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【DiaFill】フィラー入り日本語会話を自動生成してTTSで音声化した話

こんにちは、CuteAgepan(@CuteAgepan)です。

「えっとー」「あのー」「なんか」。

人間の会話にはフィラーが入る。台本読みではない、自然な日本語会話を生成したい。そう思って見つけたのがSB IntuitionsのDiaFill。対話テキストにフィラーを挿入するモデルで、3Bと13Bの2サイズ展開。ライセンスはMITとApache-2.0。

今回は5種類の会話シードから220発話を生成し、フィラー分布を分析。さらにQwen3-TTSで男声+女声の音声化まで一気通貫で検証した。ついでにRVC学習データとして使えるかも調べた。

結論から言う。会話テキスト生成としては面白い。ただしRVC学習データには向かない。

DiaFillとは

SB Intuitionsが開発した対話生成+フィラー挿入モデル。sarashinaシリーズのLLMをベースに、日本語対話コーパスでファインチューニングされている。

・開発: SB Intuitions
・ベース: sarashina LLM
・3Bモデル: MIT ライセンス
・13Bモデル: Apache-2.0 ライセンス
・配布: HuggingFace
・用途: 対話テキスト生成 + フィラー自動挿入

フィラーとは「えー」「あのー」「なんか」のような、会話中に現れるつなぎ言葉。台本的な文章にはない、話し言葉特有のもの。DiaFillはこれを自動で挿入してくれる。

検証概要

5種類の会話シードを用意した。

1. 雑談 — 友人同士の日常会話
2. 雑談 — 趣味についての話
3. コールセンター — 料金プラン変更の問い合わせ
4. コールセンター — 配送トラブルの対応
5. テクサポ — ソフトウェアの不具合報告

これらから合計220発話を生成した。

生成結果

全体統計

・総発話数: 220
・フィラー入り: 109発話 (49.5%)
・退化ループ: 16発話 (7.3%)
・RVC適合: 98発話 (44.5%)
・RVC最適: 22発話 (10.0%)

約半分の発話にフィラーが入る。台本的でない、話し言葉らしいテキストが出てくる。

ただし7.3%が退化ループ。同じフレーズが4回以上繰り返される壊れた出力。LLMの宿命ではあるが、後処理で弾く必要がある。

フィラー分布

・あのー: 55回
・なんか: 54回
・そのー: 48回
・えー: 45回
・へえ: 28回
・こー: 14回
・えっとー: 12回

「あのー」「なんか」「そのー」「えー」の4種が拮抗。日本語話者の感覚と合う。「えっとー」は少なめだが、実際の会話でも個人差が大きいフィラーなのでこんなものだろう。

発話長分布

・short (10文字未満): 81発話
・medium (10-30文字): 65発話
・long (30-60文字): 40発話
・too_long (60文字超): 34発話

短い発話が多い。「はい」「うん」「そうですね」のような最小応答が含まれるため。会話としては自然だが、音声合成の素材としてはやや使いにくい。

デモ会話:コールセンター

実際に生成されたコールセンター会話の一部を紹介する。

オペレーター:「お電話ありがとうございます。エーモバイル担当のオペレーターでございます。本日はいかがなさいましたか?」

お客様:「えっとー携帯の料金プランの変更をしたいんですけども。」

オペレーター側はフォーマルで、お客様側に「えっとー」が入る。この役割差を自動で生成できているのは面白い。

TTS音声化

生成したコールセンター会話をQwen3-TTSで音声化した。男声と女声を使い分け、12シーンの対話を生成。

・TTS: Qwen3-TTS
・話者: 女声(オペレーター)+ 男声(お客様)
・シーン数: 12
・合計尺: 約70秒

フィラー入りの文章をTTSに渡すと、「えっとー」の部分で自然な間ができる。台本読みとは明らかに違う音声になる。これがDiaFillの一番の価値。

RVC学習データとして使えるか?

結論:向かない。

RVC学習データに適した条件は以下。

文字数: 10-50文字(短すぎず長すぎず)
退化なし: 繰り返しフレーズがない
最小応答でない: 「はい」「うん」だけの発話は除外

この条件を満たすのは220発話中98発話(44.5%)。さらにフィラー入りで14-30文字の最適範囲に絞ると22発話(10.0%)。

なぜ向かないのか

1. 短い発話が多すぎる: 81発話(36.8%)が10文字未満。RVCには音素の多様性が必要で、「はい」「うん」では学習にならない
2. 長い発話も多い: 34発話(15.5%)が60文字超。1文が長いと音声品質が安定しにくい
3. 退化ループ: 7.3%が壊れた出力。後処理が必須
4. 歩留まりが悪い: 最適なものが10%しかない。220発話生成して使えるのが22発話では効率が悪い

RVC学習データを作るなら、DiaFillではなく録音テキストの書き起こしか、文字数を制御できるテキスト生成の方が効率的。DiaFillは「自然な会話テキスト」の生成が目的であって、「音声学習素材の生成」は設計意図から外れている。

検証動画

今回の検証の詳細はYouTube動画にもまとめた。

まとめ

・会話テキスト生成: 良い。フィラーの挿入が自然
・TTS素材: 使える。フィラーで間が生まれる
・RVC学習データ: 向かない。歩留まり10%
・退化ループ: 7.3%。後処理必須
・ライセンス: 3B: MIT / 13B: Apache-2.0。商用OK

DiaFillの使いどころは「自然な会話テキストの生成」と「TTS音声化」。フィラー入りの会話をそのままTTSに渡すだけで、台本読みとは違う音声が出てくる。コールセンター対話、チャットボットの応答例、対話AIの学習データなど、用途は広い。

ただし生成品質のばらつきは大きい。退化ループの検出と短い発話のフィルタリングは必須。そのまま使うのではなく、後処理パイプラインとセットで考えるべき。


検証環境: RTX PRO 6000 (96GB) / Qwen3-TTS / 2026-02-17
DiaFill: SB Intuitions


CuteAgepan(@CuteAgepan
AI検証やってます。RTX PRO 6000 (96GB) と RTX 5090 の2台体制。
note: https://note.com/cute_agapan9087


※本記事の情報は執筆時点のものです。バージョンアップ等により動作が変わる可能性があります。
※AI支援で作成しています。誤りがあればコメントでご指摘ください。

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