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叱れない時代に、叱る力を。ハラスメントを恐れずに伝える技術

「あなたは、人を叱ることができますか?」

それは、ただ怒鳴ることでも、感情をぶつけることでもありません。
“本気で相手を思い、正すべきことを正す”——それが本来の「叱る」です。

でも今の時代、それがとても難しい。
なぜなら、「叱る=ハラスメント」と受け取られてしまうことがあるから。

これは、医療現場で実際に“パワハラ”と訴えられた経験を持つ私が、自問自答しながら綴るリアルな体験と、今だから思うことの記録です。


■ 昨今の「〇〇ハラスメント」、良くも悪くも浸透しています

「えっ、それもハラスメントなの?」
そんな風に感じる機会が増えました。

一昔前は当たり前だった指導や態度が、今では「○○ハラスメント」と表現されるようになりました。
たしかに悪質な言動や圧力は排除されるべきですが、都合のいい言葉として使われる場面も少なくないのではないでしょうか。


■ 私が経験したカスタマーハラスメント

先日、患者さんから強い叱責を受けました。
これは「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と呼ばれるものだと感じています。

一昔前なら“クレーマー”という括りだったようなケースも、今では「ハラスメント」として職員側が守られる対象になることもあります。

立場や時代の変化によって、何がハラスメントかの定義も変わってきている
この現実は、現場に立つ者として強く感じます。


■ 指導が通じなくなっている時代

かつて私はリハビリテーション部門の主任として、後輩や学生の指導にもあたっていました。
しかし今では、以前は普通だった指導方法も「控えるように」と通達が出る時代です。

それでも、業務上どうしても必要な指導は存在します。
特に医療現場では、技術や判断力が命に関わります。
だからこそ、指導をしないことで誰かが不利益を被ることもあるのです。


■ 叱るときに大切なこと

私が意識しているのは、以下の2点です。

  • 事実のみに着目すること

  • 人格否定は絶対にしないこと

過去のことまで蒸し返されたり、性格を否定されれば、誰だって腹が立ちます。
冷静に「今の出来事」だけにフォーカスすることが大切です。
それでも誤解されたり、受け取り方によっては傷つけてしまうこともあります。


■ 「なぜ私だけ叱られるの?」が生む不信感

叱られること自体が辛いのではなく、**「自分だけが叱られた」**という感覚が、信頼関係を崩します。

私の上司はよくこう言っていました。

「日頃のコミュニケーションが足りていないと、叱られたことだけが強く残るんだよ」

たしかに、普段から風通しの良い関係が築けていれば、叱られても素直に受け止められるものです。


■ 情報共有の偏りは「見えないハラスメント」になることも

「え?それ知らなかった」
「なんで自分だけ聞いていないの?」

たったそれだけのことで、人は強い疎外感を感じてしまうのです。
だからこそ、日々のちょっとした情報共有や声かけが、職場の安心感をつくっていきます。


■ 日本で初めて登場したハラスメント用語は?

1989年に登場した「セクシャルハラスメント」が、日本で初めてのハラスメント関連用語とされています。
それから30年以上、○○ハラスメントという言葉が急速に増え、今では「叱ること」すらためらう空気が社会に広がっています。


■ 私が「パワハラ」とされた日

今から5年以上前の話です。
ある後輩が「パワーハラスメントを受けた」と上層部に相談し、私に聞き取り調査が行われました。
結果として、私は部署異動となりました。

私自身には「叱ったつもり」はあっても、「傷つけるつもり」はありませんでした。
でも、伝えたつもりでも、伝わっていなかった。

今振り返ると、日頃のコミュニケーション不足や、相手の主義・主張への理解の欠如が根底にあったと感じています。


■ 謝れる人でいたい

立場が上がるほど、年齢を重ねるほど、「謝る」のが難しくなります。
でも、本当に信頼される人は、間違えたときに「ごめん」が言える人です。

上下関係ではなく、人と人として対話できるかどうか。
その姿勢が、叱る・叱られる関係において、何より大切なのかもしれません。


■ 今の私は、叱られる側になって気づいたこと

転職を機に、私は今、一般職として働いています。
時に主任さんから指導を受けることもあります。

でも不思議なことに、それを**「ハラスメント」と感じたことはほとんどありません。**

なぜなら、かつて私も「叱る側」だったから。
言いにくいことを伝える大変さ、伝える責任の重さを知っているからです。

きっと、相手の立場になることで見えるものが変わるのだと思います。
そして、これから年齢を重ねた若い世代も、また違う視点を持つようになるのでしょう。


■ 結局は“共感性”という非認知能力が鍵になる

「叱る力」も「受け止める力」も、最終的には相手の立場に立てるかどうかだと思います。
以前の記事でも触れましたが、これは非認知能力の一つである「共感性」に繋がります。

相手の感情に寄り添い、感じ、受け入れる力。
それがなければ、叱ることも、叱られることも、ただの一方通行になってしまいます。


【結び】

「叱られることに、愛情があれば違う。」

これは、たくさんの失敗と反省、そして経験を通して私の中に残った言葉です。

叱ることを、恐れないでください。
でも、伝え方をおろそかにしないでください。

そして、自分が間違ったときには、素直に謝ってください。
それだけで、職場の空気は変わっていきます。

叱ることが難しい時代だからこそ、伝える勇気と、受け止める器が求められている。
この記事が、そんな方々の心に少しでも届けば嬉しいです。

こちらは厚生労働省のホームページのハラスメント対策です。


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4姉妹の父親 PTダダ もうすぐ4人の娘を育てる父親として、毎日の育児や家族との小さな出来事をリアルにお届けしています。チップで応援していただけると、育児の工夫や家族旅行の裏話、日常のちょっとした学びなどを、もっと深くシェアできます✨ 「読んで共感した!」と思ったら、ぜひ応援してもらえると嬉しいです😊