【知られざるアーティストの記憶】番外:ひと息😘☕ &【まりの言葉】
物語とコメント欄
【知られざるアーティストの記憶】という、私の人生にとっておそらくもっとも大事な宝物である物語を書き始めました。
もっと奥深いタイトルはないものか、とも思いますが、私が書きたいものは彼と過ごした時間の「記憶」であり、彼という人が1年数ヶ月の間に私に遺していったものの「記憶」です。そして、彼という人はまさに「アーティスト」として生きた、それも「知られざるアーティスト」だったのです。書いていくなかで、もっと素敵なタイトルがやってきたら、お断りして変えてしまうかもしれませんが。今のところはこれで進めてみます。
私は彼の人生の最後の1年数ヶ月を共に生きることができたのですが、彼の人生の前半期、幼少期~少年時代を深く知る人と出会うことができました。そのかたはnoteで人気のクリエイターのcoucouさんです。
coucouさんと出会ったことで私は、もうこれ以上は叶わないはずだった、彼という人をより深く理解することが可能になりました。彼との新しい思い出を紡ぐことはもうできないし、過去のことも彼に聞けなくなったので、自分の持っている記憶を徐々に風化させながら熟成させていくより他はなかったのです。彼の幼少期~少年時代のことを新たに教えてもらえることは、思ってもみない喜びでした。そのことに加え私は、彼を愛し続けること、不在を悲しみながらもこれからも共に生きることにおいて、孤独ではなくなりました。
実は私の書いている記事のコメント欄には、毎度のようにcoucouさんが彼の思い出やエピソードを書き綴ってくださいます。そこは、彼はどういう子ども時代を生き、何を感じどう生きたかという分厚い背景から、彼と私(主人公のマリ)との出会いが彼にとってどういう意味をもったのかを論じ合う場ともなっています。最近では、人生経験豊富で鋭い洞察力をお持ちのちゃりれれさんも加わって、マリのようにぼんやりした少女ではない大人の女の目線から読んだ感想を寄せてくださり、物語が豊かに重曹的になっています。
☺coucouさんとちゃりれれさんの応援に感謝いたします✨
物語の本文は、実際にあった出来事を「マリ」の目線から淡々と記述することに徹しています。可能な限り、どの時期に何があり、彼はどんな言動をしたか、なるべく台詞まで忠実に再現しています。名前以外はノンフィクションの形をとっています。それを意図しているというより、私にはその書き方しかできないからです。
ですので、物語の本文では、出来事に対して客観的な意味付けなどを行わないようにしています。客観的な意味付けや彼の人物像は、読んでくださった人の数だけあるのがいいのかな、と今のところは考えています。(ですが、コメント欄がおもしろいので、客観目線を本文にも入れたほうがおもしろいのかな?🤔と多少血迷っております。)
マリのノートより「まりの言葉」
最後に、マリのノートから言葉をご紹介します。マリは彼との間に起こった出来事や自分の気持ち、彼に対するメッセージなどを日記のようにノートに綴っていました。それは、何ページも書く日もあれば、パタッと書かない時期もあるものですが、今は出来事を辿る重要な記録となっています。コンビニで買ったA5サイズのノート2冊分あり、1冊目のタイトルが「恋」、2冊目が「愛」で、それぞれに通し番号がついています。
以下は彼とお付き合いしはじめて数ヶ月たった2021年11月30日に、彼を遠くから見ていた日々を回想して書いた一文です。
あなたのぬくもりを
たくさん感じた確かに感じた
ぬくもりがひとつになった
去年の今はあなたの名前すら知らなかった
あなたは髪が長く
私はあなたを遠くから想った
遥か昔からあなたを愛していた気がする
2021/11/30 「愛12」
これを見ると、ああ、彼と私の密接に過ごした日々は、彼の髪が短かったんだな、彼の命を奪った病気の発症とともにあったんだ、とも感じます。
マリの2冊のノートは、公開することはおろか、人に見せるつもりも全くなしに綴られたものです。そのままお見せするのは恥ずかしさもありますが、かといって私はこの文を一字たりとも手直しする気にはなれないのです。この言葉は、彼と過ごした日々の中で私から溢れ落ちたもので、この恋愛を通したマリの成長の軌跡でもあるからです。
マリはまた、この1年余りの間に、彼へのラブレターを20通余りも書いています。時にはこのノートから便箋に書き写して渡したものもあり、喫茶店でカレンダーの裏紙に書きなぐったものもあります。彼はそれをすべて自室の机の脇の、最も大切なものを入れる場所に納めて、そのまま遺しました。棺に入れてあげてもよかった気もしますが、今はまだ私の手元にあります。
物語の中では、時折、このマリのノートや手紙の文を引用していこうかと考えています。(または、このように番外編として。)
(2014文字)
