000円(2頁)

    • 回数割引20%:-1,788,000円

6. 期待される成果

成功事例の創造から全国展開へ

本戦略により、以下のステップでドラッグストアにおけるスティーブン・ノルの確立を目指します:

  1. 成功事例の創造:小規模な成功を積み重ね

  2. 攻略基本パッケージの開発:汎用性の高いパターン確立

  3. ナレッジの全社共有:具体的数字(売り上げ)・事例・実績の共有

  4. 全国重点ドラッグの攻略:ドラッグストアにおけるブランド確立

最終目標

化粧品・上記施策の展開・新ジャンルヘアケア商品としての販売・手渡し什器の設定などで獲得し、エンド・クローズドキャンペーンの告知ボードやS管はがき、専用什器の設置や大陳コンテストの実施で獲得率アップを図り、最終的に定番棚の獲得を実現します。


7. 【参考資料】 流通送客メニューの現代版:媒体別活用提案

従来の「Hot Pepper」は、地域F1層に強い到達力を持ち、クーポン誌として店舗へ顧客を送客する既存メニューが確立していました。
現在では、同様に 「対流通施策として活用できる媒体」 は紙からスマホベースにシフトしており、LINE公式・@cosme・楽天・共通ポイントメディアなどが、流通送客メニューを実質的に担っています。


【1】LINE公式アカウント+LINE広告

LINEは国内最大級のユーザー数を抱えており、地域ごとのターゲティング配信や「友だち登録クーポン」「来店スタンプ」など、ドラッグストアが自社でCRMを行いやすいメニューが整っています。
例:マツモトキヨシやスギ薬局のLINE限定サンプル引換、ツルハドラッグの来店スタンプ抽選など位置情報広告と組み合わせれば、Hot Pepperが担っていた「地域版送客メニュー」をスマホで再現可能です。


【2】@cosme(アットコスメ)メニュー

@cosmeは日本最大級のコスメ口コミプラットフォームで、オンラインとリアル店舗(@cosme STORE)を連動させたサンプリング・送客メニューを展開しています。
例:大手化粧品ブランドが@cosmeページに「店頭サンプル引換クーポン」を掲載し、カウンセリング付きで体験を提供 → 口コミを蓄積 → ECやドラッグストア売場での指名買いを促進。口コミ拡散効果が高く、美容ジャンルに特化した流通対策として最適です。


【3】楽天ポイント・楽天ビューティー

楽天ビューティーでは美容室だけでなく、スキンケア・ヘアケアの「店頭体験予約キャンペーン」を組めるメニューがあります。体験後に楽天ポイントを付与する仕組みで、「来店動機」+「口コミ投稿」+「EC購入」へと繋ぐことが可能です。
例:髪質診断を予約 → 店頭で体験 → ポイント付与でEC購入に誘導
価格感度が高い層に強く、流通とECをまたぐ導線を作れます。


【4】共通ポイントメディア(Ponta / Tポイント)

PontaやTポイントは加盟流通が多く、「ポイント引換クーポン」「ポイントアップキャンペーン」 など、来店回数を増やすメニューが豊富です。

例:ドラッグストアでスタンプを集めて景品抽選/ポイントをためて店頭で引換
リピート来店・回遊を促したい流通には相性が良いです。


【5】デジタルチラシアプリ(Shufoo!)

Shufoo! は主にスーパー・ドラッグストアを対象に
地域の折込チラシのデジタル化+クーポン発行が可能です。

例:ウエルシアがShufoo!でお得情報を配信 → チラシを見た顧客がクーポンを保存 → 店頭で提示して引換
主婦層など近隣住民の回遊性を高めたいときに活用できます。


▶︎ この企画の「型」を再現するには

この企画がうまくいっている理由は、
生活者向け広告だけでは売上が決まらない現実を踏まえ、流通側の意思決定プロセスまで設計していること にあります。

化粧品や日用品は、

  • 店頭に置かれなければ売れない

  • 棚位置で売上が変わる

  • バイヤーが採用判断を持つ

  • 導入後の回転率が重要

  • 定番化できなければ一過性で終わる

という構造があります。

この企画では、そこを見越して、

  • ドラッグストアごとの重点攻略先を定める

  • 新ジャンルとして売れる理由を提示する

  • Hot Pepper的送客施策で来店数をつくる

  • サンプル配布で体験者を増やす

  • エンド展開・什器で売場存在感を上げる

  • 成功店舗の数字を横展開する

という、商談→導入→売場強化→回転率向上→定番化 の流れを組み上げています。

特に優れているのは、
商品訴求だけでなく、流通側にとってのメリットを明確にしている点です。

たとえば、

  • 来店客数が増える

  • 売場が活性化する

  • 新規客層を呼べる

  • 客単価アップが期待できる

  • 他店との差別化になる

  • 本部提案しやすい成功事例ができる

この視点があるから、流通は動きやすくなります。

つまり売っているのは商品そのものではなく、

  • 売れる棚

  • 集客できる企画

  • 回るカテゴリー

  • 話題になる売場

  • 継続採用したくなる実績

です。

この型は、

  • 化粧品メーカー

  • 日用品メーカー

  • 健康食品メーカー

  • 飲料・食品メーカー

  • 新興D2Cのリアル流通進出

  • PB対抗の商品導入提案

など、小売流通を押さえる必要がある商材全般 に応用できます。

広告だけではなく、
棚取りまで含めて成果を出したい時に強い構造です。

ただ、この構造を毎回ゼロから考えるのは簡単ではありません。

この型は他の事例でも繰り返し使われており、
成果が出ているパターンです。

👉 この構造はテンプレートとして再現できます。
👉(=流通向け提案企画を毎回ゼロから考えなくてよくなります)

実務でそのまま使えるように設計しているので、

空欄を埋めるだけで、
課題・流通インサイト・商談ストーリー・販促施策・定番化戦略が一本につながる企画が組み上がります。

※同じ構造で企画を作りたい方はこちら ☟


いいなと思ったら応援しよう!

企画構造ラボ|100事例が導く企画術 ありがとうございます

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー