台風はウクレレの調べ
※東京ローカル岩男さんの
#岩男を笑わせろ杯 に参加しています。
(1000文字)
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私が中学生の頃、バンドブームが来た。
深夜番組であるイカ天を観て、友達とロンTにダボダボデニム、キャスケット被って変なサングラスとラババーソウルに文化屋とかで売ってる変なリュックという
懐かしくて恥ずかしくて、このまま私だけを葬り去りたいと歌いたいくらい、死にそうな激ダサファッションでいそいそと原宿竹下通りにあったイカ天ショップにも行き、ホコ天などにも足を運んで
表参道で謎にリプトンパックにストローさして飲みながら座り込み、顔見知りを見つけると「あ〜、◯◯ちゃーん!」とか言って常連風に振舞って調子こいてバンドブームを満喫していたそんなある日、妹が突然「ウクレレが欲しい」と相談してきた。
お茶の水に専門店ありそうじゃんという姉に妹は「お姉ちゃんみたいにすぐ飽きると勿体無いから安いやつでいい」と言った。
その日は台風だったか嵐の日で、見に行く前に電話で確認してみようとなり、タウンページで私が検索した番号に妹が電話をかけることにした。
「あったらでいいんですけど〜、安いウクレレってありますか」と聞いて、あれば値段を聞いて後日見に行く事にして何軒かかけると、意外と楽器店に安いウクレレがない事を知った。
6軒目くらいで飽きてきた私はカントリーマームを食べながら次の番号を妹に伝え、先程同様に「あったらでいいんですけど〜...」と言うと
「ちょっと待ってて!」と聞こえてきた。
これは期待と聞き耳を立てていると
「おかあさーん!うち安いウクレレある?」と聞こえ「ないよそんなもん!」という怒りの声が聞こえると同時に
「ないよそんなもん!」と言われてガチャ切りされた。
何故か怒られて腑に落ちない妹の電話のディスプレイを見ると.....
私が伝えたのは普通の民家の番号だった。
嵐の日に普通の家に「あったらでいいんですけど〜、安いウクレレってありますか」という電話をかけてキレられた妹.....それを見て涙が出るくらい笑った私は、それから2日くらい妹に無視された。
そして伝説となった25年後....
妹が半笑いで「またやっちゃった」と言ってきた。
量販店で買ったテレビの調子が悪いので電話をかけたら調整の仕方を丁寧に教えてくれて、最後に「それでだめだったら買ったところに聞いた方がいいかも」と言われ、なんかおかしいと思ったらぜんぜん関係ない普通の会社にかけていたと。
親切な人はいるもんだなと思いつつ、3度目の奇跡を姉は待っている。
