【続いてる写経 2263日め】『河鍋暁斎の世界』展、なんて楽しい絵なのだろう
サントリー美術館で6/21まで開催中だった『河鍋暁斎の世界』展へ行ってきました。
チケット買っていたのを忘れていたので、思い出せて良かった。
イギリスのゴールドマン・コレクション=世界一の暁斎コレクションから、日本初出品も多数とのこと。
暁斎への興味は、澤田瞳子氏の小説『星落ちて、なお』を読んだのがきっかけ。暁斎の娘、河鍋暁翠(きょうすい)を主人公に、偉大なる父の影を背負いつつ、明治・大正時代を女性画家として生き抜く姿が描かれていました。
うろ覚えながら、この小説の中で暁翠は、
「父さんはなんて上手いんだろう」
と語っていたかと思います。
このセリフの言わんとするところが、すばらしいコレクションの展覧会を観覧してよーくわかりました。
暁斎は明治までに培われた日本の絵画の背景・様式・技術を自分のものに昇華して、独自の画風を確立しているのです。
自由自在な筆と表現の天才性にワクワクさせられました。
『鳥獣戯画』をモチーフにした動物画、狩野派などで修行した流麗な筆致、師匠の歌川国芳譲りのカラフルな浮世絵、北斎のような遊び心たっぷりの風刺画・・どの作品も躍動感にあふれていて、画面がイキイキしているのです。



お酒が大好きで、酒をくらう鬼の姿に自分を重ねた絵もある一方、熱心な仏教徒で、古風なスタイルで描かれた達磨像や観音菩薩様の仏教画も美しい。





また、大蔵流の狂言もやっていたそう。
なるほど、狂言独特の節回しやコミカルさを体得しているからこその、画面のリズム感なのかもですね。
正直、博覧会で高値がついた鴉(からす)の絵よりも、躍動感がある風刺画やカエルや猫のほうが魅力的で、描き手の愛を感じられました。
どっちかっていうと、暁斎先生は鳥類はあんまり得意ではなかった。というより好みではなかったのかなあ?と、他の鶏などの絵をみて感じました。
そこだけ若冲先生のような、執念を感じない。。
もちろん鴉も、印象派におけるマネの”黒”の用い方のようなインパクトがあったのとは推察されますが。
ともあれ、小賢しい説明は不要。
絵画を愛でる喜びを感じさせてくれる暁斎の作品。
海外での評価が高かったわけもよくわかりました。
ほんと、楽しかった!!
この展覧会は神戸と静岡に巡回するそうです。
最後に娘の暁翠も、父譲りの天才性と時代感覚を取り込み、活躍されていたのがわかる絵をご紹介しておきます。
